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安倍総理は国民に謝罪してまで一旦は決めていた「減収世帯への３０万円給付」を「国民１人１０万円の給付」に変更した。
自身が謝罪することで国民のために実をとったのである。
考えられる理由はいくつかあるが、一番はこれだろう。
減収の事実確認が必要な「減収世帯への３０万円給付」では急増する生活困窮者の手元に届くのが遅くなる。緊急事態宣言を出せば影響を受ける人の数は大きく増えるから、給付金が届くまでにさらに時間が掛かることになる。
そこで、３カ月かかるとされていた一律給付をもっと早く出来ないか再検討させたら１か月で出来ることが分かった。だから、感染収束後のＶ字回復の切り札と考えてきた一律給付を前倒しすることができたのだ。
山口委員長の直談判で急遽変更したように見えるが、そのつもりで根回しも含めて準備させていたはずだ。そうでなければ、あれほど短時間で閣議決定までした政策の変更を財務省など関係者に納得させ記者発表まで持っていけるはずがない。
準備や根回しの結果が最初に表に出てきたのが１４日の二階幹事長の突然の「１人10万円支給」要求だ。
あの頃には一律給付に切り替えることを決めていたのだろう。
そう考えると、安倍総理が田原総一郎氏との面談で「給付は一回きりではなく、回数を重ねることは十分ある」と語っていたのも意味深だ。
当然、安倍総理はあの段階で腹を括っていたはずだ。
さて、外出自粛の効果が分かるのは２週間後と言われるが、東京、大阪など７都道府県に緊急事態宣言が発出されてから19日の時点で１２日目となる。
まだ２週間は過ぎていないが、新規感染者数の推移を確認してみた。
おっ！ もしかしてピークを過ぎたのか？
と、喜ぶのはまだ早すぎるが、いまのところ東京、大阪など７都道府県が自粛要請した効果が出始めているように見える。
しかも、７日の緊急事態宣言からまだ２週間立っていない。
さらに、緊急事態宣言の対象を全国に広げたのは１６日の夜のことだ。
つまり、これらの強い措置の効果が本格的に表れるのはこれからなのである。
もっとも、当ブログでは３月半ばに新規感染者数が少し減り始めたころに、これで感染拡大のピークが見えてきたと楽観的な見方をしていた。
コロナ流行の終息はいつ？ 2020-03-11
https://ameblo.jp/akiran1969/entry-12581361420.html
もうひと頑張りで先が見える 2020-03-17
https://ameblo.jp/akiran1969/entry-12582734395.html
３月半ばに減少に転じたのは、専門家会議は2月25日に「これから１－２週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解を発表し、それをうけて、2月29日に安倍総理は大規模イベントの自粛と学校の春休みまでの臨時休業を要請した効果が表れたからだ。
ところがその後、海外からの帰国者経由の感染が増え、さらには居酒屋やナイトクラブ、カラオケなど、感染ルートを特定しにくい場所での感染者が急増し始めたのである。
また、花見シーズンに入った3月20日からの3連休以降の外出者の多さも指摘されている。
そこで、東京都が独自に不要不急の外出自粛要請を出したり、大阪府、兵庫県も往来自粛を呼びかける（大阪と兵庫は20日からの3連休でも実施）など、より強いメッセージを発するようになったのである。
上記のグラフで見る限りその成果はあったようで、2週間後くらいから徐々に新規感染者の増加は止まり始めている。地域によってばらつきはあるものの、いまのところ爆発的感染拡大は回避できていると言える。
緊急事態宣言を出す前の呼びかけでも外出や人との接触を自粛する人が増え、それが感染者数増加を抑えることにつながったのだ。
つまり、このまま収束に向かうかどうかは、これからの私たちのふるまい次第なのである。
そういうタイミングで安倍総理は緊急事態宣言を全国に広げると発表した。
そして、3月の3連休における「緩み」にまで言及したうえで、国民にコロナ疎開やゴールデンウイークでの移動の自粛などを強く要請したのである。
また、多くの業種の休業を伴う緊急事態宣言は、そこで働く人たちの雇用や収入に外出自粛とはけた違いの影響を与えることになる。
そういうことを総合的に判断した結果が今回の方針転換なのだ。
緊急事態宣言からほぼ２週間が過ぎたが、安倍総理が全国の学校の一斉休校を要請したときに「緩み」が出始めたのもそのころだった。
ここは、もう一度気を引き締めて自粛生活を頑張ろうと思う。
（以上）
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