【夕顔310-2】立教大学は…
このイラスト解釈では、毎回1問ずつ、
古文の問題を載せています。チャレンジしてみてねっ!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)に命じて夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意のまま二条院へと戻ります。
【今回の源氏物語】
御馬にも、はかばかしく乗りたまふまじき御さまなれば、また、惟光添ひ助けておはしまさするに、堤のほどにて、御馬よりすべり下りて、
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☆ 立教大学版~助動詞の文法的意味識別~ ☆
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御馬にも、はかばかしく乗りたまふまじき御さまなれば、また、惟光添ひ助けておはしまさするに、堤のほどにて、御馬よりすべり下りて、
問)傍線部「まじき」の文法的意味は何か。下記各項の中から最も適当なものを1つ選びなさい。
1.打消推定(推量)
2.禁止
3.不可能
4.断定
5.確認(強調)
先日の学園祭では、
橋本環奈さんのトークショーが中止になって残念でしたね。
まじか!
…ってな感じでしたでしょうか;;
今回の助動詞のオリジナル問題は、
立教大学2009年度の過去問を参考にさせていただきました。
2009年度過去問では「めり」が出題されていましたが、
今回の源氏物語では「まじき」に着目しました。
助動詞「まじ」は、文法書によっても
文法的意味がけっこうまちまちですが…;;
こういう選択肢なら、バッチリ解答が決まるので、
出題されやすいんですよ!
紙ベースの古語辞典には、以下のとおり書いてあります。
【まじ】
【助動詞】
①(ある程度の確信をもって否定的に推量する意)~ないだろう。~しそうにない
②(否定されるのが当然だという意)~べきではない。~はずがない
③(打消しの意志)~しないつもりだ。(決して)~すまい
④(禁止や打消しの勧誘)~してはならない。~しない方がよい
⑤(当然不可能であろうと確信に満ちて推定する意)~できそうにない。~できないにちがいない
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
…で、文法書(『体系古典文法』など)には、
この、「スイカトメテ」の逆バージョンとして
説明されてる場合が、けっこう多いんですよね。
ちなみに、「べし」も「まじ」も、
今でも使う助動詞ですのでお分かりでしょうが、
けっこうこれと1つに意味を識別できない場合も多いんですよね~;;
では、どういう文脈だったのか、
イメージをもって、本文を読んでいきましょう。
光源氏は、夕顔の死体が安置されている山寺へ行って、
その帰りに、馬上で、「いかなる契りにか」と
悲しみにふけっています。
そこで、傍線部の「まじき」を含む文脈です。
御馬にも、はかばかしく乗りたまふまじき御さまなれば、
どうでしょう。
ニュアンスはつかめましたか?
(*^_^*)
ちなみに…
「べし」の否定形である「まじ」は、
「べし」と同様、強いニュアンスの助動詞です。
なので、
終止形(ラ変型には連体形)に接続
するんですね。
こういうこともプラスαで覚えて、
どんなタイプの問題が出題されても、
助動詞の基本的問題は、正答できるようにしておきましょうね!
【解答】 3