【若紫89-2】☆まぎらわしい「けれ」識別☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見ます。そこで光源氏は、かわいらしい少女若紫を目にしました。直後に僧都が光源氏に会いに来て、自邸の僧坊に誘います。
【今回の源氏物語】
思し続けて、かうやうなる住まひもせまほしうおぼえたまふものから、昼の面影心にかかりて恋しければ、
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☆ 古文オリジナル問題~「けり」識別~☆
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思し続けて、かうやうなる住まひもせまほしうおぼえたまふものから、昼の面影心にかかりて恋しければ、
問 傍線部の文法説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.過去の助動詞
2.完了の助動詞
3.詠嘆の助動詞
4.ク活用形容詞の活用語尾
5.シク活用形容詞活用語尾の一部
源氏物語イラスト訳では
このアプローチが効率的に行えるよう
ブログを展開しています。
⑴ 源氏物語イラスト訳
⑵ イラスト解釈
⑶ 古文単語
「源氏物語イラスト訳」では、古文目線を鍛え、
「イラスト解釈」では、文法や古文常識の力を
複眼的視点で鍛えていきます☆
先日のセンター試験では、
擬古物語が出題されました。
擬古物語、王朝物語では、
多くが『源氏物語』をモチーフにしたものです。
特に今回のセンター試験は
まさに「若紫」の「垣間見」の場面と瓜二つでしたよね~!
大学入試共通テストに移行しても
この出題傾向は変わらないと思います。
むしろ、こうした古典常識となる「源氏物語」の基礎知識を活かして、速読トレーニングを重ねていくことが、今後の古典の学習方法だと思いますよっ!
今日のポイントはここ☆
☆まぎらわしい「けり」の識別☆
「けれ」の識別は
古文の文法問題で、最もよく出題されるものの1つです。
「けれ」だけに傍線が引かれていると、
あっ!
助動詞の「けり」だね!!
と、短絡的に思い込んでしまいますが…
大学入試で、
短絡的な識別は出ませんよぉ~!
「恋しい」と、現代でも用いるので、
形容詞だってことは分かると思いますが…
シク活用か、ク活用か…
「けれ」の文法的説明をするとき、
「シク活用形容詞の已然形活用語尾の一部」
まで説明させる大学は、
国公二次でも時々見られます。
こういう選択肢で、
まずはきちんと選べるように
着実に基礎を押さえていきましょう!
【答え】…5