落葉掻き。

「存立危機」。

/灯籠の石に冷え来る紅葉かな

/就中(なかんずく)風物詩とは柿すだれ

/仲代の声ふと太し菊の花

/秋草のミクロを抜いて腰痛し

/落ち葉掃き空を仰ぎて切もなし

/落ち葉掻き仏法僧と唱えけり

/長ネギの初採り祝ふネギマかな

/長ネギの白さを指で測りけり

/里芋の小者さがして衣被

/天ぷらや畑にありし秋のモノ

/ホタテ焼く豊洲のからのおもてなし焦げ目の色も秋の色する

/桔梗の未だ毎日の黄葉かな

/水音に紅葉の色の落ちかかり

/クマ公の柿に長居の構図かな

/エライこと存立危機の紅葉色

/中国の色真っ赤っか早苗ちゃん

はしゃぎが過ぎたツケまはり来る

熊に中国共産党に、

内憂外患だ。

 

倉石智證

甲西中学校マラソン大会。

デフリンピック。

/夕陽射して紅葉茜の色襷

/満天星(ドウダン)の赤赤々や陽の箭柄(やがら)

/思ふらく柿喰ふ家の刀自(とじ)の楽

/菊競らべ亭主庭から出でられず

/青きまゝ走れ少年たちよ、

少女らはすでに豊けきを懐胎して。

毎年の甲西中学校の学校マラソン。

ば様元気なころは門柱に出て「ガンバレ」と応援していた。

我が妻も出場していたがなにしろ家の前を走ってゆくのが

なによりも恥ずかしかった、とのことだ。

いまだに運動音痴でござる(笑)。

/柿剥いて捨てるとこ無き柿の皮笊に取りたり縁石に干す

/皇帝ダリア宙一点に伸びしまゝ

/冬青や五厘カットの丸坊主

/青空や声なき声をオリンピック愛を手話する世界の人に

 

倉石智證

秋仕舞い。

/工人の背に小春日の温(ぬく)ぬくし

/日短し工人の穴掘りにけり

/工人の虹彩に秋映りけり

/高梯子百目の柿のゆっさゆさ

/生き延びて百目の柿になったとサ

/芥の穴掘って天下の秋を知る

/猛々し薄の株を伐り分けし

/名残り花末期の花の一輪を掘り抜き井戸に飾りてみたり

/門柱に黄の黄落の続きをり

/けふもまた百日草を拝みけり

/紅葉散る木の言の葉にあらざるや

/かーさんの剪定鋏お出かけす

ばばの認知の感染(うつ)りにけりな

/軒下に雪虫のまた蚊柱に

/紅はるかけふは三株を掘りにけり

/秋茄子の棚壊しけり杭を抜く

/秋明菊二輪ばかりを愉しめり

茄子の棚、秋明菊の株、薄の株などの整理。

 

倉石智證