(過去記事1)の続き.

 

2000年1月の日能研関西・過労死事件

について触れる.

 

 

 

上のブログによると,2000年1月過労死した日能研関西の酒井博之氏(39才)は,37才で年収780万円くらいだったそうな.社歴3年8か月課長職.①算数チームのリーダー ②大阪地区の教務の代表 ③灘特進担当

(上のブログでは38才死亡となっているので間違いがあるかもしれない.)

 

上の記事(2023.3.29)によれば,酒井 博之 氏は算数課リーダーとして算数課員のいい加減な仕事に困っていたそうな.

講習会に使う教材や模擬試験問題の作成の締め切りを守らない.出来が悪い,ということがよくあり,悩んでいたそうな.

出来の悪い部下をかかえる人事権の無いリーダーはつらいだろう.

 

酒井氏は1961年静岡県掛川市生まれ,掛川西高校,京都大学農学部出身.そこの熊野寮の自治会書記長もやっていた.

53日間全く休みを取っていなかったそうだ.洗濯をしに一時的に帰宅したというから独身だったのだろうか.

 

 

 

上の弁護士による記事の”さいご”にはこうある.

学生アルバイトを中心とする多数の非常勤講師を少数の専任講師が監督するという進学塾の経営スタイルに加え、専任講師への業務負担を加速度的に増大させる中で、利益を上げていかないことには、塾業界の売上の維持はできない。ますます過重労働が増えていく。

 

過労死事件の前には日能研にもアルバイト講師がいたのか.

 

酒井氏の発症一週間前の労働時間は81時間25分だそうである.所定労働時間40時間の倍以上だ.

 

 

 うーん.

 静岡県で生まれ,静岡県立高校を出て,京都大学農学部へ行って卒業したまでは成功大人生だったろう.

親としては大満足で希望に満ちていたろう.親は友人やご近所さんらの間でも鼻高々だったろう.

 

 しかしそれからずっと進学塾に勤め,1996年5月から(株)日能研関西で勤務し,独身で一人暮らしのまま,39歳で過労死.

 

 もしかして,

人生でたいせつなことを教え忘れてしまったのではなかろうか?

とも思う?

 うちの息子や娘にはそんな人生を歩んでほしくないんだよね.

 仮にくも膜下出血で倒れないとしてもね.

 仮にそのまま定年まで勤めて引退したとして,その人生と,パチンコ生活してましたって人生と,たいして変わらないんじゃないかって気もする.多くの受験生や保護者を助けたと思うかもしれないけど,彼らのその後の人生を酒井氏はほとんど見ることは無かったろう.第二の酒井氏になっていたかもしれない.

 

 彼にとって受験は成功体験だったろう.18才頃の成功体験をまた20年間ひきづってしまったのか.

 灘特進コースに集まる生徒たちのレースを傍で見てサポートすることに,ギャンブル依存症的快楽を感じていたとも考えられる.心から嫌な仕事をそんなにやることはできない.

 受かった落ちた,勝った負けたというレースにはアドレナリンがでちゃうんだよ.

 

 京都大学出て,それだけの業務量をこなして年収額面で780万円か.(当時と今は物価はたいしてかわっていない.デフレのため)

 学習塾で年収額面780万円稼ぐ39才独身になりたくて,大学受験勉強を県立高校時代にやっていたのか?

掛川西高校に入るために中学時代高校入試の勉強もしていたろう.そんなことのため?

  酒井氏を受験指導していた学校や予備校の教師たちもそれを目指していたのか?それとも単なる競馬を見ていただけなのか?

 独身でもなくて子供が多くいたとして、父親として家庭をしっかり持てるような職場でもないだろう。搾取された側の人間か。

 いやね、受験で失敗して就職先なくて仕方なくこの仕事してたとかいうなら分かるんです。でもイヤイヤやってたら過労死になる前に辞めてると思う。

 ちゃんと所帯もって子供二、三人以上もって幸せな家族を築いていく、そのための銭金だよね。そうやって家族を支えていくのに適した職場だと思って塾業界選んだとしたら間違えてたよね。高校時代の成功体験から受験ドランカーになってしまったんではないか。自分が指導する受験生が受かった落ちた言うのが、競馬と同じで中毒になるんだよ。


 今,ネットで中学受験ユーチューバーとか中学受験指導者とかを見るが,彼らはそんなにうらやましい人生を送っているようには感じられない.私から見たら,投資アドバイザーとか競馬予想屋と同じ類に見えてしまうのだ.

(にしむら先生は好きだけどね.彼は本音を言うから.)

 彼らは真面目な口調で,保護者らや受験生らに,受験戦術を語るが,彼らのほとんどは独身だったり子供がいなかったり一人しかいなかったり,そんな感じが多い.受験を語っていながら,知性を感じられないんだよね.大学生くらいまでで精神年齢が止まってるような感じの人が受験指導者に多い。

 汚い格好して馬券売り場で競馬予想して小銭稼いでる人と同じカテゴリーに見えるんだ.

 いや,貧乏でいること自体はいいんだよ.金より別のものを優先してても.金や学歴を追って,

その行き着く先がソレ?

 

 (過去記事2)でとりあげたZAZYの父親(塾経営者)を思い出す.教育虐待の狂気.塾長が息子に教育虐待の狂気.みごと名門・智辯和歌山や東京理科大に受かるも大学中退で芸人.それって本当に父が目指していたところ?祖父母,曾祖父母がそれを見ていたらどう思うか?

 

 受験勉強ゲームをやってるゲーマーと,パチンコ依存症とどこが違うの?同じような気がする.

 

 (過去記事3)でも書いたが,たとえば佐藤ママも,受験支援ゲームにはまっちゃったんだよね.面白かったんだと思う.そのレースが.3男1女のうち息子3人東大理三に入れちゃって,アドレナリンドバドバでちゃって耐えられなくなって娘が大学受験まだだってのに,マスコミ露出しちゃって,でも娘も東大理三でちゃって,さぞや気持ちよかったと思うよ,佐藤ママ.それからもマスコミや講演会やって,自分の成功談を語って,自己顕示欲が暴走する.気持ち良すぎて自分で自分が止められない状態なんだろう.金に困ってる訳でもなかろうに。(金のために芸能界にいると豪語する長嶋一茂は潔くて気持ち良い)

 いや,分かるよ.分かる.佐藤ママも人の子.

 本来ならママは陰に隠れていなきゃならない.子供全員大学受験終わるまでひっそり陰に隠れて,合格した後も,親のサポートは家族だけが知っている状態にしておくのがベストだったよね,子供らにとって.子供らの手柄を親が奪ってはいけない.でも,それは佐藤ママが自分の手柄としてマスコミでスターになっちゃった.子供のためにしていたはずが自分が社会で認められるために転換した.既に30代東大卒医師である息子の実名をググってもママの記事の方がトップに行く.

 

 いや,分かるよ.気持ち良いんだよ.ドーパミンが出まくる.だからこそ用心しなきゃならんと思うんだ.その能力主義が不幸を呼ぶから.


 もちろん日能研関西にも企業として問題はあったと思う。子供達も勉強しすぎで健康を損なうことも多かったと思う。ハウス加賀谷は灘でなく麻布だったか。


つづく.

 

 

(過去記事1)


 

(過去記事2)

 

 

 

(過去記事3)