源氏物語イラスト訳【夕顔325】弱げに泣き
弱げに泣きたまへば、言ふかひなきことをばおきて、「いみじく惜し」と思ひきこゆ。
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【源氏物語イラスト訳】
弱げに泣きたまへば、
訳)弱々しく泣きなさるので、
言ふかひなきことをばおきて、
訳)今さら言ってもどうしようもないことはさし措いても、
「いみじく惜し」と思ひきこゆ。
訳)「ひどくもったいない」と思い申し上げる。
【古文】
弱げに泣きたまへば、言ふかひなきことをばおきて、「いみじく惜し」と思ひきこゆ。
【訳】
弱々しく泣きなさるので、今さら言ってもどうしようもないことはさし措いても、「ひどくもったいない」と思い申し上げる。
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■【弱げに】
※【弱げなり】
■【泣き】
■【たまへ】
■【ば】
■【言ふかひなき】
※【言ふかひなし】
■【をば】
■【おき】
※【おく】
■【て】
■【いみじく】
※【いみじ】
■【惜(あたら)し】
■【と】
■【思ひ】
■【聞こゆ】
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☆本日の『源氏物語』☆
右近に向かってこんなことを言ってくれる光源氏――
右近は、夕顔の亡くなったことは、今更どうすることも
できないものとしても、こんなことを光源氏が言って
くれるので、もったいないと思っているんですね。
「惜し」は、「あたらし」と読んで、「もったいない」の意です。