成長に欠かせない自己認識能力 | つねにコーチであるために

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昨日、自分の感情をコントロールするために必須知識であるEQについて概要を述べたが、今日からその要素について語りたい。

 

まず最初は、成長に欠かせない「自己認識能力」についてだ。

自己認識能力(Self-Awareness)とは、自分の感情、思考、行動、信念、価値観などを客観的に理解し、把握する能力を指す。

 

この能力は、個人の成長や対人関係、意思決定など、さまざまな面で重要な役割を果たしている。

 

◯感情の認識

自分が今、どのような感情を抱いているのかを認識し、その感情がどのように発生したのかメカニズムを理解することが必要だ。

 

EQを知るまでボクは、感情は天から降ってくるもの(自分で制御ができないもの、どうしようもないもの)と思っていた。

 

なので、それが自分で選んでいるものであり、自分でコントロールできると知ったときの驚きは今でも忘れない。

 

感情は生体反応だと捉える向きもあるけど、当たらずしも遠からず、100%納得できる説明ではない。

 

一般的に感情は、自分自身が持っているビリーフに対する闘争反応であると考えられている。

 

どういうことかというと、例えばこんなビリーフを持っていたとしよう。

 

・年下の人は目上の人に敬語を使わなければならない

・社会人として時間を守るのは当然の義務だ

 

これに対して、自分より年下の人が命令口調で話しかけてきたり、約束していた時間を守らなかったりしたとき、戦闘することを選んでしまう。

 

簡単に言えば、自分に怒りを発生させてしまうのだ。

 

これは、自分自身が当たり前だと思っていることに反する行動を取る人に対する反射的な行動なのだが、これが自分で発生させている、自分で選んでそのようにしていると理解するまでに時間がかかるのだ。

 

その証拠に、Aさんが許せないと思っている「エスカレーターは上らない」という行動でも、自分の中にビリーフがない(上る人もいるだろうと思う)ものに対しては、その行動を見ても決して怒りを生じさせないだろう。

 

つまり、ビリーフを書き換えてしまえば、戦うモードにならないのだ。

 

上の例だと、

 

・年上の人に命令する人もいるかもしれない

・社会人でも時間を守れないこともある

 

というようにビリーフを書き換えて仕舞えば、年上に命令しているのを見ても、時間を守らない人を見ても怒りが生じないのだ。

 

このように、自分の感情のメカニズムを認識することは、ストレス管理や対人関係において大きな行動変容を生み出してくれるので、コーチとしては、クライアントが持っているビリーフに気づけるようにサポートすることがカギとなってくる。

 

◯自己の理解

 

自己の理解とは、自分の強みや弱み、価値観、信念、目標などを理解することだ。

 

感情の認識とも被るが、自分の価値観、信念はビリーフとも言える。

 

あらかじめこれらを自分が知っておくことで、次に取る行動(感情)が変わるので、自分の内面に潜んでいる自分自身を自分で知っておくことは、感情をコントロールする上では非常に重要だ。

 

自己の理解が広くて深いと、自分自身の行動や反応を察知することができて、適切な行動を取ることができるので、コーチとしては、クライアントが自分で気づいていない強みや弱み、価値観などについてフィードバックすることが求められる。

 

◯自己の評価

 

自己の評価は、自分の行動や成果に対して客観的な評価を行うことである。

 

自己の評価をしていると、改善点を見つけやすくなり、改善点を見つけて克服することは、個人の成長に大きくつながって行く。

 

つまり、自分の現在地点を知ることで、目標地点との差を把握することができるようになり、その差を埋めやすくできるのだ。

 

なので、コーチとしては、クライアント自身が自分のことをどのように評価しているのか、さまざまな視点から問いを投げかけて、自分の評価に気づけるようなサポートが求められる。

 

◯反省と内省

 

反省は、自分の過去の経験や行動について振り返り、学びを得ることであり、内省は、自分の内側に潜んでいる声や考えを表出させることである。

 

これらを実施することで、次回の行動や反応を改善することができるのだ。

 

なので、コーチとしては、クライアントの過去の行動に関する振り返りのサポート、内省のサポートが求められる。

 

総じて自分で自分を把握する自己認識能力は、個人の成長や対人関係の質、意思決定に大きな影響を与える重要なスキルであり、より充実した人生を送る上で重要な能力と言えるので、コーチはできるだけクライアントが自分で自分の中に潜んでいることに気づけるようなサポートが求められるのだ。