8月のシングー2
8月の某日、マッセローロがエレットロ・ノルテ公社の車を借りてきて、日帰りでトランスアマゾニカを西進することになった。まずブラジル・ノーボって町の近郊のイガラッペ(密林の細流)に降りてみると、岸辺に淡水エイがいる。
イガラッペにいた淡水エイ
ジャパニーズ・テクノロジーとして世界に広く知られる(?)ヨツデアミを駆使して淡水エイをゲットした。この個体は、UFPAラボの水槽で暫時飼育されていたけど、後日シングーにリリースされた。
脇道の奥にあった小滝
イガラッペに沿っている脇道を入っていくと、岩盤の小滝があって、なんだかジモピーの憩いのプレースって施設があった。この付近で採集をやったら、ほとんど枯れそうな流れでメラノリブルスをゲット。
♂のメラノリブルス
メラノリブルスってのは、いわゆるキリーフィッシュ、すなわち卵生メダカのリブルス族の一員。全長約3センチくらいの小魚。怪人には種までは判別できなかった。
♀のメラノリブルス
それから転戦してメジシランディアという街にいった。近郊にカヴェルナ・デ・リモエイロ(直訳するとレモン樹の洞窟)という観光施設がある。ここは、タンバクー(タンバキーとパクーのハイブリッド)の養殖もやっている。
タンバクーがエサを食う
一眼レフをブラさげて歩いていたら、女の子(ガキだけど……)が写真をとってぇ、と頼んできた。
色気出してるガキ
施設に生えていた植物に昆虫の卵(おそらく鱗翅目の)があって、怪しい寄生バエが寄ってきていた。
可憐な昆虫の卵に魔の手が
アジトの水槽用に水草を少し採集して帰宅。
続く
8月のシングー1
2017年の8月は、フィッシングや熱帯魚探索のチーム催行がなかった。こういう時空の伽藍ができると、おおむねTシャツ・デザインとプリント、冷凍庫に保存してあるフィッシュ・スカルの処理、博物画の描画に充てるんだけど、この月は熱帯魚探索を何回かやったので、まとまった室内作業ができなかった。
巻き網をかける
まずUFPA(パラ連邦大学)キャンパス内にある飼育ラボ責任者メッセーロからのお誘いで、パイロットのマイー&ラボ水替え作業員の女の子二人を加えたメンバーとアルタミラ近郊。
魚を追い込んでいく
採れたのは、シラス(笑)。シラスってのは、イワシ類の稚魚で色彩のないヤツだけど、これはまさにアマゾン淡水イワシの稚魚に違いない。極東島国の民族だったら、チリメンジャコにしちゃうよね。でも大陸のブラジル民族には、こういう小魚を食用として相手にしな~い。
アマゾン淡水シラス(シーラカンスではない!)
アルタミラ近郊の岸辺は、巨大発電ダム建造の影響で水位が昇って、昔あった自然の砂浜が消えた。住民の憩いの場所を奪って、ブーがでることを懸念したエレットロ・ノルテ公社は、2か所に人工砂浜をつくった。その一つの浜で網を曳いてみる。
人工浜で採集
やはりまだ新しい砂浜だから、獲物は多くなかった。でもペコルティア(おそらくヴィッタータ系)が1つ採れた。
インペTシャツのジジーちゃんが持っているのは、ペコルティア
もう一匹、淡水カレイも採れた。
ちっちゃい淡水カレイ
残念ながら、アマゾンのアキルス系の淡水カレイは大きくならない。もし30センチくらいだったら煮つけで美味いだろうにね。
続く
7月のシングー熱帯魚チーム・6
シングーのアルタミラ上手側は、最下流に比べて採集が容易であるのが特徴だ。ここのプレコの性質が緩いのが要因。素潜り採集に慣れてきたK氏も、けっこう多種をゲット・さらにヒツジ氏&ブラジレイロ組の採集品も加えて下に並べて、本章ブログを閉じることにしよう。
ペコルティアの一種
オレカイの若魚
オレカイの成魚
スノグロ
オパマグ(オパールドットマグナムプレコ)
プレコじゃないけど、プラチドラス
目的は達成できたし、お二人とも楽しそうで、よかったよかった。でも、もしかしたら怪人の毒舌に辟易したかも知れない(笑)。ムカっとしたこともあったでしょうけど、悪気があってのことじゃないんですぜ。オレは2億年前の白亜紀(?)から口が悪いんだ。これに懲りずに、お二人とも機会があったらアマゾンで再見しましょう!
お疲れさま!
本章終わり
7月のシングー熱帯魚チーム・5
翌日もチャラ瀬攻め、キンペコ・ポイント攻めで遊び、夕刻にKさんがピーコを釣った。
K氏のピーコちゃん
3人で相談して、アルタミラに戻ってシングーの上流側のプレコ探索に転戦することを決めたので、夕方にベロ・モンテ村からボート・オーナーのジョアンジーニョとタクシーの運ちゃんエメルソンに電話。翌日の朝に移動し、昼過ぎに桟橋を出航。比較的近いプレコ・ポイントであるボア・エスペランサにいく。いつものようにネットや手伝いのブラジル人に懸賞金を約束して、彼らにも潜らせた。ほどなくして彼らは、見事なウルスカ(ウルトラスカーレットトリムプレコ)を持ってきた。ヤツらは金がからむとニコニコしながらパワーを発揮する習性をもってんだ。これがサイエンティフィック・フィッシングのキモであるね(笑)。
ボア・エスペランサのウルスカ
続く
7月のシングー熱帯魚チーム・4
午後、ヒツジ&Kさん、ブラジル組がやっていたポイントに潜りたいという。あんだけイルんだから、オレでも1尾くらいは……、と顔に書いてあった(笑)。
ポイントで潜るお二人
ど~せ始めたら一時間は上がってこないだろうお二人をポイントに置いて、怪人は晩餐のオカズを獲りにいく。それほど時間を経過することなく、1キロくらいのツクナレ・ピニーマ(シクラ・ピニーマ)を一本ゲットすることができた。
ピニーマ種のピーコちゃん
さて戻ってみると、怪人が予想していたごとく、ジャポネス組の戦果は、限りなく零に近いゼロ。まあ、こんなもんだ(笑)。やっぱ極東島人には、チャラ瀬が似合っているよ、ってことで、上手の浅場に転戦。キンペコが採れなかったことに悔しさが内面で爆発寸前だったのかも知れない。その燃えたパワーを生かして、ここでお二人がサプライズな魚をやっつけた。ヒツジ氏の大好きなロイヤルプレコである。沈んだ倒木の割れ目の隙間でヒツジ氏が発見。K氏やネットと3人で倒木を岸まで引き上げて、割れ目をこじあけてゲット。ただし大きさは数センチ(笑)。しかし、怪人は写真を撮るのを忘れた(汗)。
チャラ瀬の二人
だいぶ太陽が傾いてきて潜りには暗くなったんで、急流に行ってKさんに釣りをしてもらうことにした。
大岩に乗って釣りするK氏
ほどなくルアーでブラック・ピラニアをゲット。相当にうれしそうな笑顔だったね。
K氏のピラニアくん
続く
7月のシングー熱帯魚チーム・3
翌朝のこと、頼んでおいたアカリゼイロ(プレコ漁師)のマラニョン隊がキャンプ地にやってきた。「どこで潜るんだい?」と聞いたら、キャンプ地の対岸の真ん前でやるという。あまりに近いんじゃない? 午前中、彼らが潜水採集している間、ジャポネス組は、その辺の浅瀬で遊んだけど、たいした量のプレコは採れなかった。そう、これが極東島の温室育ちの限界(笑)。さてパワー溢れるブラジレイロ組のマラニョン隊の戦果は? おぉ~、これはぁ……
ブラジル軍の戦果、キンペコ群
キンペコが20数尾もいるぅ! おまけに、インペまで数尾いるぅ! これがいわゆるコンプレッサーを使用した数メートル以深のアカリゼイロのパワー!
最下流のインペ群
続く
2017年度アマゾン・チーム隊員募集の概要
7月のシングー熱帯魚チーム・2
空港に到着した二人を出迎え、タクシーでベロ・モンテを目指す。すでに当日、車両でモーターボートを牽引して運び、現場にスタンバイするように手配してあった。トランスアマゾニカのフェリー発着場にボートが見当たらなかったので、熱帯魚漁師のペゾンの家に行ってみると、岸辺にボートがあった。ペゾンと打ち合わせして、プレコ素潜り漁師の手配を明日頼むことにした。少しの資材を購入して、ボートでシングー下流にでた。少し遡って、同河川の最後の急峻部を見学。
最後の急峻の一つ
それからパイロットのネットが推奨するキャンプ地で資材をおろし、野営地の設営を行う。ネットは、この付近でUFPA(パラ連邦大学)動物学科、魚類セクションのレアンドロ博士が行った調査採集に同行した経験があるからプレコのポイントに詳しい。まずは、キャンプ地から10分と至近の浅いチャラ瀬にいく。
シングー最下流のチャラ瀬
潜ってみると、黒いバリアンシストルス属のプレコがたくさんいた。こいつは、レアンドロ博士が新種記載準備中の、アカリ・ヴェルジだ。オレカイ(オレンジフィンカイザープレコ)と同属だけど、スポット模様がない地味なヤツ。
アカリ・ヴェルジ
Kさんは、キンペコを探していたけど、こいつらは稀に浅場にもいるけど、数メートルから15メートルくらいの水深を好むプレコだから、見つけることができなかった。でも次第に素潜り採集に慣れてきたKさんは、スノグロ(スノースポットグローボプレコ)やアンシストルスなどをゲットし始めた。
スノグロ(スペクタラカンティクス・プンクタチッシムス)
このチャラ瀬は、お客さんに遊んでもらっても安全な場所。子供のようにはしゃいで潜るお二人を観ながら水面を観察していると、さっきよりも水位が下がっている。そう、ここは大西洋の潮汐があるんだ。ボートを気安く上流に入れて遊んでいると、帰りに浅くなりすぎて困ることもあるから注意しなくっちゃいけない。
続く
2017年度アマゾン・チーム隊員募集の概要
7月のシングー熱帯魚チーム・1
ブログお続きは、昨年(2016年)7月のお話ぃ。参加してくれた隊員は、まずヒツジさん。氏は、プレコのパナケ(パナクエ)属の水槽飼育のエキスパートである。過去2回、グランデ怪人チームのプレコ探索に参加して、今回でアマゾン3回目のベテラン。
これが野生のパナケ(シングーのプラチナ・ロイヤル)
ヒツジ氏と同行は、熱帯魚店オーナーであるK氏。最近の極東島のトロピカル・フィッシュ・シーンで人気上昇中のキンペコ(キングロイヤルペコルティア)のブリーダーでもある。
これがキンペコ野生種
今回のリクエストは、野生キンペコやインペ(インペリアルゼブラプレコ)をメイン観察、それにプレコやいろいろ魚の採集、そしてちょっと釣り(Kさんのみ)。怪人の得意分野であるね。
ベロ・モンテ・ダムの威容
ポイントは、ベロ・モンテ・ダムに近いシングー最後の激流地帯に決めた。この辺りからキンペコの生息が始まって、インペの生息が終わる、すなわち2種が唯一混棲している狭い流域である。お二人がアルタミラに到着する前に、事前にポイントに行ってジモピー漁師とのコンタクトなどを済ませておいた。
続く
2017年度アマゾン・チーム隊員募集の概要
2016年6月のTVロケ撮影
某方面への行脚からアジトに生還しやしたぁ! さあやっとこさ、ブログ再開だぁ!
ブログ・ページは、「6月のシングー」までだったね。同月には、もう一丁のイベントがあった。『こんなところに日本人』というABC朝日放送の人気番組(らしい?……と後で聞いた)への出演だ。秘境アマゾンの奥地に生息するらしい怪人を訪ねて旅するのは、伊藤かずえさん。
バックはシングー河
たいへん失礼なことに(笑)、怪人は俳優である彼女のことを知らなかった! ディレクターさんは、良い役者さんですよ、と言っていた(ギャラは高いともポツリと言ってた・笑)。6月にロケして、放映は8月2日。ディレクターさんからの注文で、「出演者(怪人のこと)発信の事前プロパガンダや内容リークは、ご法度!」とのことだったんで、オレはヒミツにしておいたんだけど、ハイエナのように嗅ぎつけた何人かの某氏がネットで、出演者はシングー怪人というニュースを放映前に流してた(汗)。まあ、しかたない(笑)。
カショーロかけたのにぃ
放映後、過去知り合いからメールがわんさかきた。けっこう反響があったようだね。「世界最高峰の熱帯魚として知られるようになったインペリアルゼブラはオレが発見したんだから、その最後を見届けるのもオレ……」という怪人のセリフ(これは、随分前から考えていたフレーズだったけど……)が恰好良すぎた(笑)から、それに関する賛辞メールが多かった。
ドローンでのシングー河撮影
ディレクターさんとの打ち合わせで、「伊藤さんとシングーにボートで遊びに行き、アマゾンの魚を釣って欲しい」というリクエストがあって、まあ自信はあったけど、釣りの撮影時間(1時間程度で、しかも活性のクソ悪い日中)内にやっつけなきゃイケないことに、軽い不安はあった。しかしぃ、実戦に強いオレだぁ、アマゾン代名詞ピラニアを予定どうりやっつけることができた。実は、デカそうなカショーロも一発かけたんだけど、残念バレちゃいました。ランディングできたら、またスゴく恰好良かったのにぃ、と悔いた。できれば、釣りあげたかったぁ!
ウルブーくんは、ドローンが好きくなかった
ロケ中、マナウスからスタッフを加えてドローンでの撮影を行った。ご存知の遠隔操作する無人飛行体。オレも始めて実物をまじかで観た。独特のプーンという音を発するんだけど、面白いことにこれが飛び始めると、ウルブー(クロコンドル)が騒ぎ始めた。後で操縦者さんと話したけど、ドローンにウルブーがイライラ反応を見せるという事実が確かにあるらしい。
2017年度アマゾン・チーム隊員募集の概要
今日から放浪の旅にでます
ブログ更新もやってない(汗)のにぃ、本日より行脚の旅(長年のドリームだった方面)にクロックスを履きます。戻ってこれたら、できるだけ(?)バリバリとブログ更新やるつもりなのですが……
いってきます!
2017年度アマゾン・チーム隊員募集の概要













































