「令和」の「初投げ」,という意識はそれほどでもないが,結果としてそうなった.

 尤も,「新しい時代の初投げ」としては,あまりにも情けない結果ではあったが.

 

 元々,このセンターには,土日祝日の朝に行こう,という考えだったので,この10連休(今回は珍しく,勤務シフトと暦が完全合致しているので,世間同様10連休になった)の間のどこかで,というつもりはあった.

 家でそんな話をしていたら,長男が「俺も行く!」と乗り気になり,早起きができた日に,ということになっていた.

 

 たまたま「令和初日」のこの日,条件が揃った.

 天気も,予報よりは良さそうなので,折り畳み傘があれば大丈夫だろう,という感じ.

 JRと京急を乗り継ぎ,金沢八景駅に着いたのは8時15分頃だった.

 

 このセンターの料金体系は,基本670円/G(会員・学生・高校生は570円/G,中学生以下460円/G)で平日も週末も同じ.

 筆者的に使えそうなものとしては,3ゲームパック1,440円(土日等1,640円)があるが,平均6ゲームとすると,3千円近くなる.

 22時以降受付なら,5ゲーム1,700円で,追加も200円/Gでできるパックがあるが,そんな時間に行くのは難しい.

 

 そこで,土日祝日のみ,9時までの受付なら310円/Gであることに着目.現実的な料金の中では,ゲーム単価的には,これが一番安そうだ.

 「9時までの受付」なので,9時までに受け付けられれば,終了は何時でもOKなのだが,そうかと言って10ゲーム投げると3,100円だから,結構いい値段にはなる.つくづく「ハイパーレーン」は安いな,と思う(煙草臭いけど).

 

 長男が一緒なので,料金が単純に倍になってしまいそうだが,彼は疲れて来ると,自主的に「ブラインド」する(操作は手慣れたものである)ので,まあいいか.

 金沢八景駅から,ゆっくり歩いて10分ほどで到着.

 全36レーン(シンセティック)が1フロアに配置されており,受付も同フロア.ただし,2階相当の高さのフロアで,写真のように階段で上がることになるため,マイボウラーは要注意.

 

 申込書を受付に出すと,「何ゲームの予定ですか?」と訊かれたので,「5~6ゲームですかね」と答えると,「10時15分までのレーンでも大丈夫ですか?」とのこと.

 この時,既に8時半を過ぎており,1人ならともかく,2人で6ゲームずつ投げると足らないような気がする.

 その旨を伝えると,「両隣が,小さなお子さん連れになってしまいますけど……」とのこと.いや,我々も「(一応中学生だがかなり小柄な)お子さん連れ」なので,別に構わないが.むしろ「大きな『うぇ~い』が両隣」よりも100倍いい.

 どうやら,2人とも「マイシューズ」に○を付けたので,妙な配慮がされたか.受付の女性スタッフは「大久保」という名札を付けていたけど,もしかして大久保(咲桜)プロ(50期)だったのか.そう言えば,どこかで見たような顔だと思った(閉鎖された「下総ゴールドレーン」の項にちらっと出ていたりする).

 

 ということで,35番レーンを指定された.

 確かに,両隣は子連れ.34番は両親と小学校中学年くらいの男の子.36番は両親と幼稚園くらいの男の子2人におじいちゃん.

 いずれも,まだ,これから始めようか,というところ.

 そして,いずれもお父さんがレーン牽制を完璧に理解しており,投げにくさ全くなし.このセンター,客のレベルめちゃ高そう.

 

 ということで,ボールラックから13ポンドボールを持ってくる.

 あまり指にしっくりくるボールがない(そもそも13ポンドのボールの数が多くない)が,探しているうちに,妙なボールがあるのに気が付いた.

 指を入れてみた時,サムホール内に違和感がある.

 何と,腹側にサムテープ(ノンスリップタイプ)が貼られているのだ.

 

 これ,誰かが貼って投げた後に,剥がし忘れたのか,と思ったのだが,そうではなさそう.

 というのも,貼られている位置が微妙なのだ.

 ブリッジの中間からサムホールに向けてまっすぐ……の位置,ブリッジに対する「垂直二等分線上」に貼られている.通常,ブリッジを「上」にして,右投げなら右側,左投げなら左側に来る筈のサムテープが,そのどちらでもない位置に貼られているのである.そう,左で投げても右で投げても,きちんと貼るよりも効果は落ちるが,多少は効く,という感じ.こんな貼り方,スイッチボウラー以外はやらないだろう(いや,スイッチボウラーでもやらないです……本人談w)

 ということは,ボールを用意したセンター側で貼った……のか?

 

 そう言えば,実は「ハイパーレーン」でも,同じようなボールを一つ見た.

 残念ながら,重さが合わないボールだったので敬遠したのだが,それも「中央」にやや弱めのノンスリップのテープが貼られており,実はこれが,「ココレーン新座志木店カミヤボウル」で「禁じ手」として手持ちのサムテープをハウスボールに貼る,という「技」のヒントになったのだ.

 そして,ここ「スポルト八景店」でも,同じようなボールを発見.それも13ポンドだけで2個あったから,最早,何らかの「意図」があるのではなかろうかと思う.

 

 折角なので,その「サムテープ」付きのボールのうちの1つを持って来てみた.

 どうやら,練習投球が1フレーム分あるらしい.

 

 アプローチはやや軽めだが,ABS4番のセームレザーでは,すこし滑りが弱いか.2番のフエルトでも滑り過ぎる感じはしないので,そちらを選択.シューズは左投げ状態で仕舞われており,左投げからスタートする.

 ダブルは出たのだが,ちっとも安定せず.まあ,1ゲームだから,こんなもんか.

 

 2ゲーム目もダブルでスタートしたのに,その後がさっぱり.きちんと撮ろうとしたら,長男が次ゲームへ「流し」てしまい,更に中途半端.

 

 3ゲーム目前半まで左投げを続けてみたが,どうにもしっくり来ない.

 ストライクやスペアは出るのだが,スペア後のカウントが悪く,スコアが伸びない.

 それに,ピンセッターがセットするまでに時間がかかり過ぎる感がある.

 

 長男は「大三元」までやらかす始末.

 

 思い切って,右投げにチェンジするも,これが更に「絶不調」.

 サムテープがあるために安心してしまうのか,サム抜けが早過ぎて,外へ飛び出し,ガター……というのが多過ぎる.一度は,バックスイング時に落としてしまった.中途半端なサムテープでは駄目と言うことか? サムレス風に投げることも試してみたが,普段やりつけないことをしても,当然ながら即効性はない.

 3ゲーム目,まさかの2桁,「87」にしかならず.

 

 4ゲーム目,そのまま右投げで続けるが,いきなり5-6のスプリット.

 これをミスしてしまってから,完全にスランプに.

 2フレは,まさかの2投ともガターという,目も当てられない状態となり,ストライクどころかスペアも出ないまま,右投げをあきらめることにした.

 長男は,色々と試行錯誤.

 ハウスボールなのにディープインサイドから投げ込んだりしている.いや,普通のレフティは,それやらんから.

 

 なのに,ピンセッターの「不調」も極まってきて,2投目を投げる前に流されたりし始める.

 これを「スコア修正」してみたが,それだけでは投球者が変わらず,長男2フレを投げている筈が,筆者の3フレに入ったりして,もうどうなっているんだか.

 

 そのドタバタで開き直り,4ゲーム目3フレから左投げに戻す.

 1投目は「感覚」が戻らず,4本しか倒せなかったが,それでも右投げよりも遥かにマシ.

 4フレからダブル,そこから8フレまでマークが続き,凄まじい勢いで「右投げの不甲斐なさを左でカバー」という状況に.

 最後は力尽きたが,最初から左投げを続けていれば……という展開で,どうにか150UP達成.何と,左投げはこの日3度目のダブルを記録した.

 

 

 これで,左投げの「ノルマ」は果たしたので,再度右投げに戻すが,5回もガターという体たらくで「67」止まり.

 最早,これは「右利き」を「返上」したい…….

 

 「令和は左利きとして生きていきます!」

 

……ってか.

 考えてみたら,「昭和」は「右利き」として,「平成」は「両利き」として生きてきたから,それもありかも知れない.

 

 5ゲーム目には,スペアこそ1度あったものの,ストライクが出ず.

 これでは「めぐり」の要件を満たせていない.

 が,いつもの調子だと長男の体力も,そろそろ限界だろうし,2人5ゲームずつ,計10ゲームで3,100円.目安にしていた「予算」のラインに到達している.

 

 「右投げでストライク(できればダブル以上)」だけ「持越し」にして,後日3ゲームパックで「再挑戦」しようか,と考え,ボールをラックに片付けに行った.

 「ボウリング王国スポルト」には,レフティ限定の「Lクラブひだりいず」という会があり,「参加資格は『ひだりきき』の方!」という条件のみ.

 一応,登録だけはしてあるが,イベントなどに参加したことはない.

 

 ……ここで右投げがここまでダメダメなのは,そのせいか? とまで勘繰ってしまうが,そんな筈はなく,単に筆者の実力不足だけである.

 

 ベンチに戻ると,何と長男が「もう1ゲームやる」と言う.

 どうした風の吹き回しだろう? と思ったものの,日頃スポーツとは縁が薄い長男が自分から「やる」というので,あと620円追加するか.まあ,普通のセンターの1ゲーム分だと思えば高くない.

 長男だけ投げさせて,自分がブラインド,ということも考えたが,流石にそれはないな.

 

 6ゲーム目,6度もガターを出しながら(ぉぃぉぃ),3フレと,更に9フレでストライクが出た.これで一応「ノルマ」は達成.

 長男が「もう1ゲーム」と言い出さなければ実現しなかったが,長男も,この日ストライクを出していないことが気になっていたのだと言う.

 結局,長男のストライクは出ずに終わったが,ガター後のストライクがあるので,実質はストライクみたいなものである.

 が,筆者が途中,何度か「右でストライクが出ねぇ……右利きなのに」と呟いていたので,それも影響していたのかも知れない.

 

 ということで,2人6ゲームずつで3,720円.カードや電子マネーは使えず,現金のみ.

 レシートには「スポルト八景ボウル」と表記.

 スコアシートの上部には「八景ボウルは……」と書かれているし,下の印刷部分には「ボウリング王国スポルト八景店」となっている.

 

 なお,途中で水分補給したくなったが,飲物の自販機はあるものの,市中価格よりも20円ほど高く,電子マネーも非対応.

 長男は「要らない」と言っていたので,飲まずに耐えたが,よく考えると,前夜「平成」に別れを告げる,という「口実」で,一人で家飲みし過ぎて,若干二日酔い気味だった.

 ただし,右投げが酷かったのは,そのせいではないように感じる.

 左投げは,それほど不調ではなかったからだ.

 むしろ,中途半端なサムテープが祟ったような気がしている.

 サムテープを使うなら,自分の指に合っているものを,しっかりと調整した位置に貼るべきだと改めて感じた.