今年、お亡くなりになった英語道の松本道弘先生。
本当にありえないような幸運で、
先生がお亡くなりになる直前まで
近くで一緒にお仕事をさせていただき、
毎日のように一緒にご飯を食べたりしていました。
先生はいつも英雑誌「The Economist」を持ち歩いていました。
あらゆる余白にびっしりとメモを書いて、
付箋をたくさん貼り付けて。
(その一冊だけがそうなのではなく、
最新刊が届くたびにガッツリ読み込んでいました)
松本先生は、私たちとの教材作成の仕事だけでなく
ご自分の本の執筆などもあり
ものすごくお忙しい毎日だったのですが、そんな中で
毎日膨大な量の英語をインプットされていました。
TIMEよりさらに難しい、The Economist。
わたしも、そんな松本先生に憧れて
2年前から定期購読しているのですが、
最初は、単語が難しすぎるし背景知識もないから
全然歯が立たず、積ん読状態になっていました・・・
これは、当時の私の積ん読状態のEconomist
わたしは、ある日
松本先生に聞いてみました。
「先生って、エコノミストの記事に出てくる単語って
もう全部分かります?
それとも、先生でも知らない単語って
まだあるんですか?」
先生は、即答しました。
「あー、しょっちゅう
知らん単語が出てくるねー」
え、そうなんだ!と
わたしは驚きました。
でも、知らない単語が未だにあるのに
先生はエコノミストを超高速で
全ページ、全記事、読んでいます。
しかも、ネイティブより速いスピードで。
先生は、TIMEを1時間ちょっとで
全ページ読み切れます。
Economistは聞いてないですが、
TIMEよりページ数が多く難解で、字も小さいので
もう少し時間はかかるでしょう。
なぜ、そんな芸当が可能なのか・・・?
それは、先生は、
英語を一字一句読んでいないからです。
それは、もちろん
たくさん英語をインプットしてきたおかげで
「だいたいこのパターンだな」
ということが予測できるからでしょう。
でも、それだけではなく
これまで蓄積してきた
あらゆる分野に関する膨大な知識と教養で
「こういう話になるんだろうな」
と、当たりをつけながら読んでいるからです。
わたしも、なんとかその技を盗もうと
先生が勉強している様子を見ていました。
そして、私も精一杯背伸びして
エコノミストを購読し始めました。
すると・・・
松本先生がいなくなってから、特に
先生と一緒にエコノミストを読んでいるような
不思議な感覚になることがよくありました。
私が記事を読んでいると、
先生の声が聞こえるような気がするんです。
「お〜、この英語は斬れるなぁ」
「ここに書いてあること、どう思う?愛ちゃん」
と。
そして、先生がいつも
赤いボールペンの先で文字をなぞりながら
英文をすごいスピードで追っていた、その赤いペンの残像が、
私の手元の英文の上に見えるような気がするのです。
それを感じて、
「はっ!こんなにダラダラ
読んでちゃいけない!」
と我に返って
意識的に英語を読むスピードをアップして。
そうやって英語に毎日向き合っていると、最近、
英語が速く読める達人の感覚が
少しだけ、わかってきました。
松本先生に比べたらまだまだ遅いですが、
それでも、一語一句丁寧に読まなくても
さーっとスキミングできるようになってきて、
海外の英語ニュース記事なども読んでいます。
今まで、ずっと
リーディングに苦手意識があったので
ようやく克服できるなーという感じで
そんな松本先生の感覚をインストールし、
英語がスラスラ読めるようになる未来は
いかがでしょうか。
世界がどうなっていくのか不透明な中、
英語できちんと情報を取れる
教養と読解力を身につけておけば、
少しでも安心できるのではないでしょうか?
日本で報道されるニュースは、
世界で起こってることのほんの一部ですから・・・
そんなわけで、
松本先生の圧倒的な読解スピードの秘密に触れ、
さらに教養が身につくリーディング教材を作りました。
先生とたくさん相談しながら作った教材ですが、
先生のいらっしゃるうちにお届けしたかったな・・・
と、それが悔やまれます。
でも、残された私たちにできるのは、
松本道弘先生の英語魂を次につないでいくこと。
先を予測しながら読むテクニック、
日本語と英語の根本的な違いなど、
松本先生の驚異的な読解スピードを支える技術を
学ぶことができますので、
ぜひチェックしてみてください。
同時通訳者・松本道弘先生が教える超速リーディング法