冷静な状況判断ができる自己制御能力 | つねにコーチであるために

つねにコーチであるために

いつも話を聴く姿勢であり続け
いつも相手を認めることを忘れず
人として生ききることを目指している。
つねにコーチであるために、一期一会一日一日を大切に歩んでいます。

自分の感情をコントロールするために必要なEQについて、今回は、衝動的な反応を抑え、状況に応じて適切な行動を取る能力である自己制御能力について語って行く。

自己制御能力は、冷静な状況判断ができる能力と言える。

 

具体的な側面は、以下の通りだ。

 

◯衝動抑制

 

瞬間的な感情や衝動に対して冷静に対処し、長期的な目標や価値観に基づいて行動する能力だ。

 

これは、怒りや不安などの強い感情が湧いたときにこそ特に重要で、自分の中で起きるであろう反応を予測できなければ発揮することができない。

 

なので、前回書いた自己認識能力の感情の認識が求められる。

 

自分の感情を認識するコツは、自分の身体(特に、鼓動や呼吸)に意識を向けられるようトレーニングしておくと、自分の感情を認識できて、ある程度の衝動は抑えられる。

 

また、コーチがセッションでクライアントに身体の感覚に意識を向けられるような問いかけをすることも有効だ。

 

ただし、病的な発作に分類される衝動は、専門家に相談するのが適切だと考える。

 

◯ストレス管理

 

ストレスフルな状況においても冷静さを保ち、適切な対応をする能力だ。

 

呼吸法やリラクゼーション技術を活用して、ストレスを効果的に管理するのが一般的だ。

 

経験上、ボクが大切だと思っているポイントは、ストレスはすべて悪いものだと思い込んでいる認識(ビリーフ)がある場合、その認識を改め(ビリーフを書き換え)、ストレスは自分を成長させてくれるものと捉え直すと、比較的スムーズにストレスを管理することができるということだ。

 

コーチがクライアントにストレスから得られるものなどをセッションで問いかけるのが有効だ。

 

◯感情認識と調整力

 

自分の感情を認識し、それが自分や他人に与える影響を理解する能力だ。

 

感情の調整は、感情が行動にどう影響するかを理解し、必要に応じてその影響をコントロールすることを含んでいる。

 

なので、最初に挙げた「衝動抑制」と「感情認識と調整力」は密接に関わっている。

 

先にも書いたが、この力を身につけるためには、自分の身体(特に、鼓動や呼吸)に意識を向けられるようトレーニングが効果的だと考えている。

 

コーチが意識的にクライアントに対して、身体の感覚を問いかけて言語化するサポートをしてあげると、自分でコントロールしやすくなるだろう。

 

◯適応力

 

変化や困難に対して柔軟に対応する能力だ。

 

新しい状況に迅速に適応し、前向きな態度で対処する力が含まれ、俗にいう柔軟性を持ち合わせていなければならない。

 

柔軟性を身につけるためには、「〜〜ねばならない」「〜〜すべき」という概念をできるだけ捨てるか、世の中に存在するバリエーションをできるだけ多く把握するかだ。

 

多くのバリエーションを把握しようと思えば、それなりに時間と経験が必要になるので、年配者が柔軟性を身につけているケースがこれにあたるだろう。

 

あとは、コーチによる視点を変える問いかけなどが有効に働くだろう。

 

◯誠実さと倫理観

 

自分の行動が他人や社会にどのような影響を与えるかを理解し、誠実で倫理的な行動を取る能力だ。

 

信頼性や責任感もこの能力の一部と考えていいだろう。

 

わかりやすく説明すると、誠実さを身につけるためには、自分の心に素直であることが求められる。

 

また、倫理観については、「人としてどうあるべきか」ということへの自分なりの答えを持ち合わせておく必要があり、先人から学んだ知識を必要とするだろう。

 

ボクの経験や知見から言わせてもらうと、世の中で大きな成果を得ている人たちは、得てして「人としてどうあるべきか」という姿を自分の価値観に照らし合わせて持っている人が多いと感じる。

 

コーチがクライアントに「人としてどうありたいか」を問いかけておくことも、潜在意識の中に残る問いになるだろう。

 

 

と、ここまでは自己制御能力の要素について語ってきたが、その自己制御能力を向上させる方法(冷静さを保ったり取り戻したりする方法)に触れておきたい。

 

・マインドフルネス(瞑想)

 

マインドフルネス(瞑想)を実践すると、いまここの瞬間に意識を向け、感情の波に流されずに冷静に対処する能力を養える。

 

・深い呼吸

 

一般的に呼吸法と呼ばれる呼吸は、深い呼吸や腹式呼吸などがベースとなっている。

 

呼吸は、自律神経を整える働きがあるため、身体を安静な状態に誘導したり、心身をリラックスさせることができるので、冷静さを取り戻すことができる。

 

・日記をつける

 

ライティングやロギングと呼ばれ、感情や行動のパターンを記録することで、自分の感情のトリガーや反応を認識し、改善点を見つけることができる。

 

・フィードバックの活用

 

他者からのフィードバックを受け入れ、それをもとに自分の行動を調整する。

 

客観的な視点からのフィードバックは、自己制御の向上に役立つので、コーチはクライアントに積極的にフィードバックするようにしたい。

 

ただし、フィードバックは受ける側の準備も必要なので、クライアントに伝いたいフィードバックがある旨を伝え、許可を得る必要があるだろう。

 

・リラクゼーション技術

 

ヨガやストレッチなどのリラクゼーション技術を取り入れ、日常生活の中でリラックスする習慣を作っておく。

 

もともとヨガは、瞑想に入るための準備運動といわれているので、瞑想と併用すると効果が大きくなるだろう。

 

 

まとめとして、自己制御能力は、感情知能(EQ)の重要な構成要素であり、個人の成功や幸福、対人関係の質に大きな影響を与える。

 

この能力を高めると、ストレス管理、対人関係の向上、効率的な意思決定など、さまざまな面での効果を実感することができるだろう。

 

また、日常生活や職場で自己制御能力を意識的に鍛えておくと、より充実した人生を送ることができるようになり、悔いのない一生を過ごすことにつながるとつながるとボクは考えている。