インペリアル・ドリーム・2
いろいろと相談や打ち合わせの後、Sさんはアルタミラ空港の路面を踏んだ。車両はボートを引っ張って、ベロ・モンチまで運んだ。今回のボート・パイロットは、いつも使っているネットの弟ナウドである。ネットやナウドは、UFPA(パラ大学)の魚類学スタッフと何回も採集やってるから、地の利とかポイントなどの知識がある。潜りも上手で、激流も物ともしない。
激流直下でプレコを探すナウド
乱獲で激減してしまい、ダム工事の影響もヒシヒシと迫る野生インペを見つけるのは、現時点に於いて、容易なことではな~い。かなり深いとこに僅かに生き残っているという状況なんだ。だもんで、インペ以外のプレコや他魚の探索から始めた。ナウドに、とりあえず、いろいろな魚を採ってこいと指示した。まず採れたのは、カラシンのレポのシマシマ。
ベロ・モンチのレポリヌス
シングー最後の急流には、3つの知られた激流があるけど、ここを過ぎるとシングーの水は、途端に静かになる。そして川幅が急に広くなる。いわゆる氷河期が残した“溺れ谷”で、大西洋の干満の影響によって、毎日水位が変化する。そして激流の上にはいない、ピラルク、シルバー・アロワナ、ディスカスなどのアマゾン本流系魚が生息している。
インペリアル・ドリーム・1
もう1年近く前になっちゃったけど、2016年11月に日本のインペ・ブリード愛好家のSさんがシングーにきてくれた。彼の来訪のきっかけは、同年8月に放映された朝日放送の人気TV番組(……なんだって、オレは後で聞いた・笑)、『こんなところに日本人』を観たからだった。
番組のワン・カット
番組の構成上、当然ながら、「なんで、こんなところに……?」、というお決まりの質問がある。そこでオレは、「オレがインペを発見したんだから、その末を見届けるのは、オレの仕事だ!」と、やけに恰好いいセリフを吐いた。もちろん、シナリオ(そんなモンは、この番組にない・笑)に書いてあったわけじゃないゼ。怪人の熱演に、いたく感動してくれたSさん。海外旅行は初めてだ~し、すご~く不安があったらしいけど、京の舞台から飛び降りるつもりで、アルタミラ訪問の希望をオレに打診してきた次第。
シングー最後の急峻に立つSさん
オレが立てた計画案は、インペ生息地の南端ベロ・モンチの急端を調査すること。理由は、現時点に於いて、もっとも生き残っている可能性が高い場所だからである。ダムによる水量などの影響が、ここは一番少なかったんだ。
2018年の8月夏休みシングー・タライロン・チーム
イリリ川のタライロン
シングーのアルタミラ上流には、タライロンが生息しますが、それほど数は多くありません。淡水シーラカンスの異名をとる怪物が多いのは、支流のイリリ川の中流です。一般にタライロンの活性が上がるのは、8月です。
イリリには、タライロンが数多い
★8月のシングー&イリリは、増水期に比べ、カショーロの活性は劣りますが、ほぼオールマイティです。ピーコックバス、ビックーダ、ブラック・ピラニア、マトリンシャンなどは活性時期です。
スピナベも有効
2018年の8月夏休み時期にタライロン狙いイリリ隊員の募集を行います。日本では休暇が取りやすい時期に当たります。この機会にぜひご参加ください。日程は、以下のようになっています。
1日目:日本発
2日目:サンパウロ着、空港内ホテル泊
3日目:早朝の国内便で、サンパウロ⇒ベレン、ローカル便でベレン⇒アルタミラ、市内泊
4日目:早朝港よりボートで出航、イリリ下流の大激流でカショーロ狙い、キャンプ泊。
5日目:イリリを釣りながら遡上、キャンプ泊
6日目:終日フィッシング、キャンプ泊
7日目:終日フィッシング、キャンプ泊
8日目:イリリを下りながらフィッシング、キャンプ泊
9日目:早朝にキャンプ地からアルタミラへ移動、ローカル便でアルタミラ⇒ベレン、ベレン⇒サンパウロ、国際線で発
10日目:機中
11日目:日本着
このくらいのサイズが多い
★参加費用は、隊員の人数によって変わります。参考価格は、以下のようになっています。
1名の場合:4000ドル/お一人
2名の場合:3000ドル/お一人
3名の場合:2500ドル/お一人
4名の場合:2100ドル/お一人
◎参加費用に含まれるもの:アルタミラ着から発までの食事、宿泊、移動交通、ボート、ガソリン、パイロット、現場助手、グランデ・オガワのガイドとウンチク、その他
◎参加費用に含まれないもの:国際&国内エア・チケット、ブラジル観光ビザ、サンパウロでの宿泊&食事、飲みもの&電話などの個人経費、その他
もっと大きいのもいる
陸っぱりから怪物ファイト
その他の詳細は、メールでお問い合わせください。
grogbr2008★yaoo.co.jp
迷惑メール対策に@を★にしてあります。
2018年の5月GWシングー・カショーロのバコバコ・チーム
例年の4月~5月初旬、シングー河中流部は、増水のピークを過ぎて減水が始まる時期に当たります。私ことグランデ・オガワは、ほぼ毎年、この時期の釣行を行っています。その理由は、1年を通じて、もっともアグレッシブな大型カショーロの大きな群れが居着くポイントを何か所か知っているからです。この季節のカショーロは、産卵後の荒食いでブリブリに太った個体ばかりです。
2013年5月
★この時期は、河の剣歯虎カショーロ狙いがメインです。カショーロ軍団の下流に良型ビックーダも群れを作ります。ブラック・ピラニアもまあまあ、ピーコックバスは乾期よりも少なめ、タライロンはむずかしいと考えてください。
2014年5月
2018年の5月始めのシングー隊員の募集を行います。ゴールデン・ウィークは、日本では休暇が取りやすい時期に当たります。この機会にぜひご参加ください。日程は、以下のようになっています。
1日目:日本発
2日目:サンパウロ着、空港内ホテル泊
3日目:早朝の国内便で、サンパウロ⇒ベレン、ローカル便でベレン⇒アルタミラ、市内泊
4日目:早朝港よりボートで出航、キャンプ設営、午後フィッシング、キャンプ泊
5日目:終日フィッシング、キャンプ泊
6日目:終日フィッシング、キャンプ泊
7日目:終日フィッシング、キャンプ泊
8日目:早朝にキャンプ地からアルタミラへ移動、ローカル便でアルタミラ⇒ベレン、ベレン⇒サンパウロ、国際線で発
9日目:機中
10日目:日本着
2015年4月
★参加費用は、隊員の人数によって変わります。参考価格は、以下のようになっています。
1名の場合:3200ドル/お一人
2名の場合:2600ドル/お一人
3名の場合:2000ドル/お一人
4名の場合:1700ドル/お一人
◎参加費用に含まれるもの:アルタミラ着から発までの食事、宿泊、移動交通、ボート、ガソリン、パイロット、現場助手、グランデ・オガワのガイドとウンチク、その他
◎参加費用に含まれないもの:国際&国内エア・チケット、ブラジル観光ビザ、サンパウロでの宿泊&食事、飲みもの&電話などの個人経費、その他
2015年4月
その他の詳細は、メールでお問い合わせください。
grogbr2008★yaoo.co.jp
迷惑メール対策に@を★にしてあります。
インペ博物画リリース!
私と松坂大兄がインペを発見して、今年で30年を迎えました。ご存知のように、インペは発見後、世界各国の熱帯魚愛好家の方々に愛されてきた銘魚です。しかし、生息範囲の狭い魚でもあり、乱獲とダム工事の影響により野生個体が激減しています。発見を担った私は、この熱帯魚界の金字塔のメモリアムを少しで残しておきたく、自筆の博物画を描いています。今回、昨年の11月に現地の野生インペを訪問されたS氏のご協力で、博物画をリリースする運びとなりました。ご協力、お願いいたします。
詳細は、こちらをご覧ください。
http://ameblo.jp/corvette821/entry-12292574287.html
新・10月シングー追加隊員の募集要項
★ 今年の10月シングー・フィッシング・チーム・・・フライトの都合で、前にブログで掲載したスケジュールが若干の変更になりました。
内容はおおむね同じですが、以下が、変更された現地での日程です。
10月8日:午後、アルタミラ桟橋から出航、適当な場所でキャンプ設営、キャンプ泊
9日:朝マズメのフィッシング、キャンプ地移動。午後フィッシング、キャンプ泊
10日:終日フィッシング、キャンプ泊
11日:終日フィッシング、キャンプ泊
12日:フィッシング、夕方アルタミラ戻り
注:このチームに参加する場合、遅くとも10月8日の14:25にはアルタミラ空港に到着してもらう必要があります。決定している隊員は、この時間にアルタミラ空港にベレンからアズール航空便で到着します。追加隊員希望者さんは、フライトの都合上などで、それより前にアルタミラに着いているのは問題ありません。帰路は、12日夕方にアルタミラ桟橋に戻ってきます。決定している隊員は、22:10アルタミラ発でべレンにアズール航空便で出発します。追加隊員希望者さんは、フライトの都合上などで、それより後にアルタミラを出発するのは問題ありません。
★昨年10月に催行したチームの実績写真を並べます。
このときは、タライロンが出ませんでしたが、十分に狙える季節です。
この10月の追加隊員募集ですが、下記URLに載せてある規定の参加費用より安い価格設定が可能です。
http://ameblo.jp/amazon-anglers-team/entry-12264850427.html
このチャンスにぜひご参加ください。興味があったらメールください。
grogbr2008★yahoo.co.jp
★を@に変えて送信してください。
10月のシングー・ファイト編・番外の2
お話しはちょっち飛ぶけど、一昨日UFPA(パラ大学)のラボ研究者たちと魚類調査に行った。水棲昆虫の専門家であるプロフェソーラ・カリーナ女史から、アジトに水槽あるの? って聞かれたんで、6本あると答えた。何を飼っているの? って聞かれたんで、3月にパタゴニア旅行に行く前に魚をぜんぶラボに寄付したから、今はカラパナ(蚊のこと)しか飼っていない、と答えた(笑)。
さて、番外編の2だ。今回キャンプ地にしたヘナット小屋敷地の裏にある小さなイガラッペでは、熱帯魚採集もちょっとやった。アジト水槽6本は、今まで水草を植えてアマゾンのワビサビを楽しんでいた。しかぁ~し、やっぱカラパナが発生を始めた。もちろん、魚を入れるのが一番だ。
採集風景
イガラッペの川相から予想はしてたんけど、アピストグラマが生息していた。2種類採集できたけど、1種類の♂成魚は、尾っぽがオレンジだった。こいつは、アレに違いない。
一般には、アピストの“プルクラ・シングー”として知られてるね。でも、明らかにプルクラじゃあない(笑)。20尾くらいの本種を、流木なんか入れた水槽で混泳させていたら、黄色く色気ついてきた♀がでた。そこで別に用意したベア・タンク(底砂を敷かない水槽)に自作の産卵筒を入れ、一番きれいな♂とお見合いさせると、数日も待たないで産卵した。
クイアバにアジトがあった時代、多種のアピストを数百回以上ブリーディングさせた経験がある怪人には、お手の物のテク。産卵筒は、配管用の塩化ビニール管を斜めに切って底に重しして、内面に黒ラッカー・スプレーしたもの。その後に別のペア(♀は別個体、♂は同個体)でも生ませて、両方とも難なく子供をとった。
ブリーディングは、楽しいんだけど、稚魚用にブライン孵化させなきゃなんないんで、長期旅行が入ったらと、養殖ラボに、あっさり寄付することにしている。
採集したアピスト種のもう一方の♂
本種は、アピストグラマの“シングー・パジェ”とか言われるヤツだと思う。頬部に黒いスポットの入るタイプは、“フィール・フレック”と呼ぶみたいだけど、ここと違う(遠くもないけど)イガラッペに棲んでいる。この種も30尾くらい採ったけど、今はぜんぶラボに寄付した。さて、次は何を飼おうかな?
終わり
10月のシングー・ファイト編・番外の1
今日は、シングー最下流での釣り以外の番外編。イガラッペってブラジル・アマゾン語(南ブラジルなんかでは通じない)がある。もともと先住民トゥッピ・ガラニー語源で、「カヌーが通る水路」というような意味で、小さな水路や河川を意味する語として現地で使われている。
最近のシングー・チームでは、某・マル秘・シカケ(笑)をキャンプ裏手にセットするようになった。それが、上写真でぶら下がっている物体である。画像では装着してないけど、2万mAh容量の防水モバイル・バッテリーに小型ブラック・ライトがつけられる。
ブラック・ライトがない状態では、FITとして機能する。すなわち、フライト・インターセプト・トラップ。これは飛んでいる昆虫が透明ビニールに衝突すると、下に設置した水の入った受け皿半切りチューブに落ちる。夜間はブラック・ライトを灯すと、RT(ライト・トラップ)が兼用される。この某・マル秘・シカケは、AMAT製作所のハンド・メイド。作った目的は、もちろん珍種の甲虫を狙うことにあるんだけど、いつの日かブラジルカヌスを観てみたいという夢も託している。
ブラジルカヌス・アルヴァレンガイ
ブラジルカヌスっちゅうのは、アマゾン低地で唯一とも言えるクワガタムシ類である。クワガタの象徴とも言えるアゴは、上面から見えないシャイな奴。シロアリの巣に潜んでいると推測されている。タパジョース河奥地、シングー奥地で、FIT採集で得られているデータがある。
アリバチの一種
トラップじゃないけど、レナット小屋の敷地を歩いていた虫を一つゲットした。こいつはアリじゃなくてハチ。翅のないのは、♀で刺し毒針も持っている。オスは翅があって飛んでいる。
続く
10月のシングー・ファイト編・16
今回のシングー下流フィッシング、かなり好調だった。Mちゃんは、4キロくらいのピニーマ・ピーコックバスもトップで炸裂させた。
実は怪人も、某釣法を試していて、けっこうデカいピーコックバスを掛けた。しかし、オレとしたことが、ライン・ブレーク(汗)。ショック・ルーダーとライン結び目で切れていた。ノットが甘かったんだね。感触としては、5キロ級かな? ここの釣り場は、開拓すれば面白いピーコ釣りが展開できる可能性を持っている。さあ、そろそろフィナーレが近づいてきた。未使用画像を並べて幕としよう。
シングー下流本流にて
面白かったでしょ、Mちゃん。貴兄や貴女も、シングー下流に来てみない?
本章終わり







































