トピックス -2ページ目

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2025年12月10日 朝日新聞

 

 岩手県沿岸広域振興局は13日、今年度4回目の保護猫譲渡会を釜石市の庁舎1階で開く。当初は2回の予定だったが、保護された猫が多く、10月に続いての臨時開催となる。保護猫増加の背景には、高齢化や過疎化などがあるという。

 

安田理獣医師イチオシの雄猫「カイト」。オレンジ色の目が愛くるしい=2025年11月27日、岩手県釜石市、東野真和撮影(朝日新聞)

 

  【写真】保健所に引き取られた猫は……

 

 岩手県釜石市の山間部にある動物管理センター。県内の9保健所ごとにある施設の一つだ。元は事務室だった部屋に、猫のケージがぎっしりと置かれ、10匹の猫が譲渡先が決まるのを待っている。ほかにボランティアが13匹を一時的に預かっている。

 

  「今年、数が急に増えた。飼い主が高齢で世話ができなくなった例がほとんど」と釜石保健所の安田理(あや)・獣医師は明かす。6月、大槌町で多頭飼育していた高齢女性が施設に入所したため、猫を9匹引き取った。9~10月には、路上でカラスにつつかれていた生後間もない猫を続けて1匹ずつ引き取った。

 

  県民くらしの安全課によると、県内の保健所に引き取られた猫は2016年度の727匹から24年度は480匹と減少傾向。16年度に166匹だった殺処分は昨年度、5匹まで減った。一方で譲渡先が見つかる割合は犬よりも低く、1年以上収容されている猫もいる。

2025年12月15日 津山朝日新聞

 

 子育て世代や子どもたちを支援するNPO法人・CHIGAYAと津山イーストランド住宅展示場ウチパレット共催のイベント「おがまる」が13日、岡山県津山市川崎のウチパレットで開かれ、家族連れらが食事や小物の制作体験などを楽しんだ。

 

家族連れらでにぎわう会場=岡山県津山市で(津山朝日新聞社)

 

  【写真】ネコの譲渡会に参加した来場者

 

 家族でゆっくり過ごせる場所を作ろうと2022年から始めた催しで、今回で36回目を迎える。会場には軽食やスイーツ、雑貨を販売するキッチンカー、露店約10店や機関車型の乗り物などが並んだほか、展示されている住宅の室内ではキーホルダーやオーナメントづくり、ネイルアート体験などもあり、子どもたちは創作に没頭するなど思い思いに過ごしていた。

 

完成した手作り小物を手にして喜ぶ子ども(津山朝日新聞社)

 

 祖父母と一緒に来ていた鶴山小の西山來華さん(11)は「遊びも食事もできて楽しかった」。祖父の秀明さん(57)は「子どもたちと一緒に過ごせるのが何よりの楽しみ。身近にこういったイベントを開催している場所があるのはありがたい」と話していた。

 この日は動物愛護団体・i&goによる保護猫譲渡会も開催され、生後3ヵ月から2年までの10匹を紹介。新しい“家族”を迎えようと訪れた人たちはゲージの中のネコたちの様子をうかがい、団体メンバーから譲渡や飼い方について熱心に話を聞くなどしていた。

2025年12月11日 MEN’S CLUB

人間だけではない ── 動物にも広がる慢性疾患

糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧心疾患、変性関節疾患、がん ── いまやテレビCMの多くが慢性疾患の治療薬を宣伝する時代だ。しかし、これらの疾患に悩まされているのは私たち人間だけではない。ペットや野生動物でも同様の慢性疾患が増加していることが明らかになりつつある。 

 

Getty Images / Alavinphoto

 

【写真集】犬や猫が中毒事故に陥りやすい、あまりにも身近な危険物10 

 

人間における非感染性疾患(NCDs : Non-communicable diseases)については広範な研究が進んでいるものの、動物においてどの程度発症しているかは十分に調査されてこなかった。この研究不足を補うべく、動物におけるNCDのモニタリングと治療に取り組んだのが、アテネ農業大学(ギリシャ)の動物科学者、アントニア・マタラグカ博士である。 

 

博士の研究は、生息域を共有する人間と動物の双方が同様の疾患増加に直面しているという、公衆衛生上の重要な示唆を含んでいる。

環境ストレスが野生動物の健康を脅かす

マタラグカ博士はリスク分析の専門誌「Risk Analysis(リスク・アナリシス)」に発表した研究で、次のように指摘している。

 

「動物も人間と同様に、NCDsに苦しんでいる。つまり、獣医学と公衆衛生の両領域においてNCDsが重大な懸念となっているということだ。家庭動物と野生動物の双方におけるNCDsの影響は、人為的な環境変化によって大きく増大している」 

 

環境汚染、生息地の喪失、無計画な都市拡大、気候変動などさまざまな要因により、野生動物にとって疾患の要因となりうる生理的ストレス反応が誘発されている可能性があるという。 

 

たとえば、人間の出す高カロリーの残飯によって動物の肥満が悪化し、環境に浸出した化学物質によってがんが発症するといった影響がすでに現れているのだ。生態系の破壊により、特定の環境条件に依存して生きている動物の体内プロセスが乱れ、栄養不足や免疫異常、内分泌攪乱(生体の内分泌系=ホルモンの働きが乱れる)といった問題が引き起こされてしまうためである。環境変化に順応できた動物も中にはいるが、多くの種が困難に直面しているというのが現実だろう。

家畜・ペットに見られる深刻な慢性疾患

家畜やペットには、さらなる脅威も生じている。 

 

閉塞的な環境で飼育される家畜の福祉についての議論はもう何十年も続けられてきたが、ケトーシス(生体内にケトン体が増加し、食欲低下、乳量減少、消化機能の低下といった症状が発現する)、メタボリックシンドローム、跛行(はこう:正常な歩行ができない状態)などを含む家畜の疾患についてはこれまであまり注目されてこなかった。疾患による福祉の悪化、生産性や持続可能性の低下、経済損失は言うまでもなく、家畜のQOL(生活の質)や生存率も大幅に低下する。 

 

ペットの場合には、飼い主と同様の肥満や糖尿病を患うケースが多く、短頭犬種(ブルドッグやパグなどの鼻が短い犬種)では過剰な繁殖によって生じる呼吸器疾患などの遺伝的問題も生じやすい。 

 

疾患の種類は動物種によって異なるものの、全体的に見て影響は深刻だ。ペットの肥満は、運動不足や餌の与え過ぎによって倍増している。乳牛のほぼ半数がサブクリニカル・ケトーシス(臨床症状が見えない潜在性ケトーシス)に苦しんでいる。 

 

また、多くの貨物船や商業漁船が利用する河口域では、多環芳香族炭化水素(PAHs:有機物の不完全燃焼や熱分解等で生成する化学物質で、発がん性を有する)やポリ塩化ビフェニル(PCBs:化学的に合成された有機塩素化合物で、肝機能障害、神経系への影響、発がん性も懸念されている)への曝露による海洋動物の肝腫瘍が増加している。

早期診断と「One Health」による統合的な対策へ

早期診断のためのリソース不足によって、状況はさらに悪化する。これらの慢性疾患は、発見が遅れればそれだけ治療が困難になるからだ。マタラグカ博士が「One Health/EcoHealth(ワンヘルス/エコヘルス)」と呼ぶ取り組みを行っているのはそのためである。これは、動物・人間・環境の相互的影響を継続的に観察することで最大のNCD要因を割り出すという試みだ。十分な監視体制が整えば、回復可能な段階での早期診断が実現するだろう。 
 
マタラグカ博士はこう述べている。 
 
「動物・エコシステム・人間の健康改善を目的とした、実証的な検証と政策の実施が求められている。今後の取り組みでは、推定リスクモデルと実証データの比較検証を進め、動物のNCD監視をOne Healthモニタリング・プログラムとして統合していくことになるだろう」 
 
出典:Popular Mechanics

2025年12月12日 FNNプライムオンライン

 

シリーズで伝える『2025くまもとニュースの深層』では6月に発覚したネコの大量死事件、150匹以上のネコが死んだ凄惨な事件はなぜ起きたのか。関係者への取材を通してその背景に迫るとともに、同じ過ちを繰り返さないため私たちに何ができるか考える。 

 

FNNプライムオンライン

 

【画像】TKUの取材に答える公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの杉本彩理事長

動物愛護法違反の疑いで逮捕された女

6月に凄惨な事件が明るみとなった。動物愛護団体に所属する熊本市在住の女の自宅などから、150匹以上のネコの死骸が見つかった。様々な事情で飼えなくなった人たちなどからネコを預かり、里親探しの依頼を受けていたという。 

 

熊本市からの刑事告発を受けた警察は、9月に動物愛護法違反の疑いで女を逮捕した。逮捕当時、「預かるネコが増えるにつれ費用や手間が増え、だんだん面倒になっていった」と供述していたという。

「かわいそうな命を助けたい」の裏に

事件はなぜ起きたのか、女が所属していた団体の代表に話を聞いた。愛護団体の代表は「ネコの保護依頼があったら『こういう依頼があるけど、大丈夫?いっぱいいるんじゃない?』と必ず聞いていたが、『他の人が空いているので大丈夫です』と言っていた。『今、何匹しかいない』と結構少ない数を言っていた」と振り返る。 

 

長年、ボランティアで保健所に預けられた犬の里親探しに奔走してきたという代表。団体の中で、ネコの保護活動を担当していた女は、団体に内緒で多くのネコを預かっていたという。 

 

愛護団体の代表は「『かわいそうな命を助けたい』という思いだったと思う。いつも口癖のように『私が助けなかったらどうなるの』と言っていた」と話し、「なんで忙しさにかまけて(女の家に)行かなかったんだろう。物資が届いたときに『持っていくよ』と言っても『取りに行きます』と必ず言っていた。どうして無理にでも持って行かなかったんだろうと今でも思う」と後悔の言葉を口にした。 

 

食い止められるタイミングはどこだったか、愛護団体の代表に尋ねると「難しいですね。どこだったんでしょうね。私はものすごく信頼していて、知識もやっぱりある程度あったので、本当に信頼しきっていた。『大丈夫です』という言葉を信じていた」と話す。代表は、今回の事件の責任を取って団体を解散した。

各動物愛護団体は事件をどうとらえる

救うことができなかった157匹のネコを供養しようと、11月には複数の愛護団体の関係者などが慰霊碑を建立した。 

 

動物愛護団体・フィリアの田尻みゆき代表は「『熊本事件』として絶対忘れてはいけない。そうでないと報われない。語り部として受け継いでいきたい」と話し、くまもと犬猫緊急災害チームの山下マキ事務局長は「地域の無関心こそがどんどん孤独に追いやって発覚が遅れるのは社会の問題。行政や保健所、愛護団体、支援センターが情報共有していくことも大事」と話す。 

 

また、公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの理事長を務め、動物愛護活動に取り組む俳優の杉本彩さんは「途中から自分が受け入れられるキャパシティーが分からなくなってくる。同情だけで引き受けて最後は救うどころか、苦しめることになる本末転倒のパターンもある。何でも引き受けてくれる『神ボランティア』というようにあがめられると、人間は弱いので承認される喜びに満たされて、断ることができないというケースもある。理由は様々だと思う」と活動の難しさについて指摘する。 

 

家族、そして地域の一員となっている動物をいかに守っていくのか、悲惨な事件を繰り返さないためにも一人一人が自分の事として考える機会としたい。 

 

(テレビ熊本)

2025年12月5日 ラジオ関西トピックス ラジトピ

 

 

 飼育放棄や飼い主の死などで行き場を失った犬や猫が新しい家族とともに暮らす姿を紹介する写真展「命を救ってくれて、ありがとう」(NPO法人C.O.N主催)が、このほど兵庫県尼崎市のつかしんギャラリーで開催された。会場には、保護された犬や猫のさまざまな表情や日常のワンシーンを撮影した写真とエピソードが並び、訪れた人々は興味深い様子で1つ1つの展示を観賞していた。 

 

写真とともにエピソードが紹介されている(ラジオ関西)

 

【写真】「高齢者とペットの今をみつめて」コーナー 

 

 写真展は、C.O.Nが長年取り組んできた保護活動と、近年立ち上げた「高齢者とペットの安心プロジェクト」の周知、動物の命をつなぐことの大切さを伝えたいとの思いから企画された。展示は新しい家族に迎え入れられた保護犬・猫の写真48点で構成。それぞれの写真に添えられた飼い主からのメッセージを通じて、保護から譲渡に至る過程や、その後の生活の様子もつづられた。

 

 また、高齢の飼い主と高齢ペットが互いに支え合いながら築いた絆を伝える「高齢者とペットの今をみつめて」コーナーも。高齢者の死亡などにより、保護された犬猫、とりわけ高齢の犬猫が、65歳以上の新たな飼い主のもとで、幸せに暮らしている3事例を12点の写真で紹介。人間と犬猫それぞれが高齢になった場合、どのような関わり方が理想であるのか、考えさせられる展示となった。

 

  C.O.Nによると、自治体の動物愛護センターの収容能力は限定的で、尼崎市では犬6頭、猫30匹程度。民間団体やボランティアへの引き取り依頼が増える中、保護側の負担が大きくなっている実情があるという。また、全国的にボランティアの多頭飼育崩壊が発生するなど、現場は逼迫(ひっぱく)していて、社会全体で支える仕組みづくりが急がれている。

 

  その対策の一環としてC.O.Nは、11月から阪神間の動物保護団体と連携、保護猫活動支援や民間保護シェルター開設を目指す「命を救ってくれて、ありがとう基金」を設立。写真展は基金の趣旨や、保護活動への理解と協力を呼びかける意図も兼ねている。

 

  一方で推進する「高齢者とペットの安心プロジェクト」は、▽相談窓口の設置▽見守り支援サポーターによる訪問支援▽緊急時に備えた「高齢者とペットの安心カード」や「もしもに備えるチェックシート」の配布▽預かりボランティアの育成―の4本柱。安心カードは冷蔵庫に貼れるマグネット形式で、緊急時の連絡先を書き留めておくことができ、10月時点で尼崎市を中心に約4000枚を配布。今回の会場には、プロジェクト関連の相談窓口も設けられた。

 

 写真展には、実際に保護犬・猫を飼っているという人、高齢のペットと暮らす人も来場。「ほかの保護された犬猫たちもこんなに穏やかに過ごしていると知って胸が熱くなった」という声が相次いだ。「ペットとの終活」窓口に来た尼崎市の80代女性は「夫婦で18歳の犬を飼っており、どちらか1人が入院した場合、愛犬の世話ができないのでは」と懸念、一時預かりシステムやペットを託すための遺言書の書き方などについて相談していた。

 

  相談に対応したC.O.Nの担当者は、「今はだいじょうぶでも先々何かあったらという不安を持ち、相談に来た高齢者が多かった。もしもの時に頼れる手段を知っているだけで『もう少しペットの面倒をみていける』という心の支えになると思う」と話した。保護犬・猫や高齢者の飼育などに関する問い合わせはNPO法人C.O.N 06-6433-3817。