喪失体験は賢者の贈り物@札幌 | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

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人は失ってはじめて、その大切さに気づく。
オレはがんで余命宣告されたときに初めて、自分の日常が「奇跡」でできていたことを思い知った。
くりかえされる日常にオレたちは麻痺し、その大切さと感謝を忘れてしまう。
何かを失い、その悲しみによって目を覚まさせられるのだ。
身内の死や失恋、財布を落とすことさえあわてふためく。
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AKIRAアルバム史上、最大のピンチである。
入魂の国立ライブの翌日、羽田から北海道へ飛び、
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空港から直接リュウスケのスタジオにはいりレコーディングがはじまった。
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移動でくたくたながら、アルバムタイトル曲「幸せのひみつ」と「シーサー」の本ちゃんボーカルを録音し、17日には「Destiny」、「台所」、「人の想いは宝物」を録り終えた。
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2日で5曲とは、かなり順調なペースである。
3日目の昼にリュウスケからメールがあった。
「パソコンが壊れ、データが全部消えました!」
ひえー、今回だけでなく、過去の録音データも失われてしまったのである。
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リュウスケはもう一台のパソコンでアレンジを0から録り直し、夜中までに7曲も仕上げた。
しかし3時にメールがきた。
「データ、救出成功! 新録音の5曲も無事です」
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18枚もアルバムを作っていると、この「奇跡」を忘れてしまう。
歌が降ってきて曲になり、すばらしいアレンジをほどこされ、精魂込めて歌い、録音され、CDとなって、たくさんの人の人生に影響を与えていく。
これは「奇跡」以外のなにものでもないじゃないか。
歌える喜び、作品を作り上げる喜びに、生きている喜びに心の底から感謝しよう。
すべての喪失体験は「賢者の贈り物」である。
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