日能研でいうところのR4偏差値,
四谷大塚などでも合格可能性80%の偏差値をだす.
これらはどうやって出しているのだろうか?
という疑問が沢山のブロガーから出ているので,
普通の統計屋さんなら常識的にこうだすでしょう,というのを
(過去記事1)に書いた.
別に難しくない.高校数学に毛が生えた程度.
Excelに標準実装されている.
でも,そういう統計処理で客観的なデータを出しているんじゃなくて,
塾側が変な忖度とか怪しいことをしていじっているんじゃないか?って疑惑を(過去記事2)に書いた.
会議で決めるとかいううわさを聞いたからだ.
なんでも資料を会議に配って皆で決めて,会議終了後にはその資料を回収して破棄するとかいううわさも聞いた.
ネット上で.真偽は定かではない.昔の話なのか今の話なのかも分からないけど,
昔そうやっているなら今もそうやっている可能性が高いのではないだろうか.
合格実績を水増しすると景品表示法かなにかに抵触するらしいから,
こういう偏差値表だって変なことするとまずいのではないだろうか?知らないけど.
統計処理って,計算機でちゃんと計算して出すものであって,紙に書いてあるデータを目視してどうにかなるものでもない.
うーん.
なんか変なんだよね.
変だと思うこと2点。
(1)
例えば,R4偏差値はその偏差値の人が受けたら100人中80人受かるであろうという値のはずだ.
それは統計的な意味で(過去記事1)に書いたように計算できる.
しかし,別の説だと,R4偏差値ぴったりではなく,R4偏差値以上の人全員の合格率が80%以上である値だ
という人もいる.
うーん,それは変でしょ.いや,その人は真実を言っているのかもしれんが,だとしたらその塾がおかしいでしょ.
だって,R4偏差値以上の受験生の分布はどうなのよ?例えばR4偏差値60だっとして,
その偏差値60以上の受験者が,
全員偏差値60だった場合,
偏差値60の人と偏差値65の人が半々の場合
偏差値60の人と偏差値65の人と偏差値70の人が1:1:2の場合
など,分布によって全然変わってくるでしょ.
その分布は学校や年度によって全然違うはずだ.
それらを全部いっしょくたんにして,偏差値60以上の受験生で合格率80%だった,といわれたって,
受験生の偏差値分布がどうだったか言ってくれないと,参考にならない.
(2)
あと,学校によって科目の点数配分が違うでしょ?それはどう計算しているわけ?
おなじ4科目入試にしたって,
国数理社で
開成 85:85:70:70
麻布 60:60:40:40
武蔵100:100:60:60
と三校とも違うでしょ.
この場合のR4偏差値って,4科目の場合はどうやって出してるの?
4科目の偏差値をそのまま各科目の配点比率で足しても駄目だよ.各科目の標準偏差が違うんだから.
これって,かなりザルでないか?どんぶり勘定.
この2点についてツッコミ入れている人、ざっとみた限り誰もいないんだけど、
私が何か勘違いしているのでしょうか?どなたか教えてください.
こんなドンぶり勘定で計算していたら,(過去記事1)で計算していたところの
ロジスティック関数のbの値(傾きの最大値)が偉く小さく出るんでないかい?
つまり,模試の偏差値と合格者状況が全然相関していないという話.
bが大きいほど相関が強くなる.
模試と入試が相関0ならbの値は0になる.
塾側が具体的な計算方法を公表していないのが問題なのではないだろうか?具体的な計算方法を公表しているのならどなたか教えてください.
(過去記事1)
(過去記事2)