【追記あり】格安DVDのスターたち | 映画の楽しさ2300通り

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「古い映画」を格安DVDセットで観ることをおすすめしてきましたが、タイトルを聞いたこともない作品のDVDを、ただ安いからといって買って観るのも勇気がいります。
だれが主演しているかで観る映画を選ぶ人も多いなか、格安DVD映画にはどんなスターたちが出演しているのかは気になるところでしょう。

以前の記事に書いたように、格安DVDは著作権保護が切れた1953年以前の公開作品が多いので、男性の主演俳優たちは勢い1930年代から1950年前後に活躍したスターたち、生年でいえば1900年前後から1910年代生まれの人々になります。以下、主だったところを生年順にリストしました。()内は生年です。

このの世代のスターたちは、西部劇がアメリカ映画の主力分野だったこともあって、格安DVDに頻繁に登場します。ランドルフ・スコット、クープ、マクリー、デューク(ウェイン)、ステュアートは西部劇系、G・ロビンソン、ボギー、キャグニーはギャング、サスペンス系が主で、1910年以降生まれのスターは両方に出演しています。
アメリカ以外がただひとりギャバンだけなのは、自分が古いフランス、イタリア映画をあまり観ていないせいです。

一方女性の方は、目立って出演作が多いスターはいないように見えますが、これはこの時代の娯楽映画が主に男性を主体としたストーリーであり、多くの場合女性には補助的な役割しか与えられていないことが大きいように思います。
収録作の多い主なスターは次の通り。

  • ジーン・アーサー(1900)
  • アンナ・マニャーニ(1908)
  • イングリッド・バーグマン(1915)
  • ローレン・バコール(1924)
  • マリリン・モンロー(1926)
  • シルヴァーナ・マンガーノ(1930)
  • エリザベス・テイラー(1932)

男性に比べ年代が若いですが、前述の通り補助的な役割が多いことも理由でしょう。20年代以降のモンローやテイラーもいますが、収録作品をみると見事にほぼ全作品が1953年以前に公開されています。
モンローに至っては、ほぼ端役と言える「イヴの総て」「アスファルト・ジャングル」も収録されているのは苦肉の策でしょう。
 

上に挙げた俳優たちはスターの名に恥じず、それぞれの作品の中で輝きを放っています。

作品としてはどうかな?と思われるものでも、スクリーン上で輝くスターたちを見ているだけでわくわくするものを感じます。それが高じて作品説明の中に彼らの名前を見つけるだけでわくわくし始めてしまう、そんな罪作りなDVDセットなのでした。

 

【追記】

この記事を読んだクラシックファンの方から、なぜ1901年生まれのクラーク・ゲーブルと1905年生まれのヘンリー・フォンダが含まれていないのか、という質問(指摘)がありました。

 

クラーク・ゲーブルは、同時代の男優に比べ西部劇やギャング映画への出演が少ないから、ヘンリー・フォンダもそこそこ出演してはいるが、例えばクープ、デューク、ジミー・ステュアートほどではないから、というのが理由ですが、指摘を受けてコスミック出版のDVDコレクションのラインナップをよくよく見てみたところ、少なくない数の出演作が含まれていることを確認しました。一部を紹介します。

 

クラーク・ゲーブル

  • テスト・パイロット
  • ブーム・タウン
  • 冒険
  • ミズーリ横断
  • モガンボ
西部劇が少ない、と書きましたが、上記のうち「西部劇パーフェクトコレクション」に収録されているのは「ミズーリ横断」のみで、「モガンボ」は「魅惑のハリウッド映画」に、残りは「冒険映画傑作コレクション」に収録されています。コスミック出版のDVDコレクションにあとどれだけ収録されているかは未確認ですが、「風と共に去りぬ」「桑港」「或る夜の出来事」などが格安DVDとして他社から発売されています。
 
  • アパッチ砦
  • 暗黒街の弾痕
  • 牛泥棒
  • 丘の一本松
  • 荒野の決闘
  • 地獄への道
  • 地獄への逆襲
フォンダの場合は「暗黒街の弾痕」が「サスペンス映画コレクション」に、そのほかは「西部劇パーフェクトコレクション」に収録されています。これだけあるならやはりリストアップしておくべきでした。ご指摘ありがとうございます。