おすすめ度5
難易度2
夭逝の天才SF作家の代表作。
911以後の戦争がどのようなテクノロジーで展開されていくのかがリアル。
監視社会+感情調整+カウンセリング+無機質な殺戮機械を組み合わせた兵士の戦争はターゲットを淡々と仕留める。
痛いことを認知しても、痛みは感じず、良心のストッパーが押さえられているので必要とあらば子供を殺す。
人の意志は殺しに必要なく、機械のごとく殺していく。
こんなテクノロジーに支えられた平和は平和と言えるのか?
虚構の平和なのではないかと考えさせられる。
さて、そんな殺戮マシーンの主人公クラヴィス・シェパードは自分のやっていることに疑問を抱きつつ、虐殺王ジョン・ポール暗殺のミッションを受ける。
虐殺王ジョン・ポールは発展途上国を紛争へと導く悪魔。
だが、この悪魔はインテリ言語学者。
虐殺の文法を発見し、それを用いて混乱を巻き起こす恐い存在。
虐殺の文法はストーリー上なんなのかは詳しく解説されないが、この文法は実在するのではと想像させる力がこのストーリーにはある。
ということは、虐殺器官は僕らのうちに潜む暴力性を抉ってくるとも言えるのだ。
人類がなにゆえ戦争をここまで続けてきたのか、また戦争は防ぎうるのかという本質的な問いを、僕ら人類は戦争を本能的に欲しているのではないかというところから考えることを要求するのだ。
著者はいったい何を「計画」してこのようなストーリーを書いたかぜひ考えてもらいたい。
*著者は最近の科学に依拠していることが解説で書かれていましたね!
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