漆黒の闇に包まれた街の中
一人家へ向かう道を行く
顔も見知らぬ人がすれ違っていくけれど
きっと彼らとも繋がっているんだ
自分の事を知らない誰かでも
しっかりとした何かで結ばれている
それをたぐり寄せるかしないかはわからない

僕のことを忘れてしまった誰かとも
触れ合っていた日々という過去が残り
それが今もなお続いているということを
実感している人は少ないだろう
僕自身も気づかない様なものなのだから

夢の世界に身を置く人も
同じ時に誰かが君を思うことを
止めることはできはしない
彼らもまた繋がっているのだから

死してもなお人の想いは続く
薄まっていく感情を繋ぎとめる糸
断ち切る術を誰が持つというのか
神という存在が全てを司っているというならば
彼はきっと気づいていないのだろう
生命の数だけ神がいるということを

僕たちの空は一体どんな形をしてるのだろう
見えないその形を僕らは描き続ける
それぞれの思いという答えのない曖昧なヴィジョンを
枯れた涙が溢れ出る時
悲しみを超えた何かを知る

あの時言葉にできなかった感情が
泉のように溢れ出す週末の夜

冷えた手足を重ねて温め
交わることの無い人の幸せを祈る

切れかかった蛍光灯の眩しさ
掴みきれない希望の姿を見る

赤く燃える地平線の先の
その裏側を描くための君のキャンバス

僕の身体で刻むビートは
明日を生きるための血液の流動
あのころの給食の味を
今もまだ覚えてるだろうか
誰かを好きになるという感情を
知ることの無いままに過ごした時を

放送室のカビ臭い匂いに混じる
かぼすの芳香剤の香り
きちんと整列するカセットテープ
どんな形にも曲がる変幻自在のマイク

放課後に流れるイエスタデイ
黄金色に光るグラウンドで
かすり傷をつくりながら走る
やたら運動神経のいい担任の先生

住み心地の良い職員室
消毒のにおいに満ちた保健室
さけの卵を保管していた理科準備室
自由帳を夢で一杯にしたクラス

少しボロくさい校舎の中で
数え切れない程の言葉を交わし
汗をかき、怒られ、涙を流し
カーネーションを手にして去った

体育館に響く上履きの音と
壇上の片隅に置かれたピアノと
さらにその裏にある体育倉庫と
僕らが努力した放送機材

鮮明に思い描くことのできない
この断片的な情景の画を
僕の奥底にある記憶という装置は
モノクロームという形でスクリーンに映し出した