【夕顔353-2】よく出る! 代動詞「ものしたまふ」☆
高校生のみなさん☆
古文は、文法と古語、そして古文常識の
3つの知識がそろって、初めて読解に繋がりますよ~♪
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)の助けを借りながら夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意に沈んでいます。ある夕暮れ時、右近(夕顔の侍従)は光源氏に促され、亡き夕顔の身の上を話し出しました。
【今回の源氏物語】
「幼き人惑はしたりと、中将の愁へしは、さる人や」と問ひたまふ。
「しか。一昨年の春ぞ、ものしたまへりし。女にて、いとらうたげになむ」と語る。
↑
―――――――――――――――――――
☆ 古文オリジナル問題~代動詞の意味~☆
―――――――――――――――――――
「幼き人惑はしたりと、中将の愁へしは、さる人や」と問ひたまふ。
「しか。一昨年の春ぞ、ものしたまへりし。女にて、いとらうたげになむ」と語る。
問)傍線部の解釈として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.一昨年の春に行方不明になられました。
2.一昨年の春にお生まれになりました。
3.一昨年の春から病気でいらっしゃいました。
4.一昨年の春からご心配でいらっしゃいました。
5.一昨年の春にお亡くなりになりました。
国公二次でよく出て来るのが、
指示語や代動詞の文脈判断を伴う訳出です。
今回のような「ものしたまふ」も、
…的なカンジで、現代でもよく、なにしてますよね!
【自動詞:サ行変格活用】
①いる。ある
②行く。来る
③生まれる 。死ぬ
【他動詞:サ行変格活用】
…(ある動作を)する
【補助動詞:サ行変格活用】
…(「~ものしたまふ」の形で)~でいらっしゃる
*『学研全訳古語辞典(Webilio古語辞典)』より
代動詞「ものす」は、
古文ではしょっちゅう出てきます。
こういう場面での読解は、
古文目線が頼りになります!
「幼き人惑はしたりと、中将の愁へしは、さる人や」と問ひたまふ。
「しか。一昨年の春ぞ、ものしたまへりし。女にて、いとらうたげになむ」と語る。
文脈によると…
光源氏が、
とお尋ねになったことに対し、右近は、
「しか。一昨年の春ぞ、ものしたまへりし。」
と答えています。
「しか」は、「そうです」という意味の指示語なので、
この文脈から、ある程度選択肢が絞れそうですね。
1.一昨年の春に行方不明になられました。
2.一昨年の春にお生まれになりました。
3.一昨年の春から病気でいらっしゃいました。
4.一昨年の春からご心配でいらっしゃいました。
5.一昨年の春にお亡くなりになりました。
さらに、この直後の右近の、
という会話の内容から、
話題は、頭中将ではなく、
夕顔の子のことだと分かります!
2.一昨年の春にお生まれになりました。(○)
4.一昨年の春からご心配でいらっしゃいました。(△)
これが、古文目線!
o(^-^o)(o^-^)o
【解答】…2