下のブログ記事読んだ。

うんうん分かる。

中学入試

高校入試

大学入試

 

この三つはゲームとして違うんだよね。

全部に向いてる子と全部に向いてない子はいるんだけど、

個々人で得意不得意なところが違う。

(過去記事1)で中高受験で成功した開成高校生が大学受験でかなり苦戦してる話を書いた。

 

(過去記事2)で相対的能力主義が不幸を呼ぶ話をしたが,その話を一旦おいて,

この3つの中で言えば,最重要なのは大学入試。

 

で、この大学入試での学力を高めるために私立中高一貫校に入れるという親御さん要るけど,

学校に学力向上効果は無い.(過去記事3)からの5回シリーズ(+1)で学力向上効果にエビデンスは無いことを書いた.

結局その生徒個人次第.学校も教員も結局は何もできない.

先取り授業できてる中高一貫校は強いとか言うけど,

その程度で受験に有利なら,現役生はみんな多浪生に負けてるはずだが,実際はそんなことにはなっていない.

算数・数学は結局は適性と成長スピードだ.外部からどうこうすることはできない.

だいたい,進学校の生徒でも普通校でもそうだけど,学校の授業のスピードが余裕でついていけるなら,

自分で勝手に個々人が勉強進めてる.学校の進度なんか無視して.なんなら進学塾へ通って.

っていうか進学校ほど生徒は授業中に内職してる。学校の授業は関係ない、

私立一貫校でなくても公立高校でも先取り授業しているところはしてるし.どういった授業方法が良いかは,その学校の生徒の状況にあわせてやっているわけで,生徒の9割が満点取っちゃうのにだらだら進度を遅くしてやってる学校なんて無い.

進度が遅い学校があれば,それはそれなりの理由があるわけだ.

むしろ合格実績をあげたくて下位生徒を犠牲にしてかってにスピードをあげちゃう学校は私立中高に多い.

東京一工早慶への合格者数が目立って,Fラン大がEラン大になったところで学校経営ビジネスに影響しないからだ.

 

で,どこの学校に入れようと,再現性の無い世界で,何が良かったか悪かったかはエビデンスとして残らない.

だから無理して中学受験する必要はない.

そこで勝った負けたの相対的能力主義が子どもの心を健全に育つことを邪魔する.

本人が好きで趣味でやるなら止めないけど.でも能力主義にはまらないでね.

それにはまると,(過去記事4,5)で書いた高橋氏や酒井氏のように,人生を長い展望で見たとき,なんのために今なんにたいして頑張るべきか,という点で不幸になってしまう.

 常に命じられたことを完璧にこなし,ライバルに勝たなければ,いけない人生になってしまう.

 

大学受験戦争が最も激しかった時代に発表された尾崎豊(1965.11.29-1992.4.25)の曲・僕が僕であるために(1983・1997)

 

僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない

 

尾崎豊が当時17才青山学院高等部三年生で喫煙・飲酒・騒乱で無期停学中にレコーディングした曲だ.

 

 このような人生を親が押し付けてはならない.

 

 で,大学受験の話に戻る.

 大学受験と中学受験はかなり違う.

 中学受験では到底無理だった大学付属学校の大学へ大学受験で受かることは良くあることだ.

 少子化がすすんでいる今は猶更である.

 

たとえば,出生数・合計特殊出生率は

2013年102.98万人 1.43

2007年108.98万人 1.34

 

分かるだろうか?

この6年で出生率は上がっているのだ.

しかし出生数は下がっている.

5.5%下がっている.

 大学も入りやすくなってるし,就職もしやすくなっている.

 そしてこの傾向はずっと続く.出生率が上昇しても出生数が減り続けることは今後18年以上確定だ.

 

 1952年以降で出生数が一番高かったのは

1974年203.0万人

だ.

現在の40才が一番多かった.

アラフォー,今の小中学生の親ぐらいがここ70年間で一番出生率が多かったのだ.

だから,このアラフォー世代が一番時代を読み間違っている可能性が高い.

大学入学も就活も一番たいへんだった世代だ.

 

 無理して中学受験で付属中高入り,付属大学へ進学するより,大学受験で入ったほうが入りやすいのだ.

大学付属中高から外部の大学受験するとなると付属大学への内部進学資格が無くなってしまう.

 だから中高ではそこそこしか勉強しないわけだ.

 

・入試のための勉強が将来受験以外で役に立つ

・入試のための勉強は入試ゲームのためだけのものだ

 

この二つの意見がある.どちらも正しいと思う.

前者が正しいなら,中学受験より高校受験・大学受験させたほうが身につくだろう.

後者が正しいなら,大学付属中学への進学はお得ではない.(よっぽど大学受験に向いてなくて中学受験に向いている子なら別だが,そんなこと小学生の段階では予測できないだろう.)

 のびのびと中高時代を過ごしてほしいというが,もうのびのびしててもそこそこの大学には受かるのだ.

・偏差値3上げるために,

・あるいは今80%以上の確率で出せる偏差値を90%以上で出すために

どれだけ努力するかは本人次第だ.さぼれば

・偏差値3下げた大学・学部へ進学する

・あるいは今80%以上の確率で出せる偏差値が60%の確率になるか,

とか,そういうレンジの勝負のために,

一日の平均勉強時間を1時間増やすか減らすか,遊びに費やすか,

そんな話.

 

 しかし,人間には生物としての多様性がある.もともと全ての個体が同一目標に向かうということが種の絶滅の危機を招くため,かってばらばらな興味をもつように各個体がもっているのだ.

 努力できないことは才能であって欠点ではないのだ.

 中高生になって勉強と大学進学とどちらを選択するかは本人が決めればよい話だ.

 

 あとさ、そもそももう推薦入試とAO入試が大学入試の半分以上になってるという説もある。



 年明けてから一発試験で合格して入るのは半分以下で、日本も中華圏的受験競争文化から抜け出して欧米圏型に向かっていってる。文科省はそちらへ誘導してる。定員割れしてる大学も多い。大阪大学ですら学科によっては既に志願者全員合格だ。


 

 てかさ、親どもよ、

大学行かせたいとか、どの大学行かせたいとか言わずに、

大学で何学んでほしいか、

言えよ。

相対論くらいは学んでほしい。

これは高校では学べないから、とかさ。

有名大学に行きさえすりゃ、単位とって卒業して就職されすりゃ、何も学ばなくてもかまわん、卒業証書だけとってこい、

ってのが、透けて見える。

親に学問愛が無いんだよ。

それは知性がないとも言える。

 

(過去記事1)

 

(過去記事2)

 

 

(過去記事3)

 

 

(過去記事4)

 

 

(過去記事5)