監督 | 生野慈朗 |
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脚本 | 安倍照雄 清水友佳子 |
出演者 | 山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ 吹石一恵 尾上寛之 吹越満 杉浦直樹 |
良い映画です。原作は東野圭吾さんの『手紙』です。ラストシーンで泣いてしまいました。正直なところ、頭が空っぽであり、感想も思いつきません。加害者家族に焦点を当てて、描いているところが新鮮でした。武島直貴がどの職場やコミュニティに行っても、強盗殺人の加害者である兄の武島剛志の存在によって、うまくいかず物に当たり始めるシーンはなんともやりきれない思いに私もなりました。
「罪を犯した先のことを想像できなかった。」
武島剛志の敗因はこれに尽きると思います。短絡的な思考で行動してはいけないということです。武島剛志が緒方忠夫に6年間手紙を書き続けたのは、罪を償いたいという思いもあるでしょう。しかし、緒方忠夫に謝り続けることによって、自分が楽になりたい思いや罪悪感から解放されたい思いもあったでしょう。
白石由実子が勝手に名前を騙って手紙を出したシーンは非常に腹立たしかったです。武島直貴が物に当たった時、白石由実子が「これで、満足した?」と落ち着いて発言するシーンがかなり印象的でした。普段から武島直貴が物に当たっているのがよく分かるシーンです。
中条朝美が顔の傷を負ったのは、武島直貴と全く関係ありません。しかし、中条朝美の父に武島直貴が怒られ絶縁を申し出られるのは可哀想でした。そういうことが続くと、武島直貴が自暴自棄になってしまう理由もわかります。
ラストシーンである漫才は、展開としてベタではありますが、とても感動しました。エキストラの囚人の方も泣きそうになるのをこらえていたのが印象的でした。
ベタな映画ですが、良作であり感動作でもあると思います。