【夕顔400-2】指示語の解釈問題
イラスト解釈では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
入試対応オリジナル問題を掲載しています☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せつつも、夕顔の四十九日を迎えました。
【今回の源氏物語】
確かならねど、けはひをさばかりにやと、ささめきしかば、惟光をかこちけれど、いとかけ離れ、気色なく言ひなして、
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☆ 古文オリジナル問題~指示語の解釈~☆
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確かならねど、けはひをさばかりにやと、ささめきしかば、惟光をかこちけれど、いとかけ離れ、気色なく言ひなして、
問)傍線部の説明として最も適当なものを選べ。
1.夕顔がいなくなったのは、光源氏の気配を嫌がっていたからだろうか
2.夕顔がいなくなったのは、男の気配を察知して、また逃げ出したのではないか
3.夕顔をさらったのは、男の気配からすると、惟光朝臣ではなかろうか
4.夕顔をさらったのは、男の気配からすると、光源氏のあたりだろうか
5.夕顔がいなくなったのは、男に対する気持ちがなくなったからだろうか
大学入試で多い読解問題は、
上のオリジナル問題のような指示語の解釈問題です。
【指示語の解釈問題の解き方】
⑴ 直前から指示内容を確認
⑵ 傍線部の逐語訳
⑶ 前後の文脈みて状況把握
基本の解釈のしかたは
国語の問題は、どれをとっても同じ。
ただ、古文の場合は
「さばかり」の「さ」が指示語だってこと
気づかなくちゃ、どうしようもないよね!
【さばかり】
【副詞】
①(前文の内容や既知の事柄を受けて)その程度。それぐらい
②(程度のはなはだしさを強調して)あんなに。とっても
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
あとは、基本の解釈問題の解き方で。
「さばかり」は、
どこにもはっきり示されてないので
ここで「光源氏」が指示内容だと
特定することはできないけれど
『源氏物語』に精通してる人たちからすると
ここで誰しもが光源氏を想定するものと
イメージできて当然なんですね。
※解釈本の多くが、「さ」を光源氏だと指摘しています。
1.夕顔がいなくなったのは、光源氏の気配を嫌がっていた(△)からだろうか
2.夕顔がいなくなったのは、男の気配を察知して、また逃げ出した(△)のではないか
3.夕顔をさらったのは、男の気配からすると、惟光朝臣(△)ではなかろうか
4.夕顔をさらったのは、男の気配からすると、光源氏のあたりだろうか
5.夕顔がいなくなったのは、男に対する気持ちがなくなった(△)からだろうか
こういう指示語の問題は
受験生は後回しにしがちだけど
思考力を高めるために
ふだんから、がんばってチャレンジするようにしましょうね。
【答え】…4