藤の剪定続き。

あんぽ柿。

死者生者起居す四十九日まで。

/辻立ちの手旗の人に小春かな

/饂飩(うんどん)に黒はんぺんの御用達(ごようたし)

/雪吊りやほのはや雪にしらしらに

/この時節寒波よろこぶ小菊かな

/寒波来てちりちりちりやダリアの葉

/陽の雫入りて甘しあんぽ柿

/日差し入る座敷は四十九日まで

/澁ぬけるころ峠道通りくる

/死者生者入り混じりて起居す秋の朝

/トリセツは三つ目まで藤は芽を残し

/小春日や剪られしものも閑なり

/スワ大変トリプル安や早苗ちゃん積極財政手厳し市場

/不精して庭の紅葉で済ませけり

/冬迫る健気と云ふも百日草

 

倉石智證

凩、八つ颪吹く。

いてふ散りなり。

藤棚の剪定開始。

/いてふ黄葉の黄の雫青の雫に風が吹くなり

/金色のほんと小鳥の形していてふ散るなり汝がふる里の

/古里は銀杏水泳場の近く

/山茶花の思わせぶりな蕾かな

/もふもふや蕊(しべ)毛蕊花(もうずいか)冬に入る

/藤棚のばけばけになる莢黄葉

/剪定や妻の差し入れホットティー

/雪柳紅葉はみんな同じこと

/喪中葉書書いて師走の用意かな

/北風に帽飛ばされてくまんざれ

/着ぶくれて工人の老立ち上がる

/携帯の卓に冷えゆく夜半かな

/凩の土蔵の角の突破ズレ

/胸上げて皇帝ダリア八つ颪

/蕪(かぶら)炊く湯気はんなりと顔近く

/利休揚げマグロを衣で隠すかな

 

倉石智證

 

百目柿通信、

芋日和、

柘榴の葉の黄落、

後剪定。

/黄落や閑(しづ)心なく散る黄葉

/炎立(ほむらた)つ柘榴黄葉に西日かな

/紅葉降りいそぐなよいそぐなよ

/遠かすみ連山影を正しうす

/凩やモームの葉っぱ蔦紅葉

/硝子戸に影映りけり吊るし柿

/外苑のいてふニュースに子供たち

/焼酎をかけて手もみや吊るし柿

/籠重し脚立の人と百目柿

/餡かけそば蕪の漬物添へて出す

/本日は小春まっこと芋日和

/紅はるか心のなるくおほどかに

/芋掘りや工事の人と立ち話

/芋掘りや連作をまた免れて

/黄落の続く門柱の柘榴

/黄落や光の絲を昼下り

/剪定や柘榴の棘の手厳しく

/皇帝ダリア予報キビシキ19日

/芋掘ってあと二三日霜予報

 

倉石智證