ハロウィン肖像画Ⅳ−38 「祝福の舞い」かをる(愛知県) | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。



小笠原かをるは、教師であり、現代舞踏の演出家であり、AKIRAライブの歴史的なイベントを主催してきた。


今年2024年5月25日(土)、26日(日)兵庫県西宮市「癒し森のカフェレストランAlice」にて、メディテーションライブ、セルフストーリーオペラ「虹の輪」か「スーおじいさんのライフレッスン」の新企画にはぜひ全国からかけつけてほしい。
会場の大きさから20〜25人で食事やカフェ付き
森の散策有 近くに有馬温泉
主催:八濱孝美&小笠原かをる

過去の企画
2022年3月 広島県仙酔島AKIRA合宿
1日目

2020年6月 三好ソーランボンバーズ20周年記念

この絵は今までも具体的場所ではなく、ステージという抽象的な舞台だ。
スポットライトを浴びた花々が降り注ぎ、かをるのクリエイティブな人生を祝福している。
かをるは満面の笑みを浮かべながら優雅な舞を踊っている。
サンスクリットの言葉に「宇宙はひとつの歌だ、踊りだ!」という言葉があるが、かをるの人生そのものがひとつのダンスだった。
コンテンポラリーダンスの女王ピナ・バウシュやイスラエルの現代舞踏に魅了される。
この絵のかをるのムーブメントはピナ・バウシュのダンスである。
かをるの右腕には「PINA LOVE」とオマージュ(敬意)が描かれている。

ついにかをるは生涯の師匠ヴォルフガング・シュタンゲ(1947年ベルリン生まれ)と出会う。
ヴォルフガングは1970年代前半、精神科の患者、知的障害、卒中、身体障害、心臓疾患の人々にダンスを教え、「ダンス・ダイナミクス」という、革命を起こした。
今までダンスとは認められなかった障害を持つ人たちの身体の動きに美を見出し、新しい芸術を生み出したのだ。
健常者も障害者もお互いのちがいを敬い、分かち合い、学び合う。
ダンス・ダイナミクスは、既成の芸術観を越え、人間が生きることの根元まで到達する。
「障害と芸術に対する今日の社会で支配的な見方から解放されたそのとき、創造の過程に立ち合うことができるのだ」(ヴォルフガング・シュタンゲ)


かをるは自ら変わる子供たちと三好ソーランボンバーズを結成し、たくさんのイベントに出演する。
20 人ほどのメンバーは知的障がいやダウン症の子もいるし、健常者もいる。
演出家かをるは、障がいのあるメンバーをgifted(ギフテッド)と呼ぶ。
それは神様から特別な才能を贈られた者という意味だ。
ギフテッドは人を幸せにするためにやってきた「ゆかい星人」であり、神様からもらった贈り物を人々に与えるサンタクロースでもある。
この絵の背景にはかをるが演出したボンバーズの思い出の舞台が走馬灯のように浮かび上がる。
左下には偉大なクリエーターかをるを産み育てた両親の顔がある。
かをるのフェイスペインティングはボンバーズが舞台で使ったものだ。

では、かをるが自ら書いたライフストーリーを紹介しよう。


小笠原かをる
出会いと別れ 失敗と後悔の繰り返し。
だからこそ、誰もが自分らしく生きる優しい世界をつくりたい。

①母が命懸けで産んだわたしという命。小さい頃は病弱だったわたしが水泳に夢中になって、負けず嫌いな保健体育の先生になった大阪時代。やんちゃな子と対決の毎日。
大阪で生まれ育った。母は気が強く、情にもろい、美しいひとだった。父は葡萄農家の次男で集団就職で大阪に来て、松下電器のエンジニア、頭が良く優しい人だった。職場で母に一目惚れして、手紙を書いて書いて書きまくって、心を掴んだらしい。母は心臓が悪く、子供を産むのは無理だろうと言われた中、わたしを産む。産んだ後入院生活を続け、母のおばあちゃんと兄妹に育てられる。わたしも小児喘息があり、大変だったようだ。大人にチヤホヤされながら育ったと思う。甘えただけど、母を守ると決めていた。

私が小学校に上がる前に、女性も経済的自立を目指して、母は洋服の仕立てと洋裁教室を開く。大盛況だった。その頃、父はエンジニアとして認められつつ、出世競争に敗れ、自殺未遂。そして離婚。男女の関係はよくわからないけれど、1年半後、復縁。しかし関係は冷え切って、ギクシャクしていた。父は自信をなくしていた。

私は、病弱ながら、お転婆な子だった。母の洋裁教室が終わるのが21時すぎ、それまでは、近所の家で夕食をご馳走になったりしていた。中学校から部活に目覚め、文武両道を目指して青春中。

先生や先輩に恵まれ、気づいたら中学校の保健体育の先生になっていた。
時は校内暴力真っ盛り。やんちゃな子たちを抑えること、部活動で大阪府で成績を残すこ
とだけを考えて奮闘。
睡眠時間4時間。朝6:30に家を出て、家に着くのが24:00をまわっていた。それでも青春していた。けれど、ここで見てきた底辺層の人間関係は、先生ごときが何もできない、何もしてあげられないという悲しく辛いものも多く、ひたすらもがいた。苦しかった。必死で出来ることをやり続ける。偏った正義感は強かったと思う。
仕事と部活に命をかけていたので、母は縁談を持ちかけた。わたしは恋愛はしても結婚には関心はなかった。親の夫婦仲をみていたからかな。冷めていた。


②30才母の突然の死。母を助けられなかった後悔と罪悪感。
結婚して、大阪から愛知へ。特別支援教育に出会い、再び先生になる。
わたしが30才の冬、母は入浴中に心不全を起こし、湯船に沈む。わたしが発見し全て処置するが、助けられなかった。わたしはしくじったと思った。今まで心臓の発作を起こしても死ななかったから、死なないと思っていた。長い間わたしが助けられたはずと自分を責め続けた。はじめて誰が悪いわけでもないのに、辛いことが起こる理不尽なことが起こることを体験し、壊れる。
仲間や生徒がいたから仕事があったから気丈に振る舞えた.人前では泣けなかった。
わたしを支えてくれた今もパートナーと結婚して、父を置いて仕事もやめて愛知に嫁ぐ。勢いは怖いもので婚約は破談にした。なんて無情な私。

そして、ご縁があったのか、母が引き寄せたのか、再び教員として採用される。今まで触れてこなかった障害を持つ子供たち ゆかい星人の型を持たない教育に出会う。家庭をもって子育てしながら働くには、最高の条件の仕事。
家を7:00に出て、18:30には保育園に迎えに行ける.プライベイトの時間が確保できた。結婚生活は私のこころの波によって不安定で、相手への思いやりは、少なかったと思う。どこか2人なのに、ひとり。感情の波は大きく、離婚を決意することも度々


③ゆかい星人やダンスダイナミクスの師匠ウォルフガングとの運命の出会い。教師業と志事に一喜一憂し、キテレツな学びの日々。
母の死の喪失感と空虚感に蓋をしつつ、教師業や子育てに必死で取り組む。
ダンスの師匠ウォルフガング、シュタンゲのワークショップを受け、その人のもつ美しさを引き出して、即興で世界をつくっていくダンスダイナミクスに魅了される。それはダンスだけでなく、生きることあり方の既成概念がぶち壊された。ウォルフガングを追いかけて、スリランカやイキリスまで行った。
今更ながら仕事や家庭があって、どうやって言っていたんだろう。私の行動力を支えてくれる人がたくさんいたんだなって思う。有り難いとは当時は気づかなかった。ピナバウシュやイスラエルのコンテンポラリーダンスにも夢中になる。美しさというより肉体による感情表現に心を奪われる。
そして、ゆかい星人の魅力を発信したくて、三好ソーランボンバーズというチームをつくる。2024年で24年目。創るのは好きだが、人を束ねようとした私は人間関係に病む。ゆかい星人がつなぎストで導いてくれているのに、私は「みんなちがって みんないい」と言いつつ大人同士の関係において、無意識にチカラ関係に執着していた。
夫婦関係親子関係も流石にいろんなことがありすぎて書けないけれど、葛藤だらけでした。
仕事は学びの場だけれど、派閥争いで管理職への道は選びたくなかった。
どちらにしても、人恋しいけれど、ひとりが落ち着く。
客観的に書くとめちゃ愚かな自分が浮き上がる。笑えるなぁ…
そして母の死後28年経って父を見送る。母と同様 実家で心不全で倒れているのを第一発見する。死後1日 ちゃんと呼んでくれて、ありがとう。

④2020年新型コロナ感染症のパンデミック。人と人の心の距離の分離官に心を痛める。現在ネクストステージに向けてお試しの連続。
2020年がチームの20周年で2年前から計画していたが、コロナで一旦中止になる。思考停止になったチームのメンバーに語るが、無言無反応で、信頼ができなくなるほど追い詰めたれ、孤立する。自殺未遂。パートナーと AKIRAさんにサポートされ、形を変えて、20周年ライブをやり切る。その後一旦チームを離れる。2022年活動再開。 AKIRA合宿 てんつくマン合宿を仙酔島で行う。
2023年3月に39年続けた教師業を一旦終える。何もしない生活をしながら、毎朝朝陽に向かって踊っている。スリランカで生活、念願のイスラエルの旅をして、人生の旅を楽しんでいる。
失ってあるもの探しができるようになって、感謝の気持ちも素直に伝えられる今日この頃です。(以上かをる筆)


かをるいわく、「マジでこの絵はイェーイ!(遺影)に使います!」
まさに天才演出家かをるの命がけの創造が凝縮された絵画となった。


ハロウィン肖像画Ⅳ➖37、渡辺至宏(F15号。652×530mm


1月21日かをるのライブペインティング動画

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1526829144780494&id=100000789583722


1月23日かをるのハロウィンメイク動画

https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=3723423551211281&id=100000789583722


★ハロウイン絵画Ⅴ 1名募集!

2024年7、8月タイで描いてくるハロウィン肖像画限定5名に、

甲斐美香(神奈川県)、宇野紀和子(岐阜県)、むつみ(オランダ)、えみ(北海道)が決定しました!

4名が決まったので、空席はあと1名です。

くわしくはこちらのブログを参照してください。



★15th ネアリカフェスのメモリアル動画(1時間)が完成しました。

さとうみつろうさんとの対談とコラボ演奏、ネアリカ制作、受賞作品発表など盛りだくさんです。



★AKIRAのウィークリーVログ