【夕顔325-2】傍線部の心情理解☆偏差値55相当☆
第一志望合格に向けて、しっかり頑張っていきましょう!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)に命じて夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意のまま二条院へと戻ります。
【今回の源氏物語】
弱げに泣きたまへば、言ふかひなきことをばおきて、「いみじく惜し」と思ひきこゆ。
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☆ 古文オリジナル問題~心情解釈問題~☆
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弱げに泣きたまへば、言ふかひなきことをばおきて、「いみじくあたらし」と思ひきこゆ。
問)傍線部は、誰のどのような気持ちか。最も適当なものを、次の中から1つ選びなさい。
1.光源氏の、右近の心情を察してひどく同情している気持ち。
2.光源氏の、右近のはかなく消え入りそうな態度を惜しいと思う気持ち。
3.右近の、光源氏の弱々しい態度をひどく気に病んでいる気持ち。
4.右近の、光源氏からのご厚情を非常にもったいないと思う気持ち。
5.惟光の、光源氏と右近のやりとりを非常に新鮮だと思う気持ち。
傍線部の心情解釈問題は、
センター試験の王道ですね!
さあ、上の問題は、
ぱぱっと解答できたでしょうか?
まず、着目してほしいのは、
傍線部の重要古語、
「あたらし」という形容詞です。
【あたらし(惜し)】
【形容詞:シク活用】
①惜しい。もったいない
②(そのままにしておくのが惜しいほど)すばらしい。立派である
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
あ~たらしちゃった、
もったいない!
『古文単語ゴロ565』には、
こんなふうに載ってます。
この、基本の重要古語の意味がわかっていれば、
選択肢は2つに絞れますよね!
1.光源氏の、右近の心情を察してひどく同情している気持ち。
2.光源氏の、右近のはかなく消え入りそうな態度を惜しい(○)と思う気持ち。
3.右近の、光源氏の弱々しい態度をひどく気に病んでいる気持ち。
4.右近の、光源氏からのご厚情を非常にもったいない(○)と思う気持ち。
5.惟光の、光源氏と右近のやりとりを非常に新鮮だと思う気持ち。
そして、次に主語を確認しましょう。
「――」と思ひきこゆ。
この「きこゆ」は、謙譲の補助動詞です。
つまり、主語は光源氏じゃないですよね!
【解答】…4