二度目のゴドー。

1930パウル・クレー「アド・マルギネム(周縁に)」

 

洗礼盤、

云い古されたことですが、

あなたは神を信じますかって

純粋理性批判

 

一本の木の下に一本の道がありました

道の脇には水が湧いて

木の下には木陰があります

ポポ~いのポイ

 

不意に影の中から何かが飛び出ましたね

信仰の薄い人たちヨ

それはボールのやうに跳ねあがって

面白可笑しく背中にたかろうとします

さんざん笑い声が聞こえて

あんたがたどこさって

影翳の中には決まって何かが棲んでゐるのです

 

ポポ~いのポイ

そんなきれいに澄んだ水は

ずいぶんと旅人たちの喉を潤したものですが

ついに名前を呼び合ふこともなく

永遠にさやうならって

 

一本の木の下に一本の道がありまして

くたびれ果てた二人は

さうです、こんな日にはゴドーを待ちながら…

 

■武満徹は音楽を聞いた。

「不思議な気候に棲む人は、

そして愛らしいけだものたちは、

滑稽な音楽に打ち興じています」

 

倉石智證

花野からまた東京へ。

/臈長けて化粧(けわひ)にまじる秋の色

/露草の蒼にマルバルコウソウの紅に

/下二段活用秋明菊の咲いた

/ネット懸け豆泥棒のカラスかな

▲カラスが落花生の根をほじって。

/みんなみのオジサン林檎の木の向かう

杖を突きつつ踊りの稽古

■なにしろ盆踊りの名手。

/娘に上げる茄子(なすび)畑に艶めいて

/持ってけとゴーヤ胡瓜の傍に置き

/返しみるお好み焼きの裏表なにか善きことありさうな気に

/木槿咲く電気自転車子を乗せて

/朝顔のくたびれ果てて葉月残

/ベリーAのとり残されて二つかな

 

倉石智證

秋色頓(とみ)に。

/お湿りのまま日が暮れて法師蝉

/雨来るや萩の花下水澄んで

/コンテナの色秋めいて出荷かな

/畏まるシャインの値段落ち着きぬ

/キナバルに冒険家たち滝潜り

TV番組、ボルネオのキナバル山。ローズガリーの滝下り。

/スミチオン百目に沸いたシロヒトリ

/作業場に夏落ち葉散る掃き掃除

/槃特(ばんどく)にめうがの握り奉る

スリバンドクはお釈迦様も一入愛するお弟子さん。

物忘れがことにひどく…

/早場米田にこんなにも黄金かな

/AIに歓びありやボール蹴る

/真剣にフクシマのことロボティクス、デブリ掻き出す人型もがも

/剥落のありや西日に晩夏かな

ロボットコンテスト。中国が圧倒する。

 

倉石智證