源氏物語イラスト訳【夕顔413-1】なほ
なほ、かく人知れぬことは苦しかりけりと、思し知りぬらむかし。かやうのくだくだしきことは、あながちに隠ろへ忍びたまひしもいとほしくて、みな漏らしとどめたるを、
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【源氏物語イラスト訳】
なほ、かく人知れぬことは苦しかりけり
訳)やはり、このように人知れぬ事(秘密の恋)は苦しいものだなあ
と、思し知りぬらむかし。
訳)と、悟りなさったのであろうよ。
かやうのくだくだしきことは、あながちに隠ろへ忍びたまひしもいとほしくて、
訳)このような煩わしいことは、無理に隠してこらえていらっしゃったのも気の毒で、
みな漏らしとどめたるを、
訳)全部漏らすのをとどめておいたのに、
【古文】
なほ、かく人知れぬことは苦しかりけりと、思し知りぬらむかし。かやうのくだくだしきことは、あながちに隠ろへ忍びたまひしもいとほしくて、みな漏らしとどめたるを、
【訳】
やはり、このように人知れぬ事(秘密の恋)は苦しいものだなあと、悟りなさったのであろうよ。このような煩わしいことは、無理に隠してこらえていらっしゃったのも気の毒で、全部漏らすのをとどめておいたのに、
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■【なほ】
■【かく】
■【人知れぬ】
※【知れ】
※【ぬ】
■【は】
■【苦しかり】
■【けり】
■【と】
■【思し知る】
※【思(おぼ)し―】
※【思ひ知る】
■【ぬ】
■【らむ】
■【かし】
■【かやうの】
■【くだくだしき】
※【くだくだし】
■【は】
■【隠ろへ】
※【隠(かく)ろふ】
■【忍び】
※【忍(しの)ぶ】
■【たまひ】
※【たまふ】
■【し】
■【も】
■【いとほしく】
※【いとほし】
■【て】
■【みな】
■【漏らし】
■【とどめ】
■【たる】
■【を】
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ここからは、紫式部の草子地の部分です。
これまでの『源氏物語』の巻は、
紫式部の感想が巻のラストに書かれていましたね。
第四帖「夕顔」の巻も、もうすぐ終了です。
長かったぁ~~!!
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