実録外伝大阪電撃作戦(二)大乱闘
『実録外伝 大阪電撃作戦』
映画 92分 トーキー
カラー 白黒静止映像あり
昭和五十一年(1976年)一月三十一日公開
製作国 日本
製作 東映京都
企画 日下部五朗
田岡満
橋本慶一
奈村協
脚本 高田宏治
撮影 増田敏雄
音楽 津島利章
照明 北口光三郎
録音 荒川輝彦
美術 佐野義和
音楽 津島利章
監督補佐 牧口雄二
編集 堀池幸三
記録 石田照
装飾 柴田澄臣
背景 西村三郎
装置 温井弘司
助監督 萩原将司
擬斗 上野隆司
美粧 田中利男
結髪 明田多美枝
スチール 中山健司
衣裳 高安彦司
演技事務 森村英次
進行主任 俵坂孝宏
出演者
松方弘樹
梅宮辰夫
渡瀬恒彦
目黒祐樹 片桐夕子
織本順吉 三上寛 小松方正 中原早苗
室田日出男 川谷拓三 郷鍈治 石橋蓮司 名和宏
林彰太郎 志賀勝 野口貴史
成瀬正 島米八 堀めぐみ 曽根晴美
髙並功 国一太郎 中村錦司 丘路千
有川正治 大前均 五城彰二
岩尾正隆 福本清三 根岸一正 内村レナ
奈三恭子 松本泰郎 片桐竜次
西田良 藤沢徹夫 志茂山高也
宮城幸生 沢美鶴 原田君事 阿波地大輔
笹木俊志 秋山勝俊 衣竜快次 疋田泰盛
舟橋竜次 酒井哲 白川浩二郎
伊吹吾郎 成田三樹夫
丹波哲郎
小林旭
監督 中島貞夫
☆☆☆
平成十二年(2000年)一月二十六日
十三東映にて鑑賞
☆☆☆
昭和35年10月8日
ボクシング試合の会場。青コーナーの真田一郎と赤コー
ナーのナショナルジョーの応援で、南原組の高山敬と大
阪双竜会の安田寿行とその仲間達は意識し挑発してい
た。安田の仲間大岩・金・丁は青を全て買った高山を嘲笑
する。
金「あれはが阿呆の見本っちゅうねん」
丁「よう見とこ」
この試合の興行を預かっているのは、高山の兄貴分
の宮武平吉だ。客席には新興やくざで川田組と親しい
大東次郎が護衛の金崎徹を連れてじっと試合を見てい
る。
試合が始まった。激しいボクシングだ。高山は一郎に
相手の腹がたつんどるんからぶちかませとアドバイスす
る。
一郎はその作戦に応え見事にジョーの腹部にパンチ
を喰らわせた。
ジョーが劣勢になると、安田がリングに乱入し、一郎
の腰を蹴り、双竜会組員も暴れ出す。激怒した高山は安
田とその仲間を殴り、乱闘になる。
☆暴れ出す狂犬たち 暴走する狼たち☆
志賀勝「あれが阿呆の見本っちゅうねん」と川谷拓三の
「よう見とこ」の大阪弁は完璧である。確かに大阪の怖い
場所では、こうしたイントネーションの言葉を聞くことが多
い。なぁんて白々しい言い方をしたらあかんね。
わたいも時々使いま。つまりリアルな大阪弁なんです。
逆に言うとこの言い回しは、危険一杯の物言いやから
あまりあちこちで多用はされないほうがいいとは思いま
すが。
流石は志賀はんと拓ボン。ガラの悪い大阪弁をきちっ
と語ってくれはります。蓮ちゃんの危険な魅力も素晴らし
い。
渡瀬恒彦の敬が三上寛の一郎にアドバイスするシーン
も凄みがある。
松方弘樹の安田寿行の狼の牙が強烈だ。応援している
ボクサーが劣勢になれば場内に乱入して相手のボクサー
に暴力を振るう。
乱闘シーンは、渡瀬恒彦の喧嘩が凄い存在感を見せる。
松方弘樹・渡瀬恒彦共に本気で殴り合っているように
見える。
試合・乱闘をじっと見つめる成田三樹夫と目黒祐樹の
存在感も重い。
中島貞夫は主演も助演も全員爆走させてぶつかり合う
爆発力を鮮やかに捉え映し出している。
露光すみません。
『多十郎殉愛記』 四月十二日公開です。
合掌