以前、ある患者様のダイエット成功について報告した。その後、彼に会った。
「リバウンドはないっすね」
うむむ。うらやましい。40kg減量キープ、リバウンドなしか。実にうらやましいぞ。顔色もいいし。
 それ以来、我が脳内には、あるフレーズが響く。
「人にダイエット勧めてる場合じゃないだろ」「早くやらんか」「やれよ、自分」(←デブ医者)
「人にダイエット勧め…」「早く…」「…」(←デブ医者)、うえーん、鳴り止まないよう。

 ということで隣町のゴールド・ジムに入会しました。地元のセントラルフィットネスへ週に3回は行くようにしているのだが、何せ単調な運動だから、最近、チョット飽き気味なのでした。
 もう一つ入会し、2つのジムに通う、いわばデュアル・ジム体制になれば! そこには正の相関係数が存在するはずで、トレーニング量も自然に2倍になり! すなわち、減量効果も2倍になるのでは!! うしし。デュアル・ダイエット! (意味不明)
 偶然にも、近所の神父さんがゴールド・ジムに入会したとの噂が。彼にお願いして一緒にゴールド・ジムに行きました。彼は188cm90kgくらいのマッチョなイケメンのアメリカ人。カッコよくて、凄く目立ついい男。アバクロのモデルみたい。
 ウオーキングマシンの後、二人でフリーウエイト・トレーニングルームへと向かう。彼のフル・アテンドで、フリーウエイト使用のフル・ボディ・トレーニングを限界までこころみるオイラ。汗ダラダラ、心臓バクバク、頭の血管切れそうだぜー! はああああ! フッ! はああぁぁ。
 1時間のトレーニングが終わると、僕の両腕は鉛みたいになり、胸より上らなくなりました。帰りの運転できるかなあ、やりすぎなんじゃないの、危ないよ、これ。
 マッチョなイケメンをキープするというのは、物凄く大変なことなんだ、とよくよく理解いたしました。
 よーし、オイラもがんばるぞ。
 現在、デュアル・ジム体制。


 ある男性の患者様に、プロテイン・ダイエットとインスリン・ダイエットおよび有酸素運動と下肢筋力強化トレーニングについて指導させてもらった。インスリン・ダイエットの効果は定かではないが、炭水化物についての知識やコントロールにつながると思うので、説明することが多い。
 彼は仕事が忙しく、下肢と足の痛みが2年くらい治らなかった。足に注射を打っているとき、彼は聞いてきた。
「先生、やっぱり痩せなきゃ駄目かなあ」
「そうだねえ、痩せたら、こんなとこ、痛くならないよね」
「先生、ダイエットの仕方教えてくれる」
「いいよー」
 それは4ヶ月前の話だ。正確には聞かなかったが、彼は183cmで115kgはあるだろうな、という大男だった。
「じゃあ、食事はこうこう……、運動はこうこう……」
オイラのダイエットについての知識量は半端じゃない。医者だし、デブだから、勉強も完璧な上に、すべて経験済み。じゃあ、なんでお前はデブなんだ!? と聞かれると、うーむ、何も答えられない。この運動すると何キロの人なら何キロカロリー消費するとか、とにかく能書きだけはいくらでも説明できます。食事も然り。
「ラーメンとか、コロッケばっかり食ってるとダメなんすね」
「そうなんだよ、炭水化物と塩と脂だけになっちゃうから…」

 先週、彼がクリニックにやって来た。事務員さんや看護婦さんたちが、がやがやしている。彼がドアを開けて診察室にはいってきた。
「先生、どうも」
「……!?」
「結構、痩せちゃいました」
「ええっ、どうしたの! ○○君、そんなに痩せちゃって!?」
4ヶ月なんてあっという間。つい先日見たはずの大男が、下顎のラインがキリッとした、ちょっと痩せ気味のいい男に変化している。声は変らない。しかし完全に別人。僕の脳内には、ダイエットが成功した、というより、とうとう○○君、癌にかかっちゃった!? という妄想が先に浮かんだくらいだ。
「先生のいうとおり運動と食事制限したら、40kg痩せちゃいました。体が軽くて、よく汗かくし、痛いところはないし、今、体は絶好調です」

 まじめに、やってたんだ。すごいよ○○君。こんなに短期間で、炎のダイエットに成功した人を、生まれて初めてみた。本当にびっくり。ダイエット前と後の写真を撮ればよかった。
 やっぱり正確な指導箋のもとに、しっかりダイエットすると効果絶大だなあ。
 お前がやれよ(←デブ医者)


 ロンドン旅行後、ミルクティ革命がおきた。ドロドロの濃い奴を好きになってしまったのである。
 アジアのお茶は旨いです。紅茶といえば台湾産の東方美人が最高だよなあ、と思っていた。車で30分のイオンモールにルピシアがあり、典雅なアジアの紅茶が置かれている。お値段はかなり高めですが、ぬるめの湯でゆっくりと蒸らし、冷えないようにプレーンのままフーフーと啜ると……精緻にて耽美的な、そしてとても香り高いお紅茶だわ。
 紅茶単独で味わうには、そんな感じが最高だ。しかしジェネラルなロンドン紅茶のスタイルは大きく違う。まず東アジア産ではなく、インドやアフリカのアッサム(大葉)が多いようだ。お湯は熱くて、ほぼ熱湯。そしてポッドに投入する茶葉の量も多い。
 そうやって淹れると黒々とした灼熱の紅茶になる。プレーンで飲めばボディが強くてとても苦い。冷たいミルクで薄めたくなるのが人情であろう。それでもなんか足りないな、そうだ砂糖だ! ということで3杯砂糖入りのドロドロの濃いミルクティが完成する。スプーンを挿したら起ちそうだ。でも、これがとてもおいしいのです。昔の定食屋にあったてんぷらの甘辛煮みたいな、肉豆腐みたいな、とてもパンチの強い飲み物。ダージリンとプリンを一緒にいただくような末広の幸福感に包まれます。
 最近はトワイニングス社のアッサムのティバッグに、セイロンベースのマスカットフレーバーを僅かに加えて、特濃牛乳と砂糖3杯を投入し、ぐるぐるとかき回して飲んでおります。ぐびび、うーん最高。
 革命後に勃発した問題は太ること…。