岩井三四二くんの『とまどい関ヶ原』を読みました。
 
とまどい関ヶ原/岩井 三四二
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「大根を売る武者」
徳川方の武将池田輝政は上杉征伐から
上方へ引き返し、石田三成を討つこととなった。
家臣野中市左衛門は、大阪屋敷への注進を命じられ
朋輩の渡辺惣左衛門と共にお伊勢詣りの帰りと偽って
大坂方の関所をなんとか通り抜けたのだが……。
 
「草の靡き」
いよいよ合戦が始まった。
600人の兵を出し大坂方の陣についた朽木家。
だが、同じ大坂方の小早川秀秋が予想どおり裏切り、
大谷吉継の陣に向かった!
今、ここで小早川の横腹を突けば戦いの帰趨は
わからない……。
わずか600の小勢の動きによって
日本の運命変わったかもしれない瞬間が、確かにあった。
 
等々、関ヶ原の合戦前後の人々を描いた短篇全8編。
他に、「百尺竿頭に立つ」「松の丸燃ゆ」、
「日本一幸運な城の話」、「すべては狂言」、
「敵はいずこに」、「十九歳のとまどい」を収録。
 
 
岩井三四二くんは、小者、というか歴史上あまり有名でない人々
の活躍を描かせたら今一番の書き手でしょうね。
 
そろそろ直木賞を取りたいところです。
そのための気合いの入った長編を待ちたいと思います。
 
 
評価 ☆☆☆
 
 
これまでに読んだその他の岩井三四二の本
 
城は踊る  ☆☆☆
鹿王丸、翔ぶ  ☆☆☆☆
あるじは信長  ☆☆☆
覇天の歌  ☆☆☆
理屈が通らねえ  ☆☆☆
一手千両  ☆☆☆
はて、面妖  ☆☆☆
琉球は夢にて候  ☆☆☆
 
 
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