ゴム動力の戦車プラモは過去には2つ組み立てた、
ゴム動力の61式戦車、今井、一光模型
今井科学と一光模型の61式戦車である、この2輌は見事?にゴム動力で走ってくれた、
ただそれはキャタピラ方式ではなく、車輪方式だったのでどうにか走ってくれた、
これがもっと大きくて、キャタピラ方式だったらどうだろう、僕はハナから走ってくれることはないと思っている、なんといってもライトプレーンのようなゴム動力でキャタピラを回すようなパワーがあるわけないとハナから思っている、
しかし、はたしてそうだろうか、戦前のマブチモーターのような動力がない時代の戦車模型の工作記事を読むと、このキャタピラでゴム動力方式のものが多く載っている、
ひょっとしたら、と、淡い期待を寄せるようになってきた、
もうこうなったら、昭和の動く模型の第一人者?の僕としては確かめてみるしかない、
そこで取り出してきたのが、古いプラモが世に現れる前の三和模型の木製キットの戦車である、ゴムキャタピラ方式で、「ゴム動力でよく走る」とある、ま、これはハッタリだろうが、実際にゴム動力で走るのか、一応念のため試してみることにした。
僕は当初はハナからゴム動力でキャタピラが回るはずがないと思っているが、
ひょっとしたらゴム動力でもキャタピラが回せるかも、
ということで、それを試すためにも以前に組み立てて走らせたものがあった、
組み立てたのが、三和模型の「M45タンク ゴム動力」、
ゴムキャタピラは58年くらい経っているのに、まだまだ大丈夫、
しかし、どう考えてもゴムキャタピラをゴム動力で回すなど考えられない、
が、僕には秘策?がある、
驚いたことに、この細ゴムはまだピンピンしている、もちろん当時のものである、
ライトプレーン用のゴムだろう、よ~し、このゴムでキャタピラを回して走らせてみよう、
まづボディー上部から組み立てる、ここまではまだ簡単、
次が、動力部分となる、
しかし、世の中には常識というものが時々覆されることもある、ひょっとしたら、よく走らなくてもチョロチョロと走ってくれるかもしれない、そんな淡い期待を抱きながら組み立ててみた、
一番重要な動力部分を作り終えた、ゴムを架けゴムを巻いてギアが回るか試してもギアの噛み合いが悪く動かない、そこでゴムを目一杯巻いていたらブチッと切れてしまった、
手持ちのライトプレーン用のゴムがない、仕方ないので輪ゴムを用意する、
エッ! そんなか細い輪ゴムでいけるの?、とてもそんなゴムでは絶対にキャタピラを回
すだけのパワーはないはずだが、
いやいや、これも僕の秘策のうちの一つなのである、この輪ゴムでも充分いけるだろう、
一番重要な部分がこのギアの噛み合いである、ゴムを架けて巻くとクラウンギアが引っ張られてピ二オンギアとの噛み合いが浅くなり、カリカリと空回りしてしまう、噛み合いが深いとこれもまた回らない、
そう、クラウンギアとピ二オンギアの噛み合いは深くてもダメ、浅くてもダメ、浅からず深からず、丁度その中間でないとよく噛み合わない、
そこで、ゴムを巻いて引っ張られた状態で中間の噛み合いになるように、遊びの空間にワッシャーを噛ましてベストの状態に固定した、このワッシャーを噛ますのも苦労する、なんといってもギアを分解することはできないので、プラ製のワッシャーを利用しその輪っぱ部分を三角形に切り落としてシャフトにブチ込んだ、
ギアはちゃんと噛み合うようになったので、輪ゴム架けて動かしてみた、
もちろん、キャタピラを架けなければ起動輪は勢いよく空転する、ところがゴムキャタピラを架けると負荷が大きくなりまったく動かない、当たり前のことでこれも僕の想定内のことである、
とりあえず、砲塔部分も作り終え一応完成させた、
普通なら絶対と言っていいほど、ゴム動力でゴムキャタピラの戦車模型を走らせることは無理だろう、そう、チョロチョロとほんの少しだけでも無理だろう、しかもそのゴムをか細い輪ゴムで動かすなんてとても無理だろう、
しかし、最後の秘策?がある、
輪ゴムでゴムキャタピラを回して走らせる方法が、多分よく走る?かも、
キャタピラは自作したのである、そう、僕が一番得意としているものである、
このオリジナルのゴムキャタピラでは負荷が大きく絶対に動かない、どうあがいてもゴム動力では無理となる、では負荷がかからないキャタピラがあるのか、しかもゴムキャタピラのようなものが、
実は、それを考えるのに数日?を要した、そこでフラッとホームセンターへ行ってみた、
そう、ゴム素材の売り場へ、そこで見つけたのが、
ゴムでもない、スポンジでもない、画像ではわかりにくいが、そう、シール材といったらいいのだろうか、用途はいろいろとあるらしいが、隙間風を防ぐ時にもこれを詰めたらいいだろう、
表面はゴムみたいで中身はスポンジみたいなもの、細かい細工はできないが走らせるためにはこれが一番適しているだろう、これでキャタピラを作って起動輪に架けても負荷がかからない、
なんといっても、表面がゴム質で起動輪がスリップしないので最適である、
そして軽くて柔らかいので起動輪に負荷がかからない、あとはキャタピラの張り具合の調整である、キツク張ると負荷がかかるのでダメ、緩く張ると起動輪がスリップするのでダメなので起動輪がスリップしない程度に張るといい、そうすると勢いよくキャタピラは回ってくれる、
そして、動力のゴムは輪ゴムで充分、ライトプレーン用のゴムは少し柔らかいのでむしろ輪ゴのほうがよい、つまり輪ゴムのほうが戻りが強い、輪ゴム1本の力は弱くても7本まとまると強い力になる、まあとにかくとりあえずは、ゴム動力戦車を走らせることができたのでホッとしているところである。
なお、戦前にはすでにゴム動力で走る戦車模型の工作設計図があった、
最後に当時の広告を。