【夕顔388-2】「憎からず」の心情理解☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔388-2】「憎からず」の心情理解☆

イラスト解釈では

源氏物語イラスト訳で出てきた古文の

入試対応オリジナル問題を掲載しています☆

源氏物語イラスト解釈

 

【これまでのあらすじ】

 天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。

 ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいます。失意の中、喪も明け、光源氏はかつて関係のあった人妻の空蝉へ、そして一夜の逢瀬であった軒端荻へと、想いを馳せるのでした

 

【今回の源氏物語】

「…何の心ばせありげもなく、さうどき誇りたりしよ」と思し出づるに、憎からず。

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 ☆ 古文オリジナル問題~心情理解~☆

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「…何の心ばせありげもなく、さうどき誇りたりしよ」と思し出づるに、憎からず

 

問)傍線部の心情説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。

 

1.たいした才能もないにもかかわらず、騒騒しいばかりの品性のない和歌を送りつけてきたことが、憎いとまではいかないが、自分の好みではないと思い、気持ちが離れてしまっている。

 

2.別に何と言う心構えもありそうになく、ただはしゃいで得意顔でいたことを思い出すと、下手な筆跡や、それをごまかそうとした品のない洒落た書きぶりも納得がいき、憎めないでいる。

 

3.それほどたいした歌の才能があるわけではなく、ただはしゃいで得意げに洒落た言葉を使っていたことが、逆に子どもらしくあどけないように感じられて、なんだか憎めないでいる。

 

4.筆跡はよくなくて、しかもそれをごまかすかのように洒落た言葉で装っている歌を送りつけてきたことで、憎いとまではいかないが、自分の好みとはかけ離れていると感じている。

 

5.何の愛情も感じられず、ただ巧みなばかりの和歌の書きぶりであったのが、光源氏の心には響かず、憎いとまではいかないが、もはや愛情が冷めきってしまっている。

 

笑い泣きゲロー笑い泣きゲロー

 

古文の心情読解は、

 

⑴ 傍線部一語一語の逐語訳

   
⑵ 直前直後の文脈からの状況理解


⑶傍線部および直前直後の形容語に着目

   アップ

小説の心情理解とほぼ同様ですが、

古文の重要語義をしっかり押さえて

状況や心情をつかむことが大切です。

 

 

   

【憎からず(にくからず)】

【連語:形容詞+打消の助動詞】

①「憎し」と感じる有様ではない。感じがよい

②「憎し」と思う気持ちではない。情愛が深い。愛情がこまやかである


 *『全訳古語例解辞典(小学館)』より

   上矢印

この古語は

「憎くない」という言葉通りの気持ちではなく

 

 

ちょっと愛情を感じる時などに用いる場合が多いです。

 

 

上のような、選択肢の長い場合は

 

選択肢の長文を部分的に分けて、

 

傍線部直前直後の古文と照らし合わせて

 

よく吟味してから解答しましょうね!

 

 

1.たいした才能もないにもかかわらず、騒騒しいばかりの品性のない和歌を送りつけてきたことが、憎いとまではいかないが、自分の好みではないと思い、気持ちが離れて(△)しまっている。

 

2.別に何と言う心構えもありそうになく、ただはしゃいで得意顔でいたことを思い出すと、下手な筆跡や、それをごまかそうとした品のない洒落た書きぶりも納得がいき、憎めないでいる。

 

3.それほどたいした歌の才能があるわけではなく、ただはしゃいで得意げに洒落た言葉を使っていたことが、逆に子どもらしくあどけないように感じられて(△ナシ)、なんだか憎めないでいる。

 

4.筆跡はよくなくて、しかもそれをごまかすかのように洒落た言葉で装っている歌を送りつけてきたことで、憎いとまではいかないが、自分の好みとはかけ離れている(△)と感じている。

 

5.何の愛情も感じられず、ただ巧みなばかりの和歌の書きぶりであったのが、光源氏の心には響かず、憎いとまではいかないが、もはや愛情が冷めきって(△)しまっている。

 

 

 

 

 

 

 

【答え】…

 

 

 

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