面白かった作品です。これは典型的なクローズドサークルのストーリーで、柊一と翔一郎が探偵役と補佐役を演じていました。柊一は基本的に翔一郎に従う役割で、物語を通じて翔一郎の有能さが際立っていました。私も同じく、翔一郎に魅了され、「このキャラクターは素晴らしい!」と感じていましたが、最終的には麻衣によって全ての計画が操られていたことに驚きました。

犯人の役割を麻衣に割り当てることで、読者にとって予想外の展開となりました。久しぶりにミステリー小説を読むと、どんでん返しの魅力を再発見しました。特に、麻衣が一人しか生き残れない状況を誤認させる計略は巧妙でした。さらに、予備のウェーターが存在したことで、実は二人が生き残れる可能性もあったのですが、柊一が麻衣の誘惑に抵抗し、最終的には麻衣が生き残る結末に至る展開は、ミステリーの要素を強調していました。

この物語から得られる教訓は、生きる意欲と柔軟性の重要性です。前者は自分の持っているスキルによるものですが、柔軟性は柊一のような頑固な性格を持つ人にとって特に重要です。また、冷酷さも重要な特性であり、麻衣のキャラクターに共感できる部分もあると感じました。彼女は浮気をしている側面もありますが、同時に自分の直感や本能に従って生きているともいえます。もし私が柊一だったら、麻衣に従うことは難しいかもしれませんが、彼女の真意を見抜く洞察力を発揮できるかもしれません。

 

 

 

アダム グラント(著), 楠木 建(監訳)

出版社:三笠書房

 

テーマ:自分を切らずに相手に与える

 

この中でどの種類の人間が一番成功すると思う?

  1. 他者思考ギバー
  2. 自己犠牲ギバー
  3. マッチャー(ギブとテイクのバランスをとる人)
  4. テイカー

正解は1の他者思考ギバーである。成功する順番としては「①他者思考ギバー②マッチャー③テイカー④自己犠牲ギバー」であることが示唆されている。他者思考ギバーとは、他者の思考を考えることに注視するギバーのことである。これは共感の罠に引っかからないための方策である。そして、Win-Winの関係を築くことがよいとされている。自己犠牲ギバーはLose-Winの関係を結んでいるといえる。

 

個人的に重要だと感じたのは、テイカーは決して何も与えないわけではない場合が存在しうるという点だ。気持ちではなく、考えていることに目を向けることの重要さを学んだ。大事なのは、その人の気持ちではなく、行動で判断することではないだろうか。さらに、マニピュレーターはテイカーの上、こちらに罪悪感を抱かせるよう仕向ける。

 

本書によると、交際中のカップルは愛し合っている場合、自己犠牲ギバーとして振る舞うことがわかっている。非常に面白い結果である。この結果を応用して考えると、彼女や彼氏がいない人の場合、家族や近しい人に対して自己犠牲ギバーになる確率が高いといえるだろう。交際中のカップルの場合、パートナーのニーズに共感しているのである。急に他者思考ギバーになるのは難しいので少しずつ近づいていきたいと考えている。

 

面白かったのがテイカー対策である。対策としては、「利他心を刺激するのではなく利己心を刺激する」という方法だ。本書で挙げられていたのは、ボランティアの例である。単に「ボランティアやってください、みんなのために!」と発言してもテイカーは反応しない。重要なのは、利己心を刺激することだ。例えば「ボランティアをやると、履歴書に書け、就活を有利に進めることができますよ!」と発言するとテイカーも反応する。「ボランティアに参加する人々は色んな人がいるので、そこでコネを作ることができる」という発言も反応するだろう。私の近しい人にもテイカーがいたので、本書の方法をとってみたのだが、見事に思い通りに動いた。よって、本書はかなり実用性の高い本だといえる。利己心を刺激する方法は、テイカーに万能な方法であるといえる。「成功するギバーは利用されてもいいとは考えない」とも書かれていた。本書を読破して行動に移したら、人との関係はかなり楽になるだろう。

 

 

我孫子 武丸(著)

出版社:講談社

 

テーマ:家庭内で立場が弱い父

 

狂人が出てくる小説は見ていて飽きないので、個人的に好きです。そして、解説が非常に面白かったです。父親は母親と比べて子供に愛されないことを示しています。その影響によって、父親は女性の膣を切り抜いて自慰行為したりといった凶行にいたってしまったことを示しています。普段読書していると自分で気づけない部分を解説で補っているのが面白いです。

 

私は本書がきっかけで本のあとがきや解説を読むようになりました。感謝しています。

 

 

 

羽生 善治(著)

出版社:角川書店

 

テーマ:完璧な人間など存在しない

 

ある意味、救いの本です。天才である羽生善治さんでさえ、十手先の展開を読むことができないと発言しています。よって、我々が先の展開を読むことは不可能に近いといえます。

 

ホリエモンさんも「10年後20年後のことなんて誰が予想できた?」おっしゃっていました。我々が1年後の世界だとか、5年後の世界だとか予測できるわけないのです。「未来のことを恐れず過去に執着せず今を生きろ」というメッセージは、ホリエモンさんの主要メッセージでもあります。過去に対して過剰に分析しても意味がないし、未来に対して心配したとしても誰も予測できません。

 

つまり、完璧な選択肢があったとしても、それを選ぶのは無理であるということを本書で暗に示しています。その事実を知った上で、素早く行動したり、失敗しても「まあいいか」と考えることの重要性は本書でも書かれていますし、精神科医である樺沢紫苑さんもそう主張されています。成功者はみな共通の思考をしているといえます。

 

大事なのが「直感力」だと羽生善治さんはおっしゃっています。直感が7割をしめるとのことです。直感は読書をしたり、音楽を聴いたり、自らが生業にしている分野の人以外と話をしたりすることによって総合的に養われるものらしい。私も他業種の方や親戚の会合、女性と話す機会がある場合には積極的に首を出して話したいと感じました。

 

そして、勝負の世界において怒りの感情を出すことは愚の骨頂であるとも主張されています。感情をむき出しにすることで、それに左右され、正常な判断ができないそうです。将棋の世界に限らず、勝負の世界ではそうらしいです。私は感情のコントロールが苦手なので気をつけたいです。バナナマンの設楽さんも「怒る人は経験がないから怒る」とおっしゃっていました。年をとったら達観したり俯瞰でみれたり、心に余裕が出たりするのでしょう。そうしたら人生がうまくいくのでしょう。

 

 

 

作者: 冨樫 義博

 

面白い作品です。主人公であるゴンはかなり天真爛漫で明るく、性格も良いので見ていて嫌な気分がしないです。私は純真無垢ではなく、考えて行動するタイプであるので、ゴンの純粋さと行動力には尊敬します。父親に合うためだけにここまで行動するのは素直に凄いと思います。そんな父親であるジンのセリフはこちらです。

 

「道草を楽しめ。大いにな。ほしいものより大切なものが、きっとそっちにころがってる。」

 

学校での勉学や職場で行う仕事ももちろん大事ですが、それよりも「自分が何を求めているか」を知ることが重要であるという意味でしょうか?

 

キルアは初め家庭環境の悪さにより、人間不信でしたが、ゴンの快活さにより徐々に周りに心を開いていきます。人間としての成長が一番見られるキャラクターはキルアだといえます。

 

クラピカは正義感があり、顔もかっこいいです。幻影旅団を駆逐するためだけに念能力を取得しているという心の闇も持ち合わせています。そういったギャップもあるので、女性人気が出るのも頷けます。

 

個人的に好きなバトルが「ヒソカVSカストロ」(第32話)です。最終的にヒソカが勝利します。このバトルは教訓になる場面がたくさん散りばめられています。まず、カストロは強化系の人間です。しかし、カストロが取得した技は分身(ダブル)という具現化系・操作系・放出系能力の複合技です。相性がかなり悪いです。これを現実世界におきかえると、自分がしたい仕事よりも自分に向いている仕事の方を選択したほうが良いということになります。自分が向いている仕事は初め嫌いでもいずれ好きになるでしょう。話を戻します。自分が強化系の人間だと知っていたなら、カストロはわざわざ分身という技を取得しなかったでしょう。よって、カストロは水見式を行っていないといえます。完全に準備不足です。そして、ヒソカに対し挑発を繰り返し、挙句の果てに自分の技の詳細を話すという愚行を犯しています。

 

東進ハイスクールの講師である林修先生が「負ける人間の3つの条件」を挙げています。

  1. 慢心(心の中で自分のことを自慢すること。おごり高ぶる心。)
  2. 思い込み
  3. 情報不足

カストロはこの3つの条件の全てに当てはまっているといえます。ヒソカに対し挑発を繰り返したのは完全に「慢心」です。私も慢心してしまうときがあるので気をつけたいです。ヒソカがたいした能力を保有していないという「思い込み」と、自分が強化系の人間であるという情報を持ちえなかったという「情報不足」。コンプリートしています。カストロは我々の反面教師です。

 

「負ける人間の3つの条件」を常に念頭に置いて行動したいものです。

 

 

 

洪自誠 (著), 祐木 亜子 (翻訳)

 

かなり素晴らしい本でした。著者である洪自誠は中国明代の著作家です。詳しい経歴は判明していない方です。儒教仏教道教の3つを融合した書物となっています。その影響で、思想が偏った本になっていないので、非常にバランスのとれた読みやすい本だといえます。バランスがとれていることにより、実用性のある本となっています。文章の形式としては処世訓が一文だけ書いており、その処世訓に対しての解説が短く記載されています。

 

強調されているメッセージとしてあげられるのは、「名誉や欲望や金銭に囚われない生き方をする」ということです。自らが死に瀕しているときに、「いかに名誉や欲望や金銭が虚しいものであるか」を悟るということは、我々も理解できると思います。だからこそ、常に死を意識しながら生きることによって、素晴らしい人生を送ることができると主張しています。つまり、無欲でいることを勧めています。しかし、欲の全てを捨て去ることはしなくてもよいとの主張もされています。このバランスこそが本書の一番良い所であります。極端な主張になっていないのです。

 

人としての正しい道を生きることも重要視されています。そして、権力者に媚びず自分の信念を通すことの重要性も説いています。ただ、清濁併せ呑んで包容力を持つことも大事だといっています。ここでも、本書の美点であるバランスが発揮されています。何かにつまづいたら本書を手にとることをおすすめします。

 

最後に本書で書かれていた処世訓とそれに対する私の見解を記載します。

 

  • 「人を陥れてはいけないが、人から陥れられないように警戒する」

何でも受け入れる善人になるのではなく、悪人にはしっかりと境界線を引きながら自らが素晴らしい人間になることが重要だといっているのだと思います。

 

  • 「忙しいときは冷静になり、暇なときは情熱を持つ」

ここでもバランスをとって行動することの重要性を説いています。何事も極端は良くないです。

  • 「バカにされても怒らない」
人生経験を積むと、人の心の裏を読んだりするのも面倒になるそうです。辛い状況下にいても、心に余裕を持てば怒らないことができるでしょう。
  • 「常に穏やかに人に接する」
心が変われば行動も変わるでしょう。
  • 「最初に厳しくし、しだいに緩める」
最初に優しくして、どんどん厳しくすると批判が出そうですね。ゲインロスをうまく活用している言葉だといえます。
  • 「悪い者たちと戦わず、穏やかに正しい道へと導く」
戦わずに、懐柔する。孫子の兵法にもつながる言葉ですね。
  • 「現実は幻だと知る」
そのくらい人の一生は短くてはかないものです。
  • 「万物の本質は同じであると悟る」
そう考えると、我々が抱く嫉妬や欲望は実につまらないものだと認識できますよね。
  • 「沈黙をまもる」
口は災いの元です。
  • 「目の前のことを淡々と片付ける」
感情に支配されず行動したいものです。
  • 「人は薄情だと知る」
人に期待しないことは重要です。
  • 「硬軟両面を持つ」
個人的に一番好きな言葉です。臨機応変に変えていくことが大事だといえます。そして、両面持つことで人間としての魅力も上がるでしょう。

 

 

 

監督 押井守
脚本 伊藤和典
原作 士郎正宗『攻殻機動隊』
制作会社 Production I.G

 

かなり難解な作品です。TVアニメシリーズと違い、主人公にかなり焦点を当てている作品です。

 

 
草薙素子は「自分が人間なのか」という根源的な悩みを持っていました。脳以外を完全に義体化している状態なので、人間とAIの狭間という曖昧な存在だからこそ悩んだと言えます。
 
最終的に草薙素子は人形使いとの融合を承諾します。人形使いが自らの悩みを解決してくれると感じたから承諾したのでしょう。人形使いも「完全な生命体」になりたい思いがあり、「寿命」を欲しがります。人形使いは人間から見たら完璧な存在なのですが、当の本人はそうは思っていなかったようです。人形使いですら何かを欲するわけです。その事実は、世の中に完璧な存在などいやしないことの証明になりえます。
 
草薙素子は「自分が人間なのか」という悩みを持つと同時に、人形使いと融合することで「私が私でいられる保証がない」ことを恐れます。草薙素子は自らのアイデンティティがぐらつき、なおかつ変化を恐れています。そんな草薙素子に人形使いは「変化を恐れず成長しろ」といった意味のセリフを吐きます。私もこのセリフを胸に成長していきたいものです。融合することによって、お互いの欲するものを手に入れることができたわけですから、草薙素子と人形使いはWin-Winの関係になれたといえます。
 
本作はかなりの名作だといえます。続編であるイノセンスも視聴したいと思います。
 
 
 

 

監督 李相日
脚本 李相日
原作 吉田修一
製作 市川南
出演者 渡辺謙
森山未來
松山ケンイチ
綾野剛
広瀬すず
佐久本宝
ピエール瀧
三浦貴大
高畑充希
原日出子
池脇千鶴
宮崎あおい
妻夫木聡

 

かなりの良作だと思います。鈍器で殴られたような衝撃を受けました。

 

 

まず、ミスリードがかなりうまい作品です。「怒」という文字を犯行現場に残す理由として、普通考えられるのは、理不尽な社会への恨みや辛みだったりします。我々はそう考えたいのです。つまり、加害者である人物が正当な怒りで犯罪を犯していると考えたいのです。物事を自分の都合の良いように考えてしまう人間の特性をうまくついた作品です。実情は極めて自己中な理由で怒りを抱き犯罪を犯した田中でした。つまり、泉がレイプされて怒りをあらわにする演技を田中は辰哉に対してしていたということになります。田中はかなりのサイコパスです。泉がレイプされて喜んでいるあたり、他人への共感能力がかなり欠如しているといえます。私は田中に対して「可哀想」と感じてしまいました。怒りを通り越した感情が、可哀想であるという憐憫の感情へと転化するのだと思います。他人に対して劣等感に苛まれていた田中が、見知らぬ主婦にお茶を渡されたことで、人間としての敗北を知り、劣等感が余計に煽られ殺したというのが今回の夫婦殺害事件の真相だと思います。かなり身勝手な理由で殺しています。自分がうまく人生をコントロールできない怒りを他人にぶつけたとも解釈できます。
 
本作の救いは犯人だと疑われていた田代と直人が至って普通の感覚を持っていたという点です。田代と愛子、直人と優馬、それぞれのペアが最後にお互い理解できたのが良かったです。
 

かなりのめり込んで見れる作品だと思います。推薦に値する作品です。

 

 

 

 

 

 

監督 生野慈朗
脚本 安倍照雄
清水友佳子
出演者 山田孝之
玉山鉄二
沢尻エリカ
吹石一恵
尾上寛之
吹越満
杉浦直樹
 

良い映画です。原作は東野圭吾さんの『手紙』です。ラストシーンで泣いてしまいました。正直なところ、頭が空っぽであり、感想も思いつきません。加害者家族に焦点を当てて、描いているところが新鮮でした。武島直貴がどの職場やコミュニティに行っても、強盗殺人の加害者である兄の武島剛志の存在によって、うまくいかず物に当たり始めるシーンはなんともやりきれない思いに私もなりました。

 

「罪を犯した先のことを想像できなかった。」

 

武島剛志の敗因はこれに尽きると思います。短絡的な思考で行動してはいけないということです。武島剛志が緒方忠夫に6年間手紙を書き続けたのは、罪を償いたいという思いもあるでしょう。しかし、緒方忠夫に謝り続けることによって、自分が楽になりたい思いや罪悪感から解放されたい思いもあったでしょう。

 

白石由実子が勝手に名前を騙って手紙を出したシーンは非常に腹立たしかったです。武島直貴が物に当たった時、白石由実子が「これで、満足した?」と落ち着いて発言するシーンがかなり印象的でした。普段から武島直貴が物に当たっているのがよく分かるシーンです。

 

中条朝美が顔の傷を負ったのは、武島直貴と全く関係ありません。しかし、中条朝美の父に武島直貴が怒られ絶縁を申し出られるのは可哀想でした。そういうことが続くと、武島直貴が自暴自棄になってしまう理由もわかります。

 

ラストシーンである漫才は、展開としてベタではありますが、とても感動しました。エキストラの囚人の方も泣きそうになるのをこらえていたのが印象的でした。

 

ベタな映画ですが、良作であり感動作でもあると思います。

 

 

 

 

 

 

現在Netflixで配信されているバラエティ番組です。エピソード11まであり、全て見させていただきました。様々な種類のクズの方々が出演されています。借金だったり、女性関係だったり、ギャンブルだったりと色々です。

 

本番組のコンセプトは、「自分よりまだマシな人を見て安心する」ということらしいです。コンセプトもクズです(笑)

 

偶にクズではなく、今の辛い状況にしがみつこうともがいている人もいました。クズの方に密着する番組です。よくバラエティ番組で見られるのは、芸能人の一日に密着したりといった番組です。一般人のクズの方に密着するというのは、なかなか新鮮な気持ちで見ることができます。

 

特に年を召したクズの方は哀愁もかなり出ており、何か心に訴えかけるものがあります。是非視聴してください。

 

 

 

↓こちらは、クズの密着ではなく、とろサーモンがM-1優勝するまでの軌跡を映しています。

 

↓こちらが、クズメンタリーのリンクです。