健康で思いやりにあふれた社会は、息苦しい!? | チャンクロブックスー教養人への冒険

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おすすめ度5 今こそ読むべき。
難易度2
 
夭逝の天才SF作家の代表作。
 
ストーリーとしては以前投稿した『虐殺器官』のあとのストーリーと位置付けられる。
 
 
人類は戦争の悲劇を知りすぎて、その反動で健康で幸福な監視社会に振りきる。
 
Watch meなるアプリが成人にはインストールされ、逐一健康をチェックをされ、健康に悪いことが徹底的に憎悪されるようになった結果、誰もが健康で思いやりのある社会に変貌する。
 
「健康を何よりも優先すべき価値観とするイデオロギーの許に、人体は医療分子で精緻に分析され、リアルタイムにモニタされ、己の健康を常に証明し続けなければならない社会。健康のために自らを厳しく律することが平和と協調を生むと皆が信じている社会。」伊藤計劃『ハーモニー』早川書房、p341。
 
 

*プラトンもびっくりな国家論です~。

 

 
だが、そんな社会に息苦しさを覚える人間はいる。
 
主人公もその一人。
 
「真綿で首を絞めるような、優しさに息詰まる世界」
 
この社会の優しさに嫌気を覚える主人公はミステリアスな女友達に一緒に死のうと言われ、自殺しようとするも失敗した過去を持つ。
 
そんな彼女はこの世界に適応したふりをして、上級役人として活動する。
 
そして、こんな平和で幸福で老衰以外死ぬことのなくなった世界で自殺が大量に発生する事件が起こる。
 
この謎を追っていくなかで、この健康で幸福な世界の壮大な秘密に迫っていく。
 
みんなが調和のとれたハーモニーのある世界は人間にとって何を意味するのか?
 
健康至上主義の社会は技術進歩があと少しあれば十分可能なところに我々はいるのではないかと思えてしまうから、このSFは恐ろしく、また健康とは何か、幸福とは何かと哲学させられる。
 
哲学はただ生きるのでなく、善く生きることを目指す。
 
ただ生きることが十分にできるようになった社会でも哲学の必要性は色褪せないようだ。
 

*ただただ「善」にあふれる社会はハクスリーの描くディストピアですね。

 

*僕は一貫して、「健康」を過剰に求める姿勢には批判的です。

 

 

 
 
 

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