特定商取引法の通信販売の定義の「契約の申込み」~消費者対象に「通信手段」で「契約」の申込みをする | 個人経営者・女性起業家のための法律とWEBの基礎知識(神戸・大阪)

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法律とWEBの専門家、消費者法務コンサルタントの赤松です。消費者センターで11年間で15万件以上の相談を経験した元行政技術職員が、契約や取引の法律対応やWEB情報発信をサポートします。一般社団法人はりまコーチング協会 代表理事。ITコーディネータ。

前回は、通信手段とは具体的にどんな方法か、というと、実は法律に列挙されているという話をしました。今回は、通信手段で「契約の申込みをする」ということについて解説します。

単なる宣伝のための広告ページか、契約をしてもらうための広告ページなのか

実は、ここが大きなポイントなのです。
広告ページでは、商品やサービスの良さを伝えたり、価格を伝えたりするのですが、その広告でもって、契約の申込みを受け付けていないのであれば、特定商取引法に規定される通信販売の広告とはならないのです。
単なる宣伝のための広告ということですね。

食品メーカーが新製品の情報をホームページで広告したり、コンビニが新商品発売をホームページで宣伝したりするのは、そこで商品を販売していないのであれば、単なる宣伝広告で、特定商取引法の広告規制の対象ではありません。ただし、景品表示法や薬機法など表示に関する他の法律規制の対象にはなります(ここは難しくなるので後日。)。

「契約」の申込みであること

契約する商品や金額も決まっておらず、お店に出かけて商品やサービスを決めるような単なる来店の「予約」の申込みであれば、「契約」にはなりませんので対象外となります。

条文の該当部分を抜粋します。

売買契約又は役務提供契約申込みを受けて行う商品若しくは特定権利の販売又は役務の提供

特定商取引法に基づく表示

これまで説明してきた「消費者を対象に商品やサービスの契約の申込みを通信手段で受けている場合」には、特定商取引法の広告規制の対象となり、氏名・住所・電話番号などの、いわゆる「特定商取引法に基づく表示」が必要になるのです。もちろん、アメブロも対象となります。

特定商取引法の適用除外

実は、特定商取引法自体が適用除外の取引があります

詳細は後日にしますが、行政との契約や金融商品などそれぞれの法律に消費者保護規定がある場合です。該当する法律は全て列挙されています。アメブロでのよく見かけるサービスはほぼ適用除外ではないと考えてください。

まず、ご自身のビジネスが特定商取引法の通信販売に該当するのかを確認することが大切です。

「問い合わせフォーム」か「契約の申し込みフォーム」で大きな違い

特定商取引法の通信販売に該当すれば、申し込みフォームは「契約のための申し込みフォーム」となります。すると、単なる問い合わせフォームではなくて、法律事項になるのです。

(参考)問い合わせフォームの「確認画面」は法律事項ではありませんが「安心プロセス」とよんでいます

そうです。「契約」の申し込みフォームになると、確認画面が必要になってくるのです。これは、広告規制ではない条文での法律事項で、さらに、電子消費者契約法ににも関係してきます。

確認画面のない問い合わせフォームを使って、商品やサービスの契約の申込みフォームにしている事業者もいると思いますが、その場合は適切ではないのです。これについては、今後解説したいと思います。

通信販売の定義シリーズ