会津高野山八葉寺 冬木沢詣りのブログ【公式】 -8ページ目

会津高野山八葉寺 冬木沢詣りのブログ【公式】

福島県会津地方の「会津高野山八葉寺」は、夏になると「冬木沢詣り」で賑わいます。「冬木沢詣り」は毎年8/1から8/7までの一週間。公式HPで伝えきれない、こまかい情報を中の僧侶からお届けいたします。

3日めも晴天に恵まれました。暑さも普通(最高31°)で、標準的な冬木沢詣りの一日でした。

冬木沢詣りでは、お迎えする精霊の戒名や法名を、参詣者自身で経木塔婆に記入してもらっています。その際、お戒名や法名をしっかり暗記している人もいれば、あいまいな人もおられます。多くの人は、間違えないようにメモをしてくるのですが、中にはメモする際に間違える方もいて、それで合っているのか、にわかに判断つかない場合も少なくありません。
ところが近年、スマートフォンの普及により、位牌などを写真に収めて、それを見ながら記入する方が増えてきました。それならば間違いが起きないので、なるほどと感心していました。今年はその比率が高く、ついに半数以上になったと感じています。供養に関することも、こうやって少しずつ変化しています。お戒名を書いたメモは粗末に捨てにくいですが、画像データの消去は特に問題ありません。間違えないための工夫として、お寺からも推奨いたします。


今年はコロナのため、参詣せずに冬木沢に「バーチャル塔婆」を立て、お迎えとするアイデアも当初ありました。しかし「お迎え」とは何かと色々考えて、結局、冬木沢詣りを催行するに至りました。ハイテクは利用しても、頼りたくないものです。

明日は4日め。中日です。おそらく今日と同じく、ゆったりお詣りできる一日となるでしょう。


2日め、日曜日となった冬木沢詣りも、無事終了しました。昨日、参詣者の靴を汚した駐車場のぬかるみも随分と乾いたようで、今日の参詣者の靴はキレイで安心しました。天気もよく、困ったという声も特に聞こえず、大過ない1日だったと言えるでしょう。

午前中、ところどころで行列が発生しましたが、みな自主的に距離をとられていました。ご協力感謝申し上げます。

さて今日は、今年作ったクリアファイルを紹介したいと思います。A4サイズで、表が八葉寺本堂、裏が空也上人のお姿になります。400円での販売です。2日間での評判もまずまずでした。1年で、祭礼中の1週間しか買えない限定品なので、この機会をお見逃しなく!

ところで、はるか南方で台風4号が発生し、8/7頃に新潟〜福島のラインを通過するという予報が発表されました。一難去ってまた一難。それてくれないかなあ、と念じていますガーン


天気も回復して迎えた、土曜日の初日。

人出は例年の初日と比べて少なめでした。これも、皆さんが分散参詣を心がけてくださった結果だと思います。ほぼ全員がマスクをつけられていたことも、有り難かったです。ありがとうございます。

ただ、昨日までの雨で、特に午前中、駐車場のぬかるみがひどかったようです。多くのお叱りを受けました。午後になって、ようやく固まってきたようで、参詣者の靴に泥が見られなくなってきました。

コロナ対策については、鰐口の紐を外したり、アクリルパーテーションを置いたことも、ご理解いただけたようです。また各所に置いた防菌スプレーの利用率も高く、皆さんの意識の高さを感じました。行列の際も、こちらからの指示でもなくソーシャルディスタンスをとられていました。こういった意識の高さが、いまだ会津の感染発症ゼロにつながっているのかな、と思った次第です。

明日は日曜日。天気予報も悪くありません。気をつけてお詣り下さい。



予定通り、明日から「冬木沢詣り」が始まります!

本日は、お坊さん11人がかりで準備にあたりました。例年なかなか大変なのですが、今年は例年にない苦労が二つありました。
一つは、雨。とにかく梅雨が終わらず、準備がはかどりません。この時期にこんな大雨は記憶にないほどです。会津美里(高田)では避難勧告が出るなど、ひどい天気でした。
しかし午後2時過ぎ、いきなり晴れました。お日様のチカラは強く、凄い勢いで境内が乾いていきます。作業も加速して、なんとか暗くなる前に終わりました。ただ、長い雨だったので、駐車場と境内の一部で、ぬかるんでいる場所があります。明日ご参詣の方は、滑らないように気をつけ下さい。

もう一つは、コロナ対策です。例年に無い作業で、手間が大きかったです。仕方ないですが。
密にならぬよう、できる範囲で工夫しました。ものごとに完全はありませんが、皆さんも各自ご注意願います。
写真は奥の院。ビニールを下げて、お互いの抗菌を目指しています。

それでは気をつけてお詣り下さい。明日は天気も曇りで、気温もあまり高くないようです。朝5時から正午まで、駐車場と境内の間でタクシーが運行されます。なんと片道100円。ぜひご利用下さい。

今年は梅雨が長引いて、どうも「冬木沢詣り」の始まりまでには明けない見込みです。スッキリしない天気に、中の人はモヤモヤしております。

さて、今年の「冬木沢詣り」のちらしができあがりました。
各家庭に折り込まれるのは、今月28日の予定です。
会津一円に配られますが、新聞折込のちらしが届かないご家庭のため、ちらしをアップいたします。

内容はだいたい例年通りですが、変更がいくつかあります。
そのうちいくつかを案内申し上げます(ちらしに詳述)。

①三密に気をつけて
まだまだ心配の尽きないコロナですが、できるだけ対策していきたいと考えています。飛沫防止のアクリル板やビニールシート、スピード体温計、間隔足あとマーク、マスク着用など、さまざま揃えました。あと、密にならないように気をつけるには、お詣りの時間帯を分散することが推奨されます。例年だと、朝の6時台、午前10時頃、夕方5時過ぎ、くらいが混んでいます。反面、昼12時台がすいています。これをご参照ください。

②念仏踊りの中止
毎年8/5午前10時からの「空也念仏踊り」ですが、今年は中止いたします。コロナ感染を防ぐためには群集を発生させないのが一番ですので、ご理解下さい。

③ガイドツアーについて
今年も、密を避けてやってみようと思います。毎日午前10時に、山門をくぐって地図の看板(緑色)の前あたりでお待ちください。

④駐車場について
例年、駐車場から境内まで、混雑する時間帯のみ「巡回タクシー」を運行してまいりました。片道一人100円という手軽さもあって、おかげさまで好評をいただいてまいりました。今年は1日(土)と2日(日)の2日間運行します。1日(土)が午前5時から正午まで、2日(日)が午前6時から正午までとなります。ぜひご利用下さい。

以上です。亡き人を偲ぶため、心静かにお詣り下さい。
ちらし表面

ちらし裏面

故人が亡くなられて何日経てば冬木沢にお参りしていいのか?
ここではその事を明らかにするため、お参りする理由から説明いたします。

会津高野山八葉寺は、夏になると「冬木沢参り」で賑わいます。曜日に関係なく、毎年8/1~8/7の一週間と定められています。

このお詣りの目的は、お盆中(8/13~8/16)に各家庭にお帰りになるご先祖様や新しいほとけさまを、会津盆地の野辺(のべ)である冬木沢まで皆さまが迎えに行くことです。野辺とは、野の果て、あの世とこの世の境界という意味です。冬木沢の地は、会津盆地の丑寅(東北の方角)に位置し、その延長線上には磐梯山が位置することから、古来会津の野辺と考えられてきました。

お迎えですので、お盆(8/13~8/16)より前でなくてはなりません。ですので、お盆月(8月)に入ると、亡くなった方々を冬木沢という野辺まですぐに迎えに行くわけです。「会津総菩提所」「祖霊集会の霊場」と呼ばれるゆえんです。

会津地方では必ずお参りにいくものとされていて、喪があけた新仏(四十九日忌、もしくは納骨が済んでいれば可)の遺族や近親者はもちろん、縁ある者が参拝します。一部で「百ヵ日を過ぎないとダメ」という伝承がありますが、これは土葬時代、百ヵ日を過ぎるまでは生仏(なまぼとけ)とされた名残です。現在は火葬ですので、そのようなことはございませんのでご安心下さい。

以上が「冬木沢参り」をするべき理由です。みな様もぜひ冬木沢までお迎えに出向き、新仏やご先祖さまが今年もおうちまで無事にお帰りになれますよう、心からご祈念下さい。

なおNHKによる紹介動画もありますので、詳しくはこちらもご覧ください。
冬木沢参りの習俗
このコロナ禍のなか、「冬木沢詣り」を挙行するかどうか、慎重に話し合いを重ねてまいりました。結論から報告申し上げますと、

やります。

生きている人同士の三密には問題があります。ただ、われわれの大切なご先祖さまとの距離を、疎遠にはしたくないものです。一年に一度、ご先祖さまや先亡精霊と、もっとも密になれるのがお盆。そのお盆のお迎えに冬木沢へお詣りすることを、どうして妨げられましょう。

もちろん、挙行には工夫が必要になります。参詣諸人同士が三密にならぬよう、ソーシャルディスタンスをとりやすいように気をはらい、工夫して挙行いたします。安心してお詣り下さい。

例年と異なる点は次のようになります。これら以外は例年通りです。
まず、鰐口を鳴らしたり、抹香で焼香したり、お鈴を叩いてのお詣りはできなくなります。これは衛生面からの処置です。代わりにどうやってお詣りしていただくかは、現在検討中です。
また、例年8/5の10時から「空也念仏踊り」を開催していましたが、こちらも中止(完全中止ではないが、検討中)です。これは見物人の密集を避ける処置です。

ご参詣の皆さまにおかれましては、
・県をまたいでの移動も自由になりましたが、東京とその近辺ではまだまだ発症事例が収まりません。そちらのほうからご参詣なさる際は、細心の注意をお払いください。
・比較的すいている午後の時間帯(正午~15時ころ)の参詣を推奨いたします。
・マスク、もしくはフェイスシールドを着用してください。
ご不便をかけますが、ご協力ください。

われわれも工夫します。よいお迎えにしましょう。



めっきり寒くなってきました。

以前からの懸案であった奥の院の発掘調査が、この11月上旬に実施されました。
八葉寺境内は史跡ですので、なにか建物を新しく建築する場合などは、その敷地を発掘調査する義務が生じます。

奥の院を建て替えるため、古い奥の院の堂宇は平成26年(2014)に解体しました。以来、仮堂を設置し、発掘調査の順番を待っていたのです。
今回試掘したのは、下の写真の赤い部分です。
奥の院赤いところが発掘箇所

下の写真は発掘調査の様子
はっくつのようす
発掘のようす

特に何か発見はありませんでしたが、ここ数年の懸案が解決したので、まずは一安心です。会津はこれから雪の季節。仮堂を含む境内全体が、白い雪に覆われます。
令和最初の冬木沢詣りも、本日で最終日を迎えました。期間中、ずっと酷暑日が続くという珍しい年でもありました。参詣者も当山僧侶も、熱中症で搬送されるようなことが無かったのが幸いです。

たましいのふるさと・冬木沢に御霊を迎えに来られた皆さま。お盆本番には、皆さまのもとに、無事御霊がお帰りになることでしょう。

まだまだ暑い日が続きます。供養も自分の元気があってこそ!お体ご自愛ください。

冬木沢は、来年まで再び眠りにつきます。今夜は村の盆踊り。賑やかですが、八葉寺の閉山式のようでもあります。



本日5日午前10時より、恒例の「空也念仏踊り」が行われました。多くの参詣者が集まり、独特の節回しや踊りに見入っていました。

いくつかの夕方の地方局ニュースでも取り上げられたようです。

いま現在、冬木沢詣りや「空也念仏踊り」については、多くの情報がインターネット上にあふれています。その情報は玉石混淆ですが、本日は、当山おすすめの動画をあげておきます。この動画は文化庁が企画し、きちんとした映像作成会社が作った動画です。念仏踊りに関しても、私の知る限り最も正確な内容です。数年前の動画ですが、標準作と言えるでしょう。