仕舞西瓜。

胡瓜の永いお勤めも了はりました。

ネパール大被災。

長期金利3.0超え。

/九月六日仕舞西瓜の冥利かな

/いい人と云はれ続けて曼珠沙華

/色見本南瓜西瓜の不思議かな

/ばぁらばらいやふはふはと薄の穂

/お絲さん薄の穂叢ゆれてますよ

/秋暑しシャツの釦の面倒な

/老人にもう伸びたのかちちろ髯

/老ひ人に坊主頭のもう伸びた

/胡瓜了はりゴーヤの苦味うれしかり

/鵯が来て留まる柿の木気息よむ

/和菓子屋の何処かにあらむ星月夜

/秋の夜ややさしき童話ゴンギツネ

/地下トンネルマントラ唱えて生き延びた

待つは妻なる笑顔やさしき

/魂を草の遺体に埋め込んで人形の火葬靈見つからず

■神聖とされる草で遺体の代わりに火葬する人形を作る。

/市場から鉄槌来るか3.0積極財政不信渦巻く

/ベッセント上から目線サングラス

態度変わらずアメリカ人の

 

倉石智證

追憶───

九月の雨、東京港入口

雨がさわさわさわさわと降ってます

暖かくもなく寒くもなく

こんな日には若かりし日の新聞少年時代を思い出します

 

懐かしの東京港時代

朝は3時ころ起きて

インクの匂ふ新聞に

広告を挟み込むことから始まります

汚れてくたびれたジャージ姿で

芝浦東京港の下町を走ります

 

朝はたちまち明るんで来て

夜は家屋の中にまだ蹲ってゐる

放恣な間取りアパートでは

半開きのガラス障子の間から

寝具がはだけ

男だか女だかわからないアンヨがにょっきり

 

雨がさわさわとさわさわと降っています

けふは予備校も休んで

みんなで暮らすお蚕棚のベッドに横たわり

相棒は6人

べったりとポマードで頭髪を固めたヤングマンは

繰り返し繰り返しソノシートで

「シェルブールの雨傘」をかけています

無聊慰め顎髭を抜く奴も

 

そしてようやく夕刻近くなり

裏通りをまた裏通りに行けば

少し溝臭く

赤い灯青い灯

徒党を組んで初めてのスナック

初めてのあるこほるドリンク

ジンフィズのプチプチの泡だちよ

チェリーが紅く潤んでゐる

 

と、不意に背中が重たくなり

いらっしゃいませと若い女子の嬌声が

上ずった若さばかりのぼくの背に

確かにあれは女の子のおっぱい

重たく懐かしくまろくまろく

夜は更けつつ外はけふみたいに

さわさわとさわさわとセプテンバーレイン

暖かくもなく冷たくもなく

それこそ九月の雨が降っていました

 

倉石智證

マルタのマグロと鯛兜焼き。

血圧計妻(コレステロールと血圧の薬)のと私(無薬)のと。

健康寿命と平均余命。

/秋味やマルタのマグロ妻の言

/天高しカボスで頂く鯛兜

/けふもまた焼きナス妻の手業かな

/チチロ鳴く高血圧を人の云ふ

/網戸開く瞬間虫の夜の闇

/虫哭くや残余の生命測りかね

/新聞受けこんなところに白桔梗

/苦土石灰撒いてお礼肥とせし

/玉ネギのまた落ちて土間ころころと

/いいじゃないのムラサキシキブ風待ちぬ

/帰郷して西瓜畑を見に行きぬ

/明日からは雨西瓜大臣(おとど)の思案

西瓜は中玉があと3個。この長雨が心配。収穫のタイミング。

/秋来ぬと生理落下の続きをり

▲ここに来て百目柿の生理落下が続いてゐる。

来年はもっと摘果をしっかりしなければね。

/とーちゃんは健康寿命あとそろそろあと何日を家族集うや

 

倉石智證