源氏物語イラスト訳【夕顔306】とあるもかかるも
「…とあるもかかるも、同じ命の限りあるものになむある。思ひ慰めて、我を頼め」と、のたまひこしらへて、「かく言ふ我が身こそは、生きとまるまじき心地すれ」
とのたまふも、頼もしげなしや。
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【源氏物語イラスト訳】
「…とあるもかかるも、同じ命の限りあるものになむある。
訳)「…あんなふうに先立つ者も、こんなふうに残される者も、同じ命の尽きる時があるもので あるのだ。
思ひ慰めて、我を頼め」と、のたまひこしらへて、
訳)気を取り直して、私を頼ってくれ」と、言いなだめなさり ながらも、
「かく言ふ我が身こそは、生きとまるまじき心地すれ」
訳)「このように言う我が身こそが、生きながらえられそうにない気がする」
とのたまふも、頼もしげなしや。
訳)とおっしゃるのも、頼りがいのないことだなあ。
【古文】
「…とあるもかかるも、同じ命の限りあるものになむある。思ひ慰めて、我を頼め」と、のたまひこしらへて、「かく言ふ我が身こそは、生きとまるまじき心地すれ」
とのたまふも、頼もしげなしや。
【訳】
「…あんなふうに先立つ者も、こんなふうに残される者も、同じ命の尽きる時があるもので あるのだ。気を取り直して、私を頼ってくれ」と、言いなだめなさり ながらも、「このように言う我が身こそが、生きながらえられそうにない気がする」
とおっしゃるのも、頼りがいのないことだなあ。
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■【とあるもかかるも】
※【とあり】
※【かかり】
※【も】
■【同じ】
■【命の限り】
※【限り】
■【ある】
■【に】
■【なむ】
■【ある】
■【思ひ慰め】
※【思ひ慰む(おもひなぐさむ)】
■【て】
■【我(われ)】
■【を】
■【頼め】
※【頼(たの)む】
■【と】
■【のたまひこしらふ】
※【言ひこしらふ】
※【のたまふ】
■【て】
■【かく】
■【言ふ】
■【我が身】
■【こそ】
■【は】
■【生きとまる】
■【まじき】
■【心地】
■【すれ】
■【と】
■【のたまふ】
■【も】
■【頼もしげなし】
■【や】
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光源氏は、夕顔をなだめるのに苦慮しているようですね。
でも…言ってる本人でさえ、
心がどうにかなってしまいそうなのに…ね;;