【若紫140-2】☆共通テスト対策☆解釈問題
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見、かわいらしい少女若紫を目にしました。直後に僧都が光源氏に会いに来て、自邸の僧坊に誘います。光源氏は若紫の素性を詳しく尋ね、尼君に取り次ぎを求めるも、あえなく一蹴されてしまいました。
【今回の源氏物語】
錦を敷けると見ゆるに、鹿のたたずみ歩くも、めづらしく見たまふに、悩ましさも紛れ果てぬ。
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☆ 共通テスト~内容把握問題~☆
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名も知らぬ木草の花どもも、いろいろに入りまじり、錦を敷けると見ゆるに、鹿のたたずみ歩くも、めづらしく見たまふに、悩ましさも紛れ果てぬ。
問 傍線部の説明として、最も適当なものを1つ選べ。
1.色とりどりの紅葉が敷きつめられた情景はまさに錦をかざったようで、そこに鹿が立ち止まっている様子は、まるで夢のような幻想的なものとして光源氏の目に映った。
2.色彩豊かな花々が、まるで錦織りの文様のように散りばめられている様子は、非常に美しく、まさにこの世ではないような新鮮な情景として光源氏の目には映った。
3.木や草花の様々な色合いが散り混じって錦を敷いたように見える上を、鹿があちこちうろついている様子は、都では見られない新鮮な感じで光源氏の目に映った。
4.色あせた紅葉の散り落ちた山一面が錦色に輝いて見え、それにも増して鹿が哀しげに鳴いている様子は、光源氏にとってはもの珍しく、しみじみと感じていた。
5.錦を散りばめたように美しい花々が敷つめられたその上に、鹿の足音が無造作についている様子は、あまりにみすぼらしく、光源氏は不思議な光景だと感じた。
⑴ 源氏物語イラスト訳
⑵ イラスト解釈
⑶ 古文単語
「源氏物語イラスト訳」では、古文目線を鍛え、
「イラスト解釈」では、文法や古文常識の力を
オリジナル問題にて解説しています。
今日のポイントはここ☆
☆よく出る傍線部の心情解釈問題☆
センター試験でもよく出題されたのが、
傍線部の心情を含んだ解釈問題です。
錦を敷けると見ゆるに、鹿のたたずみ歩くも、めづらしく見たまふに、悩ましさも紛れ果てぬ。
光源氏は、
直前の情景を見て
「めづらし」と感じたのですね!
ここでポイントは、
「めづらし」の根本語義が
プラス・イメージだということ!
「錦を敷ける」の「る」にも注意しましょう。
錦を敷き詰めたような様子とは
そのまた直前の、木草の花どもの様子です。
このような花々の美しい様子に
光源氏はおそらく心ひかれているでしょう。
そして、
その錦を敷きつめた様子の花々の上に
シカが「たたずみ歩く」のを光源氏は見ました。
この情景が
頭に浮かびますか?
(^m^)
【答え】…3