【夕顔341-2】係り結びの特殊用法☆
古文は時間をかけて積み重ねてこそ
確実な得点源としての知識が定着します。
古文の学習を後回しにしているあなた☆
このブログで、効率的に学習しましょう♪
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)の助けを借りながら夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意に沈んでいます。ある夕暮れ時、右近(夕顔の侍従)を呼び寄せて、亡き夕顔の話をします。
【今回の源氏物語】
「…はかなかりし夕べより、あやしう心にかかりて、あながちに見たてまつりしも、かかるべき契りこそはものしたまひけめと思ふも、あはれになむ。
↑
――――――――――――――――――――
☆ 古文オリジナル問題~活用形の識別~☆
――――――――――――――――――――
「…はかなかりし夕べより、あやしう心にかかりて、あながちに見たてまつりしも、かかるべき契りこそはものしたまひけめと思ふも、あはれになむ。
問)傍線部の説明として正しいものを、次の中から1つ選べ。
1.「あはれ」とは、現代の哀れに通ずるマイナスイメージである。
2.「に」は状態を表す格助詞である。
3.「なむ」は係助詞で結びは省略されている。
4.「なむ」は終助詞で希望を表している。
5.「なむ」は確述用法で「きっと~だろう」と訳す。
係り結びの法則は、
中学校の時から習う、オーソドックスな古典文法です。
今回は文末にあるので、
この、係助詞「なむ」ではないな、と思うわけですが…
ちなみに、「なむ」の識別は、基本的に次の3つです。
1.【未然形+なむ】⇒希望の終助詞
2.【連用形+な+む】⇒確述用法
3.【それ以外+なむ】⇒強意の係助詞
形容動詞「あはれなり」は、
連用形「に」のほうが、本活用なので、
②の確述用法にはなりません。
なぜなら、助動詞「ぬ(な)」は、
補助活用のほうに接続するからです。
【あはれなり】
【形容動詞:ナリ活用】
①趣が深い
②かわいい。いとしい。なつかしい
③気の毒だ。かわいそうだ。いたわしい
④悲しい。さびしい
⑤情が深い。情がこまやかだ
⑥ありがたい。尊い
⑦立派だ。すぐれている
⑧人を深く感じさせる。感心だ
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
「あはれなり」には、
このように多種多様な意味がありますが、
こういう所で迷うよりも、
文法事項をきちんとおさえて、
文脈判断していくほうが
古文目線の読み方と言えましょう。
【解答】…3