カタセテロジュマン -91ページ目

髪の毛を切った!

林真須美になった・・・・・・。

なんか、面白い(^_^)v

また、「ばかだ」ってあきれられちゃうかも。わあああ!ばかだああ!


ところで、永ちゃんの「Rambling Rose」、曲も歌もかっこいいけど、後半シャウトするところで、名まえ呼ばれてるような発音する部分があって、また、しびれちゃう。


今日からばっちりらんぶるので、ところどころここで思いにひたろーっと。


やりかけのことも少しずつやって、そして、遊びにでかけよう!もうすぐお昼。なんかおいしいものたべたいな~。ゆっくりと時間をかけて本も読みたい、昼寝もしたい。そして、おかしな夢もみたい。


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今、午後2時半。

しようとしていたことがあったんだけど、今日中に済ませてしまいたいと思うことがあったんだけど、なんだろう、急に興ざめしてる。眠いからかな・・・・・・。なんとなくまた腹具合もへん。食べると降下、嚥下の反射。

あ、今日、14日だったんだ・・・ごめん、うっかりしちゃった。大事ないもうとのことも忘れていくんだなあ。

毎日が過ぎていくのってなんだか不思議。


あとで、もう一度、仕切りなおそう。

C'est fini

とは大げさですが、おわった~~!!おしまい、お仕事、おしまい!

午後は○○おもいっきり留守番や~!

ものすごくがんばったわけではないけど、一時期ちょっといろんなことがいっぱい重なっちゃって、寝ても醒めても眉間に皺、みたいな気分だった。

時が解決する、という言葉の中には自分がきちんと処理しなければいけないという意味もあるから、ちょっと、いろいろなことが同時に起こって、あれもそれもどれもこれも、ああ~もおお、みたいなところもあった。


私ってやっぱりおめでたい。ひとつ済んだから、なんだか、急に気楽になっちゃった。


今日まで支えてくれた大切な友達、ありがとう!わがまま言ったり、夜中に起こしたり、いろいろつき合わせてごめんね。


あ~なんだか、お天気もいいし、気分いいな~♪

明日になれば、ううん、夜になればまた何か起こっちゃうかもしれないけど、ま、そのときはそのときで。

ここを先途といざ行かん。←勝手に行け


さてと、永ちゃん、永ちゃん(*^。^*)

髪の毛を切るの

今日、終わったら、髪の毛を切る!

ったく、頭にくるやつらばっかり!

しょうがないから、日勤教育?加えて夜勤教育も特別に施す?


なんだか、気が抜けた・・・。

一刻も早くここから出たい。家に帰りたい(あ、サイモンとガーファンクル思い出した)。

やはり禍福は糾える縄の如し。

でも、まあ、そういうところが人生の面白みで、楽しみなんだけどさ~。

というか、それこそが私なんかなあ?(-。-)y-゜゜゜



着信記録

もう一台の携帯電話、解約するつもりでいたけど、まだ、できないでいるの。
その理由のひとつは、あの日の着信記録。
あの電話は特定のことに使う専用機だから、かかってくる電話も決まった番号しかなくて、だから着信の記録も必要ないし、20件たまるとその後は自動的に古いものから順番に消去されていく。一日最低一回は通話するのだから、遅くも20日間で、今日の記録は抹消される。それまで、そのことは特に頓着していなかった。

でも、あの日の、あの着信記録だけは、保存してしまっている。件数が増えてくると意識して、その他のものを消してきた。

12月28日18時59分。
番号の表示はないけど、ある人がくれた電話。
あの日話したこと、時々思い出す。思い出したい時に、思い出す。
たとえ記録を消してしまっても、すぐに忘れたりするわけじゃないと思うけど、でも、やっぱり、残しておいて、たまに、目でも思い出したい。
あの日の声と、話し方と、あの言葉とを、聴覚からの記憶だけじゃなくて、視覚からも思い出したい。
ちょうど電車に乗ろうとしたときだったの。数日来、叱責やら怒号などで、すっかり参っていた。そんなとき、思いがけずその電話があって、その声を聴いて、うれしかった。なぜだか急に、大丈夫って気がして、まだがんばれる、って思い直した。
だから、今でも、つらいときや悲しいとき、あの場所に立って、電車を一本やり過ごして、着信記録をみたりしちゃってる。

留守電にメッセージ入れてもらうようなことにならなくて、よかったよね~。
だって、毎日聴いちゃいそうだもん。つらかったり苦しかったりしなくても。

そうしたら、きっと、そのうちに、そういう自分に辟易としてくるに決まってる。

だって、だって、あたしのことだから。ふぅ・・・

苦髪楽爪

苦労してると髪が伸び、楽をしてると爪が伸びるんだって。

なんだか最近爪の伸びがいいような気がするのは、お気楽生活だから?うん、そうかもね。


ところで11月20日のチケット、B席で、しかも後ろから2列目。ただ、Cブロックだから、私としてはまあいっかな~と思ってるんだけど、どうかしら?それとも忙しくなっちゃうかな・・・le mariage(^_-)-☆あ、そっか、お祝い代わりっていう手もあるやん?!


な~んてね。やだよーだ。一緒に行こうよ~、ね?、いいよね?


いいかげん調子に乗りすぎ?


髪の毛は伸びず、爪だけが伸び続けちゃうかな~


それにしても、5ヶ月も先の話。なんだか、可笑しい。そして、楽しみ。先のことだと思ってるのに、光陰矢のごとし、あわてたりすること、あったりなかったり。仕上げを篤と御覧じろ(添削しちゃやーよ)。


予定だけど、今年はまた、桜桃忌に行くでしょ、夏目漱石展もう一度行くでしょ、小林古径展も行きたいし、文楽の9月公演は通しで観たい!

仲良しが帰ってきたから、鵠沼も行こう。歩いていけるから、西浜の方がいいかな。

しかしながら!

その前に腹をひっこめ10キロ減量しなければならないアタシなのでした。(T△T)そんなぁ・・・


などととりとめもなく思いつつ、なんとなく、キーボードにあたる爪先がまた、ちょっと気になる♪

Be sure it's true when you say I love you 

嘘つきさーやん、故郷に帰る。

あ~あ・・・・・・

来週は誕生日だしね~。

・・・あたしは知らないからね。ちょっと楽しみだけど。

やろ?!



嘘は罪。
本当にそう。
でも、時には嘘をつかなければならないこともある。愛する人を守るために、戦士となって嘘をつかなければならないこともある。
嘘は罪。
でも私は本当は嘘をつくことは嫌い。
ひとつ嘘をつくとその嘘を真実にみせかけるために、また別の嘘をつかなければならなくなる。ひとつの嘘が乗倍されて、気がつくとどれが何のためについた嘘か皆目見当がつかなくなってくるんだもの。
表の反対は裏だけど、真実の反対は嘘だけど、嘘の反対は、また嘘なんだもの。頭が混乱して、いったいどれがほんとの嘘で、どれが嘘の嘘で、どれかは嘘のほんとなのか、もう見分けがつかなくなる。
そんな面倒くさいことに思考能力をフル活用し、灰色の脳細胞の萎縮に拍車をかけるのなら、嘘なんてつきたくない。
嘘は罪。
だって嘘は泥棒の始まり。私は泥棒にはなりたくないんだもの。ルパンⅢのようにクラリスの心を盗んでいくような大泥棒になれるならいざ知らず、私のような小物が、そんな立派な盗賊になれるわけがない。
せいぜい、誰かの心にちっぽけな擦り傷をつけて、でも、その擦り傷が、致命傷に見えて、深さ15センチの開口部10センチの出血多量のものすごい傷に見えて、そしてその罪悪感に恐れおののき、震えるつま先でおろおろ逃げ出すのが関の山。
そして逃げ帰った隠れ家で、あの人は死んだのではないだろうかと思い込み、、お隣さんのチャイムが鳴るのを聴いては、事情聴取に加わったトーマス野口が、「お聞きしたいことがあります」なんていいやしないかとビクビクして息をころし、明かりもつけず、返り血がどこかについているのではと神経質に探しまくり、おかげで貯まるのは白髪ばっかりなどという余生が目に見えている。
ばかばかしい。そんなことを考えると、嘘をつくのなんて、とっても間尺に合わないよ。
嘘は罪。
でも、やっぱり、嘘をつかなければならないことがある。
愛する人を守るために。
愛する人の心につけてしまった傷を、嘘でもう一度塗り固めて、血小板を集めてこなければならないこともある。そのかさぶたが、いつ取れるか見届けられなくても、完治を信じて嘘をつくしかないことがある。
嘘は罪。
でも嘘をついたことがわからなければ、嘘をつかれたと見抜かれなければ、それは嘘ではなくなる。
嘘をついたことを漏らさず語らず、暴れだしそうになるのを力づくで抑えて、「嘘」が懺悔したいと叫びだすのを阻止しきれば、それは嘘ではなくなる。
だって、ほんとが何かわからないんだもの、嘘が嘘だってわからないじゃない。
嘘は罪。
本当にそうだ。
でも、嘘をつかなければ愛する人を守れないなら、私は強い戦士になって、戦おう。「嘘」が嘘の真実を訴えるのを命がけで抑止してみせよう。
その約束だけは必ず果たしてみせよう。
嘘じゃないよ。



一年間、どこ行ってたの?別に寂しくはなかったけど。

そして、約束は果たせたの?


songs


秋本奈緒美が歌ってるのが好きだったんだけどな。

東京

HEART


東京のこと考えてたら、急に思い出した。永ちゃん、かっこよすぎ!

こんなことされて、耳元で歌われたりなんかしたら(no way)、心臓止まっちゃうかも。

だから、今日は、永ちゃんに、恋しちゃった・・・・・・。よろしく♪(^_^)v

Return to Forever

Return to Forever

Chick COREA:return to forever


一年に一回くらい無性にききたくなるレコード(今はCD)。
どの曲も戦慄するほど、美しいです。高校生になったばかりの頃、初めて聴いたときと、今も同じ、ずっと同じ・・・・・・。

一年の最後の月

7月生まれだから、6月は私の一年の最後の月。
だからって言うわけじゃないけど、なんだか、新しい自分に変われそうな気がしたりして、私ってつくづくおめでたいと思う。
朝が来たから、月がかわったから、年が改まったから、いろんな理由にかこつけて自分をリニューアルできるような気になってる。
ずっと放置していたこの場所で、気が向いたり、気がすまなかったりしたら、好きな人に会いたくなったら、そういう気持ちの時、気まぐれにここへ来てみようかな。そして、話しかけてみようかな。

暫く、仮住まいしてみよう。始めたのは私。だから、進めるのもわたし。おしまいにするなら、それもまた私。

東京は、まだ、いなければならない場所。カタセテロジュマン。

山の病院

全面ガラス張りの壁に固定された長テーブルに長椅子、そこに腰掛けて手術室を上方から見学している。
 三人ほど隣の男が小さなワニを連れていた。いくら小さいからといってもワニは鰐。噛まれたらどうしようといぶかしんだその時遅く彼の時早く、飼主の手をするりと抜けたワニは隣の人の足元をくぐり、次の隣の膝を越え、再び足元へ降りたと思うと私の右の向こう脛に食いついたのだった。
ああ、やっぱりだ。やっぱりこんなことになってしまった。どうしてくれるんだとわめきつつ、謝りもせず無理やりワニを引き離そうとする飼主を制止し、病院へ搬送するよう慇懃無礼に依頼した。しかしここは病院なはずでは?
 担架に乗せられ処置室へ運ばれる。ワニはきょとんとした目で脚を咥えたままである。痛みというより寧ろ精神的な衝撃の方が大きかったので、脚を振ってみたらもっと強く噛み込んでくるのだろうかという他人事のような好奇心に駆られ、担架の揺れに合わせて人に気取られないように、そっと2、3回、寝たままの脚を上下に振ってみた。心なしか、ワニの口に離れてなるものかという意地のような力がこもった気がしないでもなかったが、痛いかどうか感ずるよりも、どーんと大きな音と共に突破した観音開きの扉に驚いている間に、てきぱきと処置が始まり、麻酔が施されてしまった。
 眼が覚めたときは小さな共同病室の片隅の椅子に腰掛けていた。何故ベッドではないのか、と不愉快に感じたのがきっかけか、間もなくしてやってきた2人の女性看護師のやることなすこと気に入らない。ガーゼを取り替えるからこっちの椅子へ移動しろ、脚をその台に乗せろ、などと言う。このままで治療の道具をこちらの場所まで持ってきやがれ、脚はお前が台へ乗せやがれ、何故ならそのために2人一組でやってきたんだろう。と思ってしまったらもう、止まらない。だいたい、その制服の色はなんだ?ピンクのワンピース、制帽に蜜柑色の前掛けとは、ひどいセンスだ。おまけに目に刺さりそうな前髪にはらはらと肩にゆれる茶髪、その小汚い髪の毛が私の傷口にでも落ちて感染症にでもなったら責任取れないだろう?
 日々培われた性根というのは一朝一夕には変わるものではなく、毎日毎日職場や通勤途上や晩酌の際に不満憤懣ばかり口にしている私は、
「あなたがた、」
とそのひと言を皮切りに、麻酔中に口をきけなかったことの鬱憤を晴らすかのように、2人の娘に悪口雑言を浴びせ、罵った。我ながら、言っていることは尤もだとは思うが、何もそんなに意地悪く責めて立てる必要はないと感じつつ、口をついて出てしまう言葉が最早止まらない。ああ、この娘たちが私のこの叱責に閉口、悔し涙を流しつつ、失礼します、とこの場を去ってくれないだろうか、そして、上司たる医師やら看護師長やらがやってきて、彼女達もまだ勉強中で未熟ですから勘弁してやってくださいとお決まりの謝罪を述べてくれないだろうか、そうしたら、こちらはほっとした気持ちを押し隠し、わかっていただければ結構、などと被害者はその場においての全権大使みたいな顔をしてぷいと横を向いてみたりできるのに、などと、自分で撒いた種の成長にそれこそ閉口していた。
 残念ながら現実はそう上手くはいかない。彼女達は悔し涙を流すどころか、黙ったまま聴いていたその場をガーゼやら薬やらごと放り出し、恨めしそうに私に一瞥をくれて、ひと言も発さないまま退室してしまった。なんだか拍子抜けして、一方安堵した私は、腑抜けたように廊下や室内を見るともなく眺めていた。
 それほど長い時間がたったわけではない頃、別の2人組の女性看護師がやってきた。何事もなかったようににこにこと世間話をし且つてきぱきと処置を終え、さあ、どうぞこちらへ、と私に立って歩くことを促した。既に戦意喪失している私は黙ったままおとなしく脚を引きずりつつ付いて行った。
 廊下を何度も曲がり着いた病室は2人部屋、それにしては広々としていた。ベッドに案内された私は、なんだか何もかも面倒くさくなった。脚がさほど痛まないのもなにやら癪に障って、これでは誰にも同情してもらえないではないかと、理不尽な弱者の権利を口の中で主張しつつ、不貞寝を決め込んだ。ワニに噛まれたのも、あの娘達にあんな仕打ちを受けるのも、どうせ私の日々の素行が悪い所為だ、どうせそうなんだ。
 眼が覚めると空いていたもうひとつのベッドに新しい患者が入ったようだった。こちらに背を向けて、身の回りの道具を引出しや箪笥に収めていた。男なのか女なのかわからない髪形と背格好で、そして動きだった。どこか病気のような様子でもないし、患者は別な人で、この人は付き添いなのかもしれない、などと、暇に任せて勝手な想像をしていたらまた眠ってしまった。まったく、何もしていないのによくもこう眠くなるものだ。とうに切れたはずの麻酔は脳内にまだ作用しているのか。
 何か音がしたような気がして眼を開ける。見るともなく同室の人のベッドをみる。今になって気がついたが、この部屋のベッドの配置は変わっている。アルファベットのTの形に、私のベッドが縦棒を、もう一方が横棒を担っている。私の足元にそのお方が横たわる形になるのがなんだか失礼に感じるが、縦棒と横棒の間には広い空間があり、さほど気にすることはないようにも思える。
 やはりこの人が患者であったかと思しき先の方は立っていた。依然こちらに背をむけて、化粧をしているような、髪を整えているようなしぐさをしている。隣には髪の長いどこかで見たような人がベッドの上に広げた紙の上にある何かを大事そうに包もうとしている。私は起き上がってそれが何か見ようと思った。ベッドの紙に置かれていたのは、かつらだった。少し湿り気があるような様子で、それをきちんと整形し、紙で包もうとしているようだった。
「さあ、これですっかり染め終わったからもうだいじょうぶよ」
長い髪の人が言った。その時初めて、その人が誰かわかった。ミワ先生だった。

 ねえさん、ねえさんのこと、話しておかなければ。後でねえさんは見舞いに来てくれるはずだから、その時すぐ話しができるように、ねえさんのこと話しておかなければ。
 私は痛くもない脚をわざとらしくひきづってTの横棒ベッドの方へ近づいてこんにちはと声をかけた。ミワ先生は僅かな笑顔で挨拶を返してくれた。背を向けていた同室患者も振り向いたが、無言で再び向きを戻した。化粧をしているのかと思っていたが、黒い大きなサングラスをしていて、表情はなかった。その無表情に拒絶ではない気配を感じて、私はねえさんのことを話した。初めミワ先生は単に一ファンのお喋りとして生返事で聴いていたが、ねえさんは既に何度もミワ先生の会や舞台に出かけているし、会ったこともあるはずなんです、と言うと、何故かそれまで無関心だったはずのサングラス氏と顔を見合わせて、急に様子が変わった。ファンだもの、それくらいのことは有り得るだろうとまた軽くかわされると思い、特に何か策があって言ったわけではないその言葉による2人の反応に少しびっくりして黙っていると、ミワ先生はやさしく、ねえさんは何時頃くるのかと尋ねた。私は今が朝だと思い込んでいたので、午後だと思うけど、時間は約束していないからわからないと応えた。とは申せ、ねえさんが来るかどうか、本当はわからない。私が来て欲しいと思っているだけだ。第一ここにいることをねえさんに知らせたかどうかも記憶がない。でも、きっときてくれるような気がしていた。ねえさんは私が来て欲しいと思う時に必ず来てくれるのだから。
 それなら、午後になるまで少し出かけましょう、とミワ先生は散歩に誘ってくれた。私は脚をひきづっているが、それが大した怪我ではないことはお見通しで、寧ろ少しは身体を動かしたほうがいいと思ってくれているようだった。一も二もなくなく承諾し、3人連れ立ってでかけた。外へ出ると、ここはどこかの山にある病院だった。坂道を降り、谷へ向かって歩く。暫く行くと人が大勢集まっている所があり、手摺がついて、そこから、動物園の白熊の池を覗き込むような形になっていた。覗き込むと、確かに白熊の池のような水溜りがあり、けれどそれは作り物ではなく、川の一部分が偶然プールのように形作られたものだった。左右が岩で閉じられているが完全ではなく、底に近い部分は地下河川となってどこかの川へつながっている様子だった。
 天然プールの水は、入浴剤を薄めて入れたような青のような緑のような空色のような色だった。ここで見ているよりずっと深度があるような遠近感がわからなくなるような半透明さだった。何か動いたような気がして眼をこらしていると、水の奥深くから横長のものがあぶり出しのように浮き上がってきた。人々が喚声をあげた。大きな生き物だった。顔は鹿、身体はおたまじゃくしの、全長数十メートル、プールの縦横一杯になってしまうような大きさだった。完全には水の外に出ないので、どんな色をしているのかわからないが、水の色から判断すると、白っぽい金色のように思えた。縦横一杯になってしまっているので、ほとんど動かず、その場に止まっている。息をしているのかいないのか、鼻でさえ、水面に出さない。いったいこれはなんと言う生き物なのか、或いは人集めのための作り物なのか、驚くというより呆れてみていると、1人の小さな老人が岩を伝ってその鹿じゃくしの尻尾のそばへ下りていった。手には銀色に光る大きな魚を持っている。エサをやろうというのか。でも、プール一杯に位置を占めている鹿じゃくしは向きを変えることができない。というより、エサと思しき魚に気づいていないか、気づいていても興味がないようだった。私はその小さな老人本人がエサになってしまうのではないかと、緊張と期待に胸が高まったが、魚が無視されていると気づいた老人はさっさと諦め、もときた岩肌をするすると伝って人垣に紛れてしまった。
 3人で散歩に来たことをすっかり忘れていた私はその時声をかけられて、やっとミワ先生について歩き始めた。先に立った2人は並んで私の前を歩き、ミワ先生は右手に煙草を持ち、黒いタートルのセーターに黒いスラックスだった。サングラス氏は長い黒いマントだった。サングラス氏はとても聞き取れないような小さな声で話し、ミワ先生は元気のある早口で喋っていた。2人は背が高く歩幅も大きく、急ぎ足でないと置いていかれてしまいそうだった。2人とも私の脚の怪我のことなど頓着していなかった。私は相変わらずわざとらしく脚をひきづりながら、背の高い2人と、煙草の匂いにつかまるようにして2人を追って歩いた。
 見失わないようについて行くことに専念していた私は、気がついたとき、漬物やら土産物やら売っている店の前にいた。そこは先ほどの小さな老人の店だったらしく、老人が大きな声で人に指示していた。仕切りなおして鹿じゃくしのエサを用意し、またプールへと向かう仕度をしているようだった。間もなく数人の人足を従えて、時の声をあげたかと思うとあわただしく出発していった。一方ミワ先生は、蕎麦を注文していた。病室へ運ぶように指示していたが、注文した蕎麦がないと言われると、それじゃあと別のものをいいつけ、歩き出した。私はなんだか、追いかけ歩いたことにすっかり神経が疲れてしまい、何を感ずることもなくなり、ただうつむいてついて行こうとしたら、店の女将がでてきて、白いプードルを私に抱かせた。人懐こい犬で、おとなしく私に抱かれるままにしていた。
 店を出て橋を渡ると病院の通用口、最初の角を右に曲がると小さなエレベーターがあった。さっき初めて入院だかで来たはずなのに、ミワ先生たち、この辺りにくわしいのだろうか。エレベーターの横に小さな箱があり、そこに小さな白いものがあったので、矢張り仔犬かと思い、それなら一緒に連れて行くかと覗いて見たが、あくびをしながら爪を伸ばしたのは仔猫だったので、脚のみならず、顔やら腕やらまで怪我をしては叶わないので、連れて行くのをやめて、ついでにプードルもその箱に置いていくことにした。
 小さなエレベータには私たちとほかに2人ほど乗り合わせた。何階まで行くのかわからないでいると、ねえさんはどんな人かとミワ先生が話し掛けてきた。ねえさんのことを尋ねられたので急に嬉しくなって、ねえさんはこんな人です、こんなことができます、こんなことをしています、と逐一説明した。ミワ先生は男なのか女なのかわからないような人ね、と言った。外国語ができるのと聞かれたので、日本語と英語とフランス語ができますとというと、サングラス氏に今度こんな子に頼んだらどうかしら、と何か嬉しそうに話し掛けたところで、エレベータが止まりドアが開いた。人に押されるようにして降りたのでその話しの先が聞けなくなってしまった。ミワ先生はエレベータを降りたところにあるポストから2通の手紙を取り出し、開けるように言って私に持たせた。一通は薄くて封が糊でぴったりに貼られたもので、中身は何かの応募の手紙のようだった。読んで聞かせると、ああ、わかったわ、と興味もなさそうにしていたので、次の一通を開いた。中には別々に折りたたんだ何枚かの紙、「狼男」という題名の芝居の企画で、主役はミワ先生になっていた。狼男の役をやるんですかと私が尋ねると、面倒くさそうに、そうなのよ、と私から受けとったその手紙を一瞥し、元通りに封筒にしまった。
 そうこうしているうちに病室がみえてきた。私はなんだか自分のうちに戻ったような気がして少し嬉しかった。部屋へ入ると、二人の人がいた。ねえさんだ!
 「ねえさん!」
と声をかけるとねえさんは振り返って、私の方へ歩いてきてくれた。ねえさんと一緒にきてくれた人は誰だか知らない人だが、ねえさんと頭から足の先までそっくりお揃いの格好をしていた。髪型はベルギーのタンタン風、茶色かベージュの三つ揃いのスーツの上着を脱いだ格子柄か何かのベスト、袖の生地をたっぷりとった白いシャツ。男の人のような服装だった。ねえさんは私がミワ先生と一緒に戻ってきたので、少なからず驚いていたようだったが、私がねえさんにお礼を言うより紹介するより早くミワ先生がねえさんを迎えた。手をとって挨拶をし、すぐに話しをはじめてしまった。ミワ先生は矢継ぎ早にねえさんに話し掛け、ねえさんは、驚いて、ひとことふたこと返事しては、またあれこれ質問され、といった様子だった。
 サングラス氏はまたベッドを背に壁の方を向き、化粧だか、髪の手入れだかを始めた。私の縦棒ベッドはねえさんとミワ先生の長椅子になった。私はサングラス氏の横棒ベッドに腰掛けて2人のおしゃべりを聞くともなく聞いているうちに、音楽を聴いているような気分になり、また眠くなってきて、そこでそのまま横になって眠ってしまった。