南米・鳥獣虫魚・探遊 -9ページ目

2016年末のシングー下流&上流・7

さあ爆釣は、止まらない! さらに、トリプル・ヒット!もあった。

 

トリプル・ヒットの図

 

シングーの増水期の僅かな欠点は、ピーコックバスが少ないことである。でもまあ、ピーコ釣りたかったら、別の場所もあるからね。バス屋さんだったら、そっちに行ったらいい。

 

カショーロ・ファイト中のTさん

 

しかし、急流で掛けた大型カショーロのファイトを過小評価してもらっては困るぜ。美しい銀色に輝くサーモン型フォルムが、水面を割って跳躍し、スゴいスピードで突っ込みをかましてくれる。ランディングすれば、剣歯虎を彷彿させてくれる原始の面構え。アマゾンでも最高ランクのターゲットに違いない。

 

美しく精悍な魚体が水面を割る

 

増水期はカショーロの勢いに押され気味だけど、槍の穂先ビックーダも活性がたいへんいい。今回は、Tさんのミノーにビックーダが食って、さらにカショーロが追い食いって場面もあった。

 

異種ツー・イン・ワン

 

オレの過去経験では、1つのルアーに3つの魚が食うというシーンもあった。アマゾンがいかに豊潤であるかの証である。しかし、たいていこういう場合、残念だけど、一つあるいは二つめも、ファイト中に外れることが多いね。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

2016年末のシングー下流&上流・6

移動して、こんどは上流部が舞台になる。ちなみに、例年の12月、上流部ではカショーロが集結を始める時期に当たる。特に数が集まる場所は、何度も何度も試釣してツボもつかんでいる。これはオレがシングー河畔に住んでいることの強みだね。

 

激流ポイントでゲット

 

12月のシングーは、増水がけっこう進んでいるから、乾期にはボート・スピードを落とさなければ遡上できない浅瀬の岩の突き出しが少ない。すなわち、ポイントまで減水期よりスピーディに到着ができる。さて、Tさんとの上流の攻防、ほとんど待たずに爆釣が始まった。

 

定番のCDマグナム

 

選んだポイントは、カジュエイロってとこで、川幅が500m以上あって広い。乾期にはたいしたことのない流れになってるけど、島の配置の関係だろう、水が増えると大きなうねりがでて急流が渦巻くようになる。近くに住んでいる漁師の談だけど、生き魚の泳がせで10数キロ級の実績もあ~る。

 

ダブル・ヒットの図

 

パイロットのネットと3人でボートからの釣りだったけど、ときどき時合いがきて、ダブル・ヒットが何回もあった。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

2016年末のシングー下流&上流・5

今回チームも、ヘナットにカヌーの漕ぎ手として手伝ってもらった。下流の釣りの最終日に彼の小屋に寄ったら、面白いものがあるよ、と見せてくれた。裏手のイガラッペ岸で捕ったというワニの子供たちである。

 

Tさんと仔ワニ

 

まだ生まれてそれほどたっていないメガネカイマンだ。南米に生息するカイマン類は、交尾後の♀が枯れ木や枯れ葉を集めてドーム状の巣をつくり、その中に卵を産む。枯れ葉ドームの中は、けっこう高い温度と湿度が保たれる。♀は、巣の近くに待機していて、近づく獣や人間に対し、果敢に闘争心をむき出しにする。孵化が近くなると、卵の中で幼ワニがきゅーきゅー鳴くんで、場合によっては♀が歯で殻を破いて手伝うこともある。レナットは、後で逃がしてやるんだと言っていた。

 

アピストの採集

 

ワニがいたというイガラッペには、小型シクリッドのアピストグラマが2種類生息している。1つは、いわゆるレガニ・グループのシングー・コンプレックス(複合体)の一員。このコンプレックスには、いわゆるフィールフレックやパジェなんてタイプが含まれる。……って、こう書いても、肯いてくれるサピーは少ないだろうね(笑)。もう一つは、アガシジ・グループの、いわゆるシングー・プルクラってヤツ。シングーには、「ブラウスピエゲル」ってプルクラもいるけど、ここの産地ものは、スペードテール系だ。それにしても、極東の島国アピスト・マニアのサピーは、どうしてドイツ風の呼び名が好きなんでっしゃろ?(笑)。

 

シングー・プルクラ、スペード・テール

 

少し時間があったので、パラ大学の熱帯魚ラボに寄付するため、少しアピストたちを採集していくことにした。とりあえずシングー下流のフィッシングは、成功と言えた。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

2016年末のシングー下流&上流・4

Tさんは、予定通り順調にアロワナを水面で炸裂させていた。ダム工事の影響で浮遊水草が厚い絨毯になってしまったカジュイ湖には最近入らなくなったけど、もちろん別のポイントを見つけてある。

 

ポイントにカヌーで進入する

 

カジュイ湖と同様に、その別のポイントもピーコに関してはムラがある。4キロ近いピニーマが水面炸裂することもあるし、小さなモノクルスだけのこともある。この点は、もちっと調査と研究の必要があると思っている。

 

たいてい安定して釣れるモノクルス

 

シングー下流を攻めたのは、正味で2日弱だったけど、予定通りにシルバー・アロワナは、かなりの釣果があがって、Tさんも満足したようだった。

 

フライ・デ・アロワナ

 

下流でのキャンプ地は、前に使ったヘナット小屋の敷地にしようと思ってたんだけど、すでに大家族が移り住んでいて、飼い犬まで吠えていた。キャンプ地に犬がいるところを、オレは好まない。過去に食べ物を荒らされたりする事件があったからである。そこで移動して、岸辺の廃屋の敷地を見つけて、そこにテントを張った。ここは、ラーゴ(湖沼)の入り口の岬にあって便利もいい。

 

気持ちよく水浴

 

テント場からラーゴに入って、水路を進むと、雰囲気の良い浅い砂場がある。周囲にはアマゾンっぽい茂みがあって、水がきれいで、深場に続くところにある浮草の付近でアロワナのボイルもあって、快適な水浴にもってこいの場所。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

2016年末のシングー下流&上流・3

Tさん連絡は、まず以下の3か所への参加可能性の打診だった。①9月:メシアナ島のピラルク・フィッシング、②10月:トロンベッタス川の多種フィッシング、③11月:シングー・チーム

この時点ですでに、メシアナ島チームは、定員が埋まっていた。トロンベッタスは、参加隊員が1名であると、催行を決めるのが微妙であること。そしてシングーは、十分可能性があること、と返事をした。その後、Tさん都合に変遷があり、12月に時間がとれるという形になった。

 

シングーのTさん

 

オレが希望者さんに質問する要点は2つある。1.日本発から帰着まで確保できる日数、2.現場までの航空チケット代を含まない予算案。この2点を決めてもらえると、どこで行動して何を釣るかを計画することができる。Tさんが提示してくれたその2点で、シングーの下流と上流の両方を狙うことが決定した。

 

シングーの青龍刀

 

フィッシングはシングー下流から始まった。ここのメイン・ターゲットは、跳躍する青龍刀、古代魚シルバー・アロワナである。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

2016年末のシングー下流&上流・2

船が航行できないほどの激流って、水棲動物にとっても地理的分布・交流の障害になる。その要因で、シングー最後の急端を境として、上と下では、かなり魚相が異なる。これは、釣りにとっては、たいへん楽しい状況を作りだしてくれる。いろいろな魚種を、見たい釣りたい食べたいと望むけっこう少なくない数のアングラーにとって福音だからね。

 

急端の上には生息しないカワイルカ

 

シングー急端の上下では自然環境も、がらっと異なるから、情景などにも素敵な変化ができる。実はオレは海、特に外洋での釣りがそれほど好きでないんだけど、その理由は景色が単調なことにある。魚を捕る以前に、釣りには心をそそれる周辺シチュエーションがたいへん重要だと考えている。アマゾンの濃厚な密林だったり、パタゴニアの風が吹き荒れる荒野だったり、オレはそれが好きなんだ。

 

シングー下流の岸辺の情景

 

さてさて、2016年始めころだったか、オレはTさんという御仁からメールをいただいた。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

2016年末のシングー下流&上流・1

アマゾンの大型支流であるシングーは、ブラジル高原の一角にあるロンカドール山地とフォルモーゾ山地に水源をもつ。斜面を下る流域は、2万7千平方キロという広大なインディオ保護区(シングー・インディオ公園)を通過して、支流のイリリ川合流点までを上流部と呼び、イリリ合流からベロ・モンチ激流までが中流にカテゴリーされる。そして流域最後の急端からアマゾン本流合流までが下流と定義されている。

テーブル・マウンテンのロンカドール山地

 

最後の急端は、船舶の航行が不可能な、谷間の激流である。シングーに西並列するアラグァイア・トカンチンス河、そして東のタパジョス河にも激流部がいくつもあるけど、その両者は脇の水路を通ったり、何とか船で上下できる方法があるけど、シングーではそれができない。他の2つの大きな流れより探検史がずっと遅れたのは、源流部が蛮族の秘境だったこと、下流急端が船で遡れないこと、この2つに大きな要因があった。

 

最後の激流の一つ

 

1884年にシングー上流から調査したのは、ドイツ人医師のカール・フォン・デン・ステイネンだった。彼の名を冠した支流もある。1896年に下流から入ったのが、フランス人測量士ヘンリ・コーデローだった。最近、大学ラボの主任マッセーロ(自宅はサンパウロ)を介して、コーデローの著書、『Viagem ao Xingu』、を入手して再読することができた。10年以上前にも持ってた本だったけど、ペルー・アマゾンに一時的に居を移したときに処分してしまっていた。

 

コーデロー『シングーの旅』のブラジル版表紙

 

さてさて、それはさておき。オレは何年か前から、シングー・フィッシング・チームのポイントに下流地域も組むようになった。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

12月のマデイラ下流への小旅行・8(最終回)

ジョーちゃんは、『これで満足です!』、と言ってくれた(涙)。オレとしたことが、今回の小旅行・釣行は、惨敗だったなぁ…… と、おおいに反省してたけど、彼は人間がデキてて、釣りってのはこういうこともあることを、ちゃんと知ってる。

 

モノクロスはまあまあ釣れたけど

 

ホントウにゴメンナサイ! テメンシス釣りは、オレにとってまだ鬼門みたいなとこがある。いつの日か、これを打破できるチーム案を再構築しなくっちゃ、という課題が残った。

ピーコなどを焼いて昼食

 

ダース・ジョーちゃんには、いろいろデリバリ品を持ってきてもらう労をとってもらったし、素敵なお土産もいただいた。ありがとうございました。

 

"May the force be with you."

 

【本編終了】

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

12月のマデイラ下流への小旅行・7

シルバー・アロワナの活性は、けっこうあった。それはそれで、まあ楽しくはあるんだけど……

マデイラ下流のアロワナ

 

現地でいろいろ黒いウワサが流れて、ウワサで聞いてるけど、一時的にワールド・レコードになっていたシルバー・アロワナもこの周辺で釣れたんじゃなかったっけ。それはさておき。

オレも釣った

 

ジュマ湖で2回ほど、ピラルクの空気呼吸のボイルを観た。そういえば、2014年11月にシングー・イリリ中流のタライロン攻めに来てくれたヤッシー君、シングーに入る前マナウスからジュマに入ったとき小型ピラルク釣ったって言ってなぁ。ジョーちゃんは、メシアナ島でたくさん釣ったことあるから、古代魚ボイル見ても動じなかった。

一応アスー・カラーのテメンシス

 

夕方にタートル湖に戻って、ロッジの裏手の水中林を攻めていたとき、やっとこジョーちゃんにアスー模様のピーコが釣れた。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集

12月のマデイラ下流への小旅行・6

翌日、だんだんと天気が悪くなってきた。雨になりそうな感じ。ジョーちゃんは、イエロー系のモノクルス・ピーコを釣ったけど、まだアスーが顔を見せてくんない。

 

ジョーちゃんのモノクルス

 

ここのモノクルス色彩は、オレが昔むかし、マナウス近郊カレイロのジャカレチンガ湖でたくさん釣った個体群カラー・パターンによく似ていた。くさび型の黒バーは明瞭で、その間に大きめな黒斑がないってヤツ。

 

オレもモノクルスを釣った

 

まあ遠くもないし、環境も連続している水域だから、その類似は当然かな。しかし、この釣り場では、モノクルスじゃ面白くない。

もくもくと攻める

 

パイロットと相談して、船外機をちょっと大きくして、別のラーゴ(湖沼)にも行ってみることにした。ジュマ湖も入ってみたし、そのもうちょっと奥にも行った。

 

小さなテメンシスのパッカ型

 

状況は、かなりキビしくて、どこに入っても魚の反応が薄い。何とかジョーちゃんにテメンシス来たけど、小さ過ぎる。

 

続く

 

   グランデ・オガワのツィーター

   2017~18年度チーム隊員募集