源氏物語イラスト訳【夕顔307】惟光、夜は
惟光、「夜は、明け方になりはべりぬらむ。はや帰らせたまひなむ」
と聞こゆれば、返りみのみせられて、胸もつと塞がりて出でたまふ。
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【源氏物語イラスト訳】
惟光、「夜は、明け方になりはべりぬらむ。
訳)惟光が、「夜は、もうきっと 明け方になっているでしょう。
はや帰らせたまひなむ」と聞こゆれば、
訳)早くお帰りあそばす がよいでしょうよ」と申し上げるので、
返りみのみせられて、
訳)振り返って見ることばかりせずにはいられなくて、
胸もつと塞がりて出でたまふ。
訳)胸もズキンと締めつけられて、寺を出なさる。
【古文】
惟光、「夜は、明け方になりはべりぬらむ。はや帰らせたまひなむ」
と聞こゆれば、返りみのみせられて、胸もつと塞がりて出でたまふ。
【訳】
惟光が、「夜は、もうきっと 明け方になっているでしょう。早くお帰りあそばす がよいでしょうよ」
と申し上げるので、振り返って見ることばかりせずにはいられなくて、胸もズキンと締めつけられて、寺を出なさる。
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■【惟光(これみつ)】
■【は】
■【明け方(あけがた)】
■【に】
■【なり】
■【はべり】
■【ぬ】
■【らむ】
■【はや】
■【帰ら】
■【せたまふ】
※【せ】
※【たまふ】
■【なむ】
※【な】
※【む】
■【と】
■【聞こゆれ】
※【聞こゆ】
■【ば】
■【返りみ(かへりみ)】
■【のみ】
■【せ】
■【られ】
■【て】
■【胸(むね)】
■【も】
■【つと】
■【塞(ふた)がる】
■【て】
■【出(い)で】
■【たまふ】
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特に、このような場所にいる光源氏は
姿を見られてはいけなかったため、
日の出前の暗いうちに、光源氏は山寺を後に
しなければいけなかったのでしょう。
惟光は、ほんとに事務的な気がまわりますね。