【夕顔414-2】疑問・反語の見分け方☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔414-2】疑問・反語の見分け方☆

イラスト解釈では

源氏物語イラスト訳で出てきた古文の

入試対応オリジナル問題を掲載しています☆

源氏物語イラスト解釈

 

【これまでのあらすじ】

 天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

 ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せつつも、夕顔の四十九日を終えました。一方、伊予介と空蝉が地方へ下ることとなり、光源氏は一夜の関係を結んだ人妻の空蝉と和歌を交わします。

 

【今回の源氏物語】

「など、帝の御子ならむからに、見む人さへ、かたほならずものほめがちなる」と、

   ↑

夕顔414イラスト訳はこちら

 

「夕顔」の巻 をはじめから読む⇒

『源氏物語』の登場人物はこちら⇒

『源氏物語』の目次一覧はこちら⇒

 

 

―――――――――――――――――――
 ☆ 古文オリジナル問題~疑問反語~☆

―――――――――――――――――――

なほ、かく人知れぬことは苦しかりけりと、思し知りぬらむかし。かやうのくだくだしきことは、あながちに隠ろへ忍びたまひしもいとほしくて、みな漏らしとどめたるを、「など、帝の御子ならむからに、見む人さへ、かたほならずものほめがちなる」と、作りごとめきてとりなす人ものしたまひければなむ。あまりもの言ひさがなき罪、さりどころなく。

 

問)傍線部の解釈として最も適当なものを1つ選べ。

 

1.どうして帝の子であるのに、実際に光源氏を見る人さえ並大抵でなく褒めたたえる傾向であるのか。

 

2.なぜ光源氏は帝の子であるのに、逢う人逢う人が彼をまったく褒めないでいるのだろうか。

 

3.何といっても光源氏は帝の子であるので、面倒を見る人までもが彼をずっと褒めがちである。

 

4.帝の子だからといって、実際に関係を結んだ人までもが光源氏を完璧な人として褒める傾向である。

 

5.帝の子なのに、どうして光源氏に出会う人はすべて、彼のことをとやかく褒めたたえることがあろうか。

 

笑い泣きゲロー笑い泣きゲロー

 

疑問・反語の識別は

古文読解の中でも、特に重要です。

   下矢印

【疑問・反語の見分け方】

・前後が質疑応答の文脈であれば、疑問

・直後に応答なくても、自問自答なら疑問

・自己主張の文脈であれば、反語

・「かは」「やは」など強調があれば反語が多い

 

 

これらは主語の見分け方と同様、

一朝一夕にマスターできるものではありません。

 

 

メンドくさいと思わずに

楽しみながら、古文読解をがんばっていきましょうね♪

チューチューチュー

 

 

 

 

なほ、かく人知れぬことは苦しかりけりと、思し知りぬらむかし。かやうのくだくだしきことは、あながちに隠ろへ忍びたまひしもいとほしくて、みな漏らしとどめたるを、「など、帝の御子ならむからに、見む人さへ、かたほならずものほめがちなる」と、作りごとめきてとりなす人ものしたまひければなむ。あまりもの言ひさがなき罪、さりどころなく。

 

傍線部はすべて

源氏物語の作者紫式部が推察した、

読者の評価ですね。

 

 

てことは、

この傍線部は疑問でなく

反語(自己主張)と捉えるのが妥当です。

 

など御子ならむからにさへかたほならものほめがちなる

 

【訳】

どうして御子であるだからといって、光源氏を実際見ていようなまでが欠点がなく何かと褒める傾向である

 

重要古語である「見る」や「かたほなり」

などもきちんと押さえて、

選択肢を吟味しましょうね!

 

【かたほなり(偏・片秀なり)

【形容動詞:ナリ活用】

…不完全な様子。不十分である。未熟である

 

 *『全訳古語例解辞典(小学館)』より

   

今回は、打消の助動詞「ず」がついていますので

完璧な光源氏の様子を示しています。

 

 

 

1.どうして帝の子であるのに、実際に光源氏を見る人さえ(△)並大抵でなく(×)褒めたたえる傾向であるのか。

 

2.なぜ光源氏は帝の子であるのに、逢う人逢う人が彼をまったく(△)褒めないでいるのだろうか(×)

 

3.何といっても(△)光源氏は帝の子であるので(△)、面倒を見る人までもが彼をずっと褒めがちである。

 

4.帝の子だからといって、実際に関係を結んだ人までもが光源氏を完璧な人として褒める傾向である。

 

5.帝の子なのに、どうして光源氏に出会う人はすべて(△)、彼のことをとやかく(△)褒めたたえることがあろうか。

   上矢印

一語一語の品詞分解で間違いがないのは

選択肢ですが…

 

 

この文脈で疑問は不自然ですよね!?

 

 

ちなみに、この選択肢のように

反語は「どうして~か、いや~ない

という基本の直訳でなく

 

意訳して出題されることもあるので

注意しましょうね!

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【答え】…

 

 

 

→今回のイラスト訳はこちら

→今回の重要古語はこちら