(過去記事1,2)をはじめとして
80%合格可能性偏差値(R4)
について話してきた。
(過去記事1)ではR4の
妥当な統計的導出方法を記載した。
ただそれは私の推測で各塾は詳細な導出方法を公表していないので(過去記事2)他で考察した。
合格可能偏差値の新しい解釈の仕方を今回は提案したい。
結論を先に言おう。
80%偏差値より、50%偏差値を見よ。
過去の複数の模試で8割以上50%偏差値を超えているか見て、合格可能性80%の目安にせよ。
上でいう過去の模試では主催社が混在していても良い。志望校別形式模試が入っているほど良い。直近の五回の模試のうち四回以上50%偏差値を超えているか、を見るわけである。
この考えに至る二つの記事を紹介したい。
ひとつめ
上の記事が言ってるのは、直近一回の偏差値がR4を超えているかを見るのではなく、直近4回の平均がR4を超えているか見ろ、
と言うことである。
なぜなら日能研のR4一覧自体が秋の4回の模試の平均をもとにして計算しているからだ。
そりゃそうだ。
そして二つ目のブログ記事が下。
そこで言っているのは、
.R4(80%偏差値)とR3(50%偏差値)の差がほぼ3.7だということだ。
そして彼は、
偏差値5くらい変動することは普通にあることで、一回R4超えても安心できない、
と書いていた。詳細は上のサイトで見てください。
このR4-R3という数値は学校によって変動するが、最大で5くらいのようで、あまり学校間にばらつきはないようだ。これは真実がどうのではなく、塾の判断の限界かも知れない、
このR4-R3が小さいほど、模試と実際の入試の関連性が高いと言うことで、5とか大きいと、関連性が低いということだ。
(過去記事1)のロジスティック曲線のカーブを頭に描いて欲しい。R4-R3=5ということは、
合格確率20%(R2)
から
合格確率80%(R4)
へ増えるのにカーブがなだらかで
偏差値の幅が10だけあると言う事だ。
R4-R2=10.
おそらく真の合格ラインはR3(50%合格可能性偏差値)にあるのだと思う。
R4偏差値を平均としてとってるような人は、8割がた3.7以上下振れしないという意味ではなかろうか。
3.7以上下振れする確率20%なら、
(0.2のT偏差値は58.416だから)
正規分布なら標準偏差は
3.7*10/8.416=4.4
となる。
だいたい五回の模試で平均60とするなら、標準偏差4.4だから、
84%の確率で、55.6以上になり、
80%の確率で、56.3以上になる
ということだろうか。
この56.3点が、入試当日の合否ラインであり、R3値だろう。
合格ライン56.3なら平均60,標準偏差4.4の生徒は80%合格するということだ。
乱数要素としては当人の体調の他、当日の入試問題や他の受験生集団や模試など、入る。
ただし、点数のブレは上ふれより下振れの方が大きいだろう。なぜなら、当日大失敗して実力より大幅に失点することはあれど、大成功してもそんなに大幅に点数が増えることはあまりないからだ。
だから、過去五回の同社模試の平均をとったら、五回の中央値より低くなるだろう。
その
(中央値より低い)平均値がR4を超えている
ということと、
直近5回のワースト2がR3を超えている
ということが、確率的にだいたい同等なのだろう。
当人や当人の親としては最後の模試の偏差値を信用したくなるだろうが、
当日の実力がそれより高めに出る確率と低めに出る確率は、半々なのである。
全受験生からしてみたら。
最後の模試が最高値だったら、それはたまたま3.7以上確率2割で上振れしただけであったのかもしれない。
(過去記事1)
(過去記事2)