特定商取引法第11条の(通信販売についての広告)では、法令により表示しなければならない事項が列挙されています。
その中でも、「販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号」については、個人経営者や女性起業家のみなさまは、自宅住所や名前を表示したくないと考えていることが多いので、逐条解説から抜粋して解説します。
販売業者の氏名等(特定商取引法施行規則第8条第1号)
氏名又は名称
個人事業者の場合は戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号を、法人にあっては、登記簿上の名称を記載することを要し、通称や屋号、サイト名は認められない。
⇒ビジネスネームや上の名前だけ、下の名前なけというのはだめです。戸籍上の氏名になります。また、お店の名前やサイト名もだめです。
住所
法人にあっては、現に活動している住所(通常は登記簿上の住所と同じと思われる)を、個人事業者にあっては、現に活動している住所をそれぞれ正確に記述する必要がある。
Q&A
Q17 私は個人事業者ですが、住所を表示しなくてはいけないのでしょうか。
A17 住所については、現に活動している住所について、省略せずに(たとえば部屋番号まで)表示することが必要です。個人事業者についても、事業所の所在地を住所として表示する必要があります。個人が自宅で事業活動を行っているのであれば、自宅の住所を表示する必要があります。
⇒住所を途中まで表示してるだけの事業者がいますが、省略せずに部屋番号まで表示します。
以下は、「レンタルオフィスやバーチャルオフィス」についての新しい解釈です
いわゆるレンタルオフィスやバーチャルオフィスであっても、現に活動している住所といえる限り、法の要請を満たすと考えられる。
⇒これまではバーチャルオフィスはだめという解釈だったのですが時代の流れに対応したようで、2018年6月に公表された逐条解説で新たに追加された項目です。
「現に活動している」というのが、どの程度までなのかはケースバイケースのようですが、結構柔軟な解釈のようです。
電話番号
確実に連絡が取れる番号を記載することを要する。発信専用の番号で消費者側から架電しても一切つながらない等のような場合は、確実に連絡が取れる番号とはいえない。
⇒私はネット回線でeo光を使っているのですが、セカンド回線を手軽かつ安価に利用できるので、そちらを仕事用の電話番号・FAX番号にしています。モデムに電話のジャックを差すだけです。
省略表示について
通信販売の広告表示事項はたくさんあるので、紙の広告ではすべてを表示するスペースがない場合もあります。そのため、一部事項の表示の省略が認められています。
実は「販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号」も必要な条件を満たせば、省略できるのです。
それは次回解説します。
通信販売の表示って何?という方は「通信販売の定義」シリーズをご覧ください。