凩、八つ颪吹く。

いてふ散りなり。

藤棚の剪定開始。

/いてふ黄葉の黄の雫青の雫に風が吹くなり

/金色のほんと小鳥の形していてふ散るなり汝がふる里の

/古里は銀杏水泳場の近く

/山茶花の思わせぶりな蕾かな

/もふもふや蕊(しべ)毛蕊花(もうずいか)冬に入る

/藤棚のばけばけになる莢黄葉

/剪定や妻の差し入れホットティー

/雪柳紅葉はみんな同じこと

/喪中葉書書いて師走の用意かな

/北風に帽飛ばされてくまんざれ

/着ぶくれて工人の老立ち上がる

/携帯の卓に冷えゆく夜半かな

/凩の土蔵の角の突破ズレ

/胸上げて皇帝ダリア八つ颪

/蕪(かぶら)炊く湯気はんなりと顔近く

/利休揚げマグロを衣で隠すかな

 

倉石智證