2026年5月18日 まいどなニュース
兵庫県尼崎市内の一角にある戸建て住宅を1棟丸ごと借り切って、保護猫活動を行っている「オープンシェルター保護猫ふみふみ」は、子猫から老猫まで100匹近くの猫を保護している。同時に、現代社会で何となく生きづらさを抱える人が、猫の世話をしながら自分を取り戻せる場でもある。代表の西尾美香さんに、取り組みについて聞いた。
生後1カ月くらいの子ニャンズ(まいどなニュース)
年間140匹を新しい家族のもとへ
オープンシェルター保護猫ふみふみ(以下、ふみふみ)が行っているのは、いわゆる「保護猫活動」だが、その内容は多岐にわたる。すでに保護した猫が暮らすケージを朝晩清掃し、給餌と健康チェック。多頭飼育崩壊の現場へ赴いて、保護することもある。これらの作業には現在、40~50人のボランティアスタッフが手分けして当たっているという。
保護している猫の中には、膵炎治療や酸素室治療ほか、高額な医療費がかかるFIP(猫伝染性腹膜炎)にかかっている猫もいて、決して潤沢とはいえない活動費から苦心して捻出している。
「FIPは、投薬を始めたら最低でも85日は続けないといけないので楽ではありませんが、治療しないという選択肢は、私にはないんです」
ただ保護して世話をするだけではなく、里親探しも熱心に行っている。地域内にあるホームセンターの厚意で場所を借り、譲渡会を開いて縁をつなぐ。しっかり面倒を見られる人の条件を定め、年間140匹を新しい家族のもとへ送り出しているという。
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20代のボランティアスタッフたちが進める「20代プロジェクト」
ボランティアスタッフには老若男女さまざまな人たちがいるが、20代のスタッフを中心に取り組まれているのが「20代プロジェクト」だ。各自の得意分野を生かして、楽しみながら保護猫活動に参加できる仕組みづくりを目指す。
その内容は、大きく4つに分けられる。
ひとつは、若手作家のイラストやハンドメイド作品をチャリティーグッズ(缶バッジ、ポーチ等)化して、表現の場と支援を両立させる「アートボランティア」。
ふたつめは、ゴミ拾いを通じて地域社会の一員として環境美化に貢献し、保護猫活動の認知度を拡げようという活動。
あとのふたつは構想段階だが、地域に根ざした情報発信を行い、住民とのつながり強化を狙った「地域新聞の制作」。さらに、Tシャツなどのオリジナルグッズを販売して、その売り上げが支援に直結する仕組みもつくりたいという。
ペットを飼う人がいる限りこの活動はなくならない
最近では、野良猫を保護するより、高齢者からの引き取り相談や多頭飼育崩壊の解決が急務になっているという西尾さん。
「ペットを飼う人がいる限り、この活動はなくなりません」
今は寄付と自己負担で賄っている運営に関しても、思い描いている理想がある。
「活動に関わる人たちにお給料を出せる仕組みをつくって、持続可能な形にすることです。あわせてスポンサーを募り、地域全体で猫と人を支えていける未来をつくりたい」
猫の命をつなぐために始まった「ふみふみ」は今、孤独や不安を抱える人々にも必要な場になりつつある。単なる「猫の保護」の枠を超え、優しく力強い居場所にしていきたいと、西尾さんは今後の構想を語った。
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・シェルター見学(要予約)
基本譲渡会やイベントがない土日の13時〜16時
電話受付時間:9時〜18時(時間内で病院や捕獲に行っている場合あり)
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)




