「無料でセッションを提供しているんですが、その後に有料セッションに繋がらないんです」と、お客様からよく相談されます。
「無料で試してもらえば、良さが伝わって申し込んでもらえるはず。」と思って無料体験を始めたのに、思ったような結果が出ない。
実は、無料の使い方を間違えると、かえって信頼を失うことになります。
強く勧めるほど遠ざかる心理
無料セッションや体験レッスンを開く目的が「商品を売り込むこと」だと、参加者は引いてしまいます。
無料でも有料と同じような内容なら良いのですが、多くの場合、無料体験は有料の高額商品を売り込む場に使われます。
面白いことに、どれだけ優れた商品でも、強引に勧められると欲しくなくなるものです。
これは「心理的リアクタンス」と呼ばれる現象で、人は自分の選択の自由を奪われると感じた瞬間、反発したくなります。
「これを買いなさい」と言われると、「いや、自分で決めたい」という気持ちが働くんです。
ある講座での出来事
以前、私はカウンセリングを学ぶ講座に3回ほど参加したことがあります。
講座自体の質は悪くなかったのですが、主催者の上級コースへの誘導があまりにしつこくて、参加者同士で「内容は良いのに、あの誘い方が残念すぎる」という話になりました。
結果として、誰も上級コースには進みませんでした。
内容が良くても、売り方で台無しになるんです。
強く勧めて申し込むのは、断れない性格の人だけ。そういう人を相手にするビジネスは、長続きしません。
「タダだから不安でした」という声
別の相談者から、興味深い話を聞いたことがあります。
「しばらく無料でサービスを提供していたら、お客様から『タダだったので最初は不安でした』と言われた」とのことでした。
無料が不安視される原因は、その理由を明かしていないからです。
お客様を不安にさせる理由は、無料体験後の通常価格を一切公開していないことです。
価格が見えないと、「後で高額な契約を迫られるのでは」という警戒心が働きます。
無料にする3つのパターン
タダで提供するには、それなりの背景があります。よくあるのは次の3つです。
まだ実績が少ないので、経験を積みたい
この場合は、少額でも良いので価格を設定して、有料での受付も可能にしておくべきです。
「実績作りのため」と正直に伝えれば、理解してくれる人は多いです。
一度体験してもらい、納得してから契約してほしい
これも同様に、本来の価格をはっきり示しておくことが重要です。
価格を見て納得した人だけが、体験に来てくれます。
入口は無料で、後から高額プランを提案したい
これが最も注意が必要なパターンです。
最初から高額商品の存在を隠していると、確実に不信感を持たれます。
高い商品ほど価格を隠さない
特に高額商品を用意している場合、価格は必ず公開してください。
値段が高ければ高いほど、隠すと「怪しい人だ」と判断されます。
商品を選ぶ時、誰もが最初に確認するのは値段です。
予算に合えば検討しますし、合わなければ諦めます。それだけのことです。
体験後に「実はこの後に50万円のコースがあって、それを受けないと結果は出ません」と明かされたら、恐怖を感じます。
典型的な悪質商法です。
価格を明示しておけば、予算のある人が自然と次のステップに進んでくれます。
押し売りしない方が申し込まれる
無理やり契約させたり、説得して買わせたものは、お客様が心から納得していないため、後々トラブルになる可能性があります。
無料体験は、納得して選んでもらうための場として使ってください。
積極的に売り込まない方が、かえって「これ、申し込みたいです」と言われます。
お試しは無料でも、その後の料金体系やサービス内容は、事前にしっかり設計しておきましょう。
まとめ
無料体験や無料セッションは、正しく使えば効果的な集客手段です。
ただし、売り込みや価格隠しをすると、信頼を失います。
誠実に、透明性を持って、お客様に選んでもらう。
それが長く続けられる商売のやり方です。
料金設定やメニュー構成に迷ったら、いつでも相談してください。一緒に考えましょう。
→ 本気で相談したい人は個別相談にどうぞ
→ この記事について、より詳しい内容は私のブログでもご紹介しています。
「他のコンサルで成果が出なかった」 「耳に心地よい話を聞いても何も変わらなかった」なら、ぜひ以下の3記事を読んでください。成果を出すための答えがあります。









