おはようございます、沙久良です
お待たせしました、鹿の王の末裔の続きです さて、どこまでつづくんだろうねぇ?私も謎だわ
相方がよく描きたいものを詰め込んで行ったら、予定よりもページ数多くなったと言っていたけ(そして自ら締め切り間際に増やすってアホだなこの子って思っていた)、私の場合はブログ記事の回数なのかしら… まあ、本のする予定もないし、書けるだけ書こうと思います。
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宇部神社参拝後に道の駅清流茶屋かわはらで美味しいカレーを食べ、
周辺神社の情報を集めてから向かったのは、
川向うに鎮座する賣沼神社
「前参拝した時にはなかった石像があるわ。」
へぇ~と眺めた後、
なぜかこの看板のラブロマンスという文字を見て、笑いが止まらなくなった
「だ…、だめだ…ッ、ラブロマンスがツボに入った!やばい、腹が痛い!笑いが止まらん!」
ひぃひぃ笑いを抑えながら参道を歩き、息を整えようとしたが時折思い返してはまた吹き出す
「ゆうほりん、大丈夫?」
「大丈夫…ではないかもしれない、あははははっ!」
笑い過ぎて苦しい 絶世の美女八上姫はそうだろうなと思いつつも、八上姫に恋した大国主命がという所もツボに入っていたらしい
(いやいいんだ、その方が愛と祈りの聖地の文言には相応しい。相応しいけど、この場合は八上姫が大国主命に恋した方が正解なのかもしれない。熱烈な姫なんだね、八上姫。)
笑い過ぎて涙も出たが、その情熱的な恋の物語は嫌いじゃない。むしろ好きだ。その求愛を受けた大国主五日がどんな顔をしたのだろうかと、想像すると本当におかしいと思った 神代の女性の地位は結構高いのだ
手水にはマリーゴールドが活けられていた イエローとオレンジなので、花言葉は『健康と変わらぬ愛』
それがまた私のツボに入って吹きだす
(季節柄だからなんだけどね、マリーゴールド、変わらず愛してるんだね。八上姫神のようだわ。)
笑いながらも微笑ましいとも思った
鳥居を一礼してくぐり、参道を進む
光満ちる境内は、八上姫神の朗らかな愛で満たされていた
子抱き狛犬にも挨拶をしてから、
輝く神社に参拝
コロコロと鈴の音のような笑い声が響き渡った もしかしたら、笑い過ぎる私が八上姫神には面白かったのかもしれない
なんとなく、女子特有のシンパシーを感じ、おかしいですよねと呟いた
『今と神代では婚姻の意味が違うから。婚姻は国造りの一つ。血と血を繋ぎ、子を作り、次へと繋げる役目。そこに今のような恋愛感情があるかといえば、どうなのかしらね?気持ちなんて伴わない内に閨を共にだから。そこから愛情は芽生えていくけど。でも…。』
(でも?)
『好みだったわ、あの顔。そう思うと私の一目惚れかも。ふふふ。』
(ああ、分かります、綺麗な顔の少年ですものね。)
『そうなの、男くささを感じさせないのがね、なんだか良かったのよねぇ。』
(うんうん。)
神社で女子トーク 何度か参拝する内に、すっかり八上姫神と友達になった気分だった
大国主命の兄神達・八十神たちだって美形だったと思う。けれど、きっと性格の悪さが顔に出ていたのだろうなとも思う。どんなに笑顔で取り繕おうが、はやり滲み出る内側というのはある。八上姫神なら、それを素早く見抜いただろうし、様子も伺っていた事だろう。なんと賢き姫神なのだろうか
この神社のように、見た目は綺麗に整えられて可憐さも漂わせてはいるが、その実土台はしっかりとした磐座。八上姫神は麗しくも可憐な姿の下に、しっかりと八上の地の名を冠する姫としての矜持も度量も持っているのだ
(八上姫、実はお願いがありまして…。)
『何かしら?』
苔やキノコも豊かに生えているこの境内、それを見て楽しんでいるぽにょちゃんを置いといて、本殿に近づいて八上姫神に話しかけた
(水の力をお貸しください。)
そう伝えると、八上姫神は真っすぐにこちらを視られ、静かに頷かれた。
『私の力が必要なのですね。それはもちろん助力いたしましょう。八上の地を治める姫大王(ひめおおきみ)、この瀬織津が。』
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瀬織津姫神とは縄文の隠された女神。男神の天照大御神の妻神とも、流れ落ちる水の瀑布を表した名などとも謂われる。日本各地に祀られてはいるが、山陰だとこの鳥取県因幡地方に多く集中する。また、先ほどの道の駅清流茶屋かわはらでも聖地巡礼案内にあったように、兵庫県の六甲山方面に向けて瀬織津姫神を祀る神社は多くあり、八上姫神=瀬織津姫神という説もある。因幡地方には、白兎が天降った天照大御神の着物を引っ張って道案内をしたという白兎伝説もあり、天照大御神と瀬織津姫神に関連のある土地だ。
その辺りは今回関係はないので詳しくは書かないが、そういった事もあり、私は因幡での瀬織津姫神は世襲制で八上の姫がその名を継いでいたのではないかと考えた。あくまで私の想像でしかない。
本当の瀬織津姫神がどんな存在かは分からない。宇宙と繋がる姫神なのかもしれないし、大きく偉大な白龍なのかもしれない。はたまた異星人なのかもしれないし、異世界人なのかもしれないが、現在は何事もマルチバースな世界観が流行りなので、ここは八上を治めた姫大王が瀬織津姫の名を世襲したで進めよう。
時々、様々な過去世の記憶を持つ人がいて、それぞれの記憶も世界観も違うけれど、それはどれも正解で、それぞれに違う世界の過去を生きたのではないかと思う事がある。違う世界を生きて今に転生し、それぞれにまたそれぞれの世界観で生きている。考古学ではないので、きっと正解がどれであるかは照明は出来ない可能性が高いし、もしかしたらそのどれかがこの世界に繋がる過去として正解なのかもしれない。
けれど、世界は交わってもまた離れる螺旋のようなものだろう。一時出会い、その違う過去世に触れても、またそれぞれに違う世界を生きる。いや、違う次元を生きるが正解なのかもしれない。けれど地球が丸い様に、次元が球体だとしたら、グルグル回せばどの面も上になり下になりで比べられるものでもない。なので、自分が好ましいと思う世界で生きれればいい。それが人それぞれの幸せなのだから。
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ありがとうございますと伝え、その水の御神氣を授かる 鸞への謝罪に水の御神氣を持って行くのだ。
『貴女方なら大丈夫、道は全てあの御方が整え敷いてある。それを進めばいいわ。』
(はい、そうします。)
『…はぁ~、それのしてもあの御方、少年の頃も綺麗で素敵だったけど、歳を重ねても素敵だと思わない?若い頃にこの地へと子を連れて戻ってしまったけど、ずっとお傍でみていたかったかも。』
(う~ん、私としては歳を重ねた渋みのある方が好みですねぇ。)
『そう、好みってそれぞれよねぇ。』
(はい、それぞれですね。)
そしてまた目を合わせ笑う 女子同士の秘密の共有はなかなか楽しい
またお礼を伝え、本殿をぐるりと回った
静かになった本殿を見上げる。風景は同じでも、神の世界から人の世界へと戻った様だ。身近い間の次元の旅のようだなと思いながら、キノコを撮影しているぽにょちゃんに声をかけた。
「なになに、ゆうほりん?」
「いや、終わったよと伝えただけ。」
「そうなの?ここ、素敵な神社ねぇ。キノコも苔もいっぱい!次のアクセサリー作りに向けて、創作力が湧くわ!」
「それは良かった。」
ニコニコと良く笑い、目を輝かせて自然を楽しむぽにょちゃんを置いて、1人川の側に向かった 台風も近づいており、道を間違えて折り返した用瀬インター付近では強風が吹いていたが、ここはとても風が穏やかで川面も水鏡のようだった。
(水の女神・瀬織津姫神が治める地だからこその穏やかさなのかな。やっぱり祀るって大切。)
この世は目に見えるものが全てではない、そう改めて思い、神社を後にした。
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「昨日の夜のデザートの苺ブラウニー、私、道の駅で見たんだよね。」
再び鹿野町へと戻り、道の駅西いなば気楽里に寄って買い物をしながらぽにょちゃんに話しかける。
「そうなの?私、気付かなかった。」
「あれ、気付かなかった?確かね、こっちのガラス面のお菓子売り場の上段にピンクのパッケージで個別販売みたいになっててね、横には黄色の同じパッケージがあったから、あれが普通のブラウニーなのかなとおもうんだけど。」
そう言いながら、この夜の晩ご飯などもカゴに入れつつ向かった
「……ない。」
昨日ブラウニーを見た場所に行ったが、苺のブラウニーも普通のブラウニーもなかった。
「おかしいな、確かにここで見たんだけどなぁ。ブラウニーお土産物って珍しいなと思いながら、手には取らなかったんだよね。」
「そうなんだ、他の場所に移されたのかもよ?」
「探してみるか。」
地産地消のお菓子のコーナーもあり、そちらに地元の焼き菓子やパンなどが陳列されていたので向かったが、何度見てもなかった。再び前日に見た場所に戻ったがないし、他の売り場にもなかった。それどころか、そもそもそんなものは元々ないという陳列の仕方だった。
「ネットで調べてみるかなぁ…。苺も名産で売り出しているし、苺MILKとかお土産も苺ものあるしね、売り切れなのかな…。」
その後、ネットで検索したが、そんなブラウニーなどどこにもなかった。
「…私は何を見たのだろう?」
諦めて移動する車内でぽつりと呟くと、きっと未来を見たんだよとぽにょちゃんが笑いながら言った
「未来…、いや、未来じゃなくてあの時私、無意識に次元越えてるわ。思い返すと、そのブラウニーの一歩手前に踏み入れた時、なんか空気変わって一気に音がしなかったのよ。だって人気の道の駅で、音楽もかかってるじゃない。音楽も人の雑踏もなくて、ただその苺ブラウニーだけが目立ってたのよ。」
「そうなんだ!ゆうほりん、すごいね!」
「すごいかどうかは別だけど、その苺ブラウニーに何の意味があるだか。謎。」
どうやら道の駅で普通にマルチバースな世界を体感していたらしい
「たまにあるんだよね、こういう事。でも、誰かと一緒に行って、後で話してみないとそれが違う次元だったかが分らん。」
「これは事件だよ、ゆうほりん!苺ブラウニー事件だ!」
「そうだね、密かな苺ブラウニー事件だね。あの道の駅お菓子売り場には、次元の境目がある…。」
思わぬ次元の境目に迷い込み、そして無事に出られたことにほっと胸を撫でおろし、次なる神社へと向かった
続く~
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